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第四十話 クリスタル・ピックアックス
馬車を止めて
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「ナガレ先輩、大丈夫? 朝にあんなことがあったばっかりなのに。今日のところはやっぱり退いてもいいんじゃないかしら」
ニンフォが気遣いを入れてくれた。しかしナガレは首を横に振る。
「いや、オレは大丈夫。仲間の一大事にボケッとしてられないよ。……それよりニンフォもごめんね。別れの余韻に浸りたいとこなのに、また出張らせちゃって」
「なーに言ってんのよ、センパイ♡ 私がいなきゃ困るくせに、強がらないで!」
そして長い爪でナガレの頬をつついた。今までの直球に性欲向けられるのと違い、なんだか普通なら色っぽさが出ていた。
「……いや、そうじゃなくって。そう言ってくれて助かるよ」
「でしょ? ふふふ……んじゃ、早くベネットを助けてあげましょ。どこの誰か知らないけど、イラムサ流は対人戦法が持ち味なのよ! オークなんかに絶対屈しないわっ」
「それは屈する奴の台詞だにゃあ。ヤバくなったらお前を置いてみんなで逃げるにゃあ」
「ニンフォちゃんは種族違うし、そう言う展開にならないと思うー。手足ロープで縛られて丸焼きにされるんじゃないー?」
「おっかないこと言わないで!」
種族の違う者同士に欲情することは、この世界ではあまり無い。道行くペットの犬や猫に「裸で歩いてる! ムホホ!」とならないはず。それと同じだ。
なお、ニンゲンは例外である。
「……くだらないこと話してないで、そろそろ着くぞ」
と、ジョーの声がした。窓の外は相変わらずの曇り空、浅い積雪が地面にわだちを残している。
「え、もう着いたの?」
「アイクラ鉱脈洞窟は、マリーオウでも近くにある採掘場にゃあ。都市に近くて補充がしやすいってのも、良い採掘場の証だにゃあ」
そう言われると、そんな気がする。……しばらくして、ゆっくりと馬車が止まった。
「……全員、武器を抜いてゆっくり降りろ。ここからは徒歩で行く」
ジョーの言葉に、全員馬車を降りる。馬はモフモフの寒冷仕様に、耳当てとマントまでつけている。待たせていても、凍えることはないだろう。
と、ジョーは地面にしゃがんで何かを見た。ナガレもそちらを向くと「あ!」と声を上げた。
「これは足跡だ! それもたくさんあるぞ」
「…… ああ、そうだ。どうやら敵は素人だな」
「どうして分かるのー?」
「暗殺ギルドやコナキ地方の戦士は、基本的に雪道を一列になって歩く。雪の上では一つの列にしか見えず、敵に実際の数を誤認させるためだ」
さすがジョー、修羅場には慣れているようだ。
ニンフォが気遣いを入れてくれた。しかしナガレは首を横に振る。
「いや、オレは大丈夫。仲間の一大事にボケッとしてられないよ。……それよりニンフォもごめんね。別れの余韻に浸りたいとこなのに、また出張らせちゃって」
「なーに言ってんのよ、センパイ♡ 私がいなきゃ困るくせに、強がらないで!」
そして長い爪でナガレの頬をつついた。今までの直球に性欲向けられるのと違い、なんだか普通なら色っぽさが出ていた。
「……いや、そうじゃなくって。そう言ってくれて助かるよ」
「でしょ? ふふふ……んじゃ、早くベネットを助けてあげましょ。どこの誰か知らないけど、イラムサ流は対人戦法が持ち味なのよ! オークなんかに絶対屈しないわっ」
「それは屈する奴の台詞だにゃあ。ヤバくなったらお前を置いてみんなで逃げるにゃあ」
「ニンフォちゃんは種族違うし、そう言う展開にならないと思うー。手足ロープで縛られて丸焼きにされるんじゃないー?」
「おっかないこと言わないで!」
種族の違う者同士に欲情することは、この世界ではあまり無い。道行くペットの犬や猫に「裸で歩いてる! ムホホ!」とならないはず。それと同じだ。
なお、ニンゲンは例外である。
「……くだらないこと話してないで、そろそろ着くぞ」
と、ジョーの声がした。窓の外は相変わらずの曇り空、浅い積雪が地面にわだちを残している。
「え、もう着いたの?」
「アイクラ鉱脈洞窟は、マリーオウでも近くにある採掘場にゃあ。都市に近くて補充がしやすいってのも、良い採掘場の証だにゃあ」
そう言われると、そんな気がする。……しばらくして、ゆっくりと馬車が止まった。
「……全員、武器を抜いてゆっくり降りろ。ここからは徒歩で行く」
ジョーの言葉に、全員馬車を降りる。馬はモフモフの寒冷仕様に、耳当てとマントまでつけている。待たせていても、凍えることはないだろう。
と、ジョーは地面にしゃがんで何かを見た。ナガレもそちらを向くと「あ!」と声を上げた。
「これは足跡だ! それもたくさんあるぞ」
「…… ああ、そうだ。どうやら敵は素人だな」
「どうして分かるのー?」
「暗殺ギルドやコナキ地方の戦士は、基本的に雪道を一列になって歩く。雪の上では一つの列にしか見えず、敵に実際の数を誤認させるためだ」
さすがジョー、修羅場には慣れているようだ。
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