崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二話 目指せスキルアップ!

鑑定の結果は……

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「それではナガレさん、右手を出してくださいねー」
 言われるがまま右手を差し出すナガレ。するとドロシーは手を掴んで、水晶玉に手のひらをべたっと貼り付けた。
「こうやって、貴方の力を水晶玉で分析してるんですー。ルエミ・ラカチ……リカワルマ・ラカチー……」
 ドロシーが何やら変な呪文を唱え出すと、水晶玉が紫色に輝き始める。手のひらは痛くも痒くもないが、少し不気味に感じてきた。
「見えましたーっ! 水晶玉よ、この者に眠る力を示したまへ~っ!」
 ピカーッ!
 ドロシーが大袈裟なポーズで天を仰いだ瞬間、水晶玉が一際明るく輝いた。
「うお眩し……って、うわっ⁉︎」
 次の瞬間、水晶玉の中に文字が浮かび上がる! 見たこともない文字なので解読はできない。
「ふっふっふー、これがスキル鑑定ですよー。魔力を使って人の能力をランク付けしたり、外見での判断が難しいスキルを可視状態にするんですー。すごいでしょー!」
「ああ、スッゲー! それでオレのスキルはどんなかんじなんだ⁉︎」
「まあまあお待ちくださいなー。あ、手はもう離していいですよー。ほら、ナガレさんのステータスが見えてきましたー」
 そう言ったドロシーは机の下から紙を一枚取り出し、ペンでサラサラと何やら書き始めた。
「ステータス?」
「分かりやすく言うと、ナガレさんの今の実力ですねー。S+が一番すごくって、逆にG-が最弱ですー。ほら、コレですよー」
 書き終わったようで、その紙をこちらに見せてくるドロシー。
「えっとなになに……?」
 内容は以下のものだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 氏名:ナガレ・ウエスト
 武器:マルチスタッフ
 技能鑑定:
 体力F+
 攻撃F
 防御C+
 魔力F+
 魔法防御D+
 素早さF+
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あ、ちなみに今着ていらっしゃる防具の効果は抜きですよー。だから実際にはこれより高いランクになるかもしれませんねー」
「よく分かんないんだけど……これがオレの実力かぁ。これってどう? 結構素質あったりする?」
「Eランク冒険者なら全部Dくらいなので……はっきり言って非常に弱いですねー」
「ふぐっ……」
 ドロシーの悪気がない言葉が。ナガレのハートにグサリと突き刺さる。
「あ、いえ、まあ最初はこんなものですよー! ナガレさんは見た感じ、まだEランクのヒヨッコルーキーですよねー? でしたらEランクの平均よりずっと高いですよー!」
「……Dランクです」
「あっ……え、えっと……そ、そうですー! 実力が低いと言うのは、これからいくらでも上げられるということでですねー。ほ、ほら見てください、防御のステータスは結構高めですよー!」
 なんとかフォローしようとするドロシーの様子を見れば、平均と比べてもステータスが低いことは一目瞭然だ。
「そんな絶望のどん底みたいな顔しないで下さいよー! まだスキル鑑定が終わってませんからねー。よくあるんです、新米冒険者でステータスが低い代わりに、生まれつきすごいスキルを持っていたとかー」
「そうなの⁉︎」
「それに冒険者ならどんな駆け出しのペーペーでも、なんならオールFの出来損ない冒険者でも、スキルの一つや二つ持っているものなんですよー!」
「そ……そうだよな! なぁんだ、そうだったのか! いやービックリしたぜ~。能力も弱いのにこれでスキルもなかったら、冒険者辞めた方がいいかな~とか思っちゃったよ!」
 リップサービスを重ねられたナガレも、ようやく気持ちを立て直す。そう、まだ終わっていない。自分にもなにか個性的なスキルがあるはずだ!
「全くですよー! さあナガレさん、その紙もう一度お預かりしますねー」
「「ははははは……」」

 二人で笑い合っていると、またも水晶玉に文字が浮かび上がる。下の空いているスペースに書き込もうとして……その手が止まった。
「どうしたの?」
「あ、あれー? おかしいな、まさかそんなハズは……」
 露骨にナガレから目を逸らすドロシー。信じられないと言うように、何度も水晶玉を覗き見ている。
(ま、まさか……凄まじいトンデモスキルが⁉︎)
 淡い期待を抱いたナガレ。ようやく希望が湧いてきた!
(ど、どんなスキルだろう⁉︎ 攻撃系かな、ステータス強化型かな……はたまたすんごいスキルだったり……⁉︎)
 ドキドキしながら待機しているナガレの様子を見たドロシーは……ゴクリと生唾を飲み込んで、緊張した様子で紙を差し出した。
「あの……こ、これを」
「よっしゃ! どれどれ……あ、アレ?」
 先ほどの『技能鑑定』欄の下に新しく『所持スキル』というものが追加されている。

 しかしそこから下は、なんと全くの白紙だった。

「あの……コレは? 困るなー、ちゃんと書いてくれよ」
 ナガレの脳裏に嫌な言葉がよぎる。それでも何かの間違いだと信じて聞くしかない。
「……い、いえ、間違いじゃないんですー」
 ドロシーはもうナガレと目を合わせなくなった。まるで親に説教をくらった子供のように、視線を横に逸らしている。
「え、それって、まさか」


「ナガレさん……あなたにスキルは、一つもありません」


「え………………」
 絶句。ナガレの状況を説明するのに、これ以上正しい言葉は無い。
「あ、いや、そ、その……」
 突然フリーズしたナガレを見たドロシーは必死に弁解しようとするが、続く言葉が全く出てこない。流石にコレはフォローできないようだ。

『はっきり言って非常に弱いですねー』
『Eランクなら全部Dくらいあれば良いです』
『なんならオールFの出来損ない冒険者でも、スキルの一つや二つ持っているものなんですよー!』
 ドロシーが放った言葉が、ナガレの脳裏に次々とフラッシュバックする。


『能力も弱いのにこれでスキルもなかったら、冒険者辞めた方がいいかな~』
 トドメとばかりに自分の発言がブーメランとして心に突き刺さり、ナガレは目の前が真っ暗になった。
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