崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十九・五話 魔術師の退屈しない毎日

腰巾着との出会い

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 いつものセリフを言おうとしたケンガだが、そのせいで周囲への観察眼が失せていた。
 ドンッ! 「あっ!」
「うぉっと! すまん、良く見てなかった」
 そのせいで正面から誰かの足を蹴ってしまった。倒れた人物を見て、慌てて駆け寄るケンガ。
「すまなかった、俺様は少し考え事をしていたんだ。ケガは…………ん?」
 その人物をチラリと見て「おや?」と首を傾げるケンガ。緑色の肌を見るとニンゲン族ではない。そして身長が低い……。
「あ……す、すびばせ……」
 一方の相手も、ニンゲンにじっと見られて動揺している。……そこまでビビるほどの圧は、ケンガにはないはずだが。
「そういえばシャットの奴には姉がいたとか……まあいい。ほら、この偉大なるケンガ・アタカン様が直々に手を貸してやろう。誇りに思うがいいぞ」
 そうして差し出されたケンガの手。
 小鬼族の女性……まぁお察しの通り彼女がサランなのだが。ちょうどケンガで太陽が隠れている。彼女の目にはまるで、後光が差しているように見えた……。
「け、ケンガさん。ケンガ・アタカンさん」
「そう! 俺様こそのちに大魔術師となる究極完全パーフェクトの存在、ケンガ様だ! 存分によきにはからえ」
「…………♡」
 まるで太陽のような存在。地の底の自分を照らすような明るさ。自分が嫌いで仕方ない己とは違う自己肯定感の塊。
 ……どうやらサランの目にはそう映ったらしい。いわゆる一目惚れであった。

「俺様はこの後特訓をするのだ。お前も来てみるか?」
「はいっお供させてください♡」
 というわけでケンガに、奇妙なえにしから腰巾着の女の子ができたのであった。

~☆~☆~☆~☆~☆~

「……なーんてことがあったらしいですよ。あのアンポンタンのトンチンカンが自慢たらしく話してました」
「えーマジー? ケンガっちにもついにフィア~ンセができちゃった感じぃ~?」
 そこからだいたい一時間後。新築感が少し馴染んできた冒険者ギルドにで、フローレンスとセンチアが話していた。
「いいなぁ~、あーしも彼氏欲しい」
「いっぱい候補いそうですけどね。加工屋のジュランさんとかダメなんですか?」
「アイツは彼女いるっぽいし。それにこの町のヤツって、男も女もみーんな田舎くさいのよね~。のんびりしてるのも良いと思うけど、あーしはトレンドなシティボーイとお付き合いしたいの!」
「出来ると良いですねぇ。本当に……」
 こんな田舎町で出来るわけねーだろ、という気持ちを抑えて、適当な相槌を打つフローレンス。
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