崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

文字の大きさ
63 / 1,797
第三話 誇りとプライドを胸に

勝利?

しおりを挟む
「いよっしゃあーっ!」
「決まったわね!」
 タネツとヒズマは武器を下ろしてハイタッチ。ナガレもすぐに起き上がった。
「す、すげえ! そんな技持ってたんだ!」
「おうよ! 実はこの技は、このギルドに来てすぐにヒズマと考え出した技なんだ。しっかし元嫁と別れてから、合体技なんて一度も出してねえから……いやあビビったぜ」
「実は私、運動してないせいで結構足遅かったの。だからもしかしたらタイミング合わないかもって……。あの技は同時に打撃と斬撃を打ち込まなきゃただの攻撃にしかならないから。でも決まってよかった~……」
 何はともあれ、ガラガラマムシを倒すことができたようだ。砂煙はまだ晴れない上、起き上がってくることがない。
「た、助かった……。オレたち、勝ったんだ!」
「おう!」
「ええ、もちろんよ!」
「いーやったぁーっ!」
 ナガレが二人に駆け寄る……。

 その時、砂煙の中で大きな影が動いた!


「ゲッ⁉︎ た、タネツ! 危ないっ!」
「ん? ……なっ⁉︎」

「ギシャアーッ!」
 煙の中から突然大きな頭が飛び出して、タネツに突撃してきた。完全に油断したタネツは反応できない!
 バキッ!
「がはっ……⁉︎」
 突進が直撃して、タネツは真上に跳ね飛ばされる。しかしガラガラマムシは突然体をくねらせ、自らの尻尾を鞭のように勢いよくしならせた!
 ヒュンッ……バシィッ!
「ぐっ……⁉︎」
 丸太のように野太い尻尾が、空中のタネツに直撃した。まるでボールのように軽々と吹き飛び、地面をゴロゴロ転がった。
「まずいっ、タネツ!」 
 ナガレが悲痛な叫び声を上げた。体力のステータスこそ高いものの、防御はたったのD-しかない。ようやく止まったタネツは……ピクリともしなかった。
「ちょっ、しっかりして!」
 慌ててヒズマが駆け寄ろうとする。しかし素早くガラガラマムシが立ち塞がった。
「ギシャッ! ギシャーッ!」
 しきりに咆哮している。なんとしてもナガレたちを逃さないつもりだ。
「か、完全に怒ってる! 今までは本気じゃなかったってことぉ⁉︎」
「ッ! ヒズマ、来るぞっ!」
 ガラガラマムシがアクロバティックに跳躍、空中で一回転して尻尾を叩きつけた!
「くっ!」
 咄嗟にヒズマは横に飛び込み、辛うじて攻撃を回避する。凄まじい勢いに地面が耐えられず、ビキビキとひび割れた!
「な、なんてパワーなの! こんなのくらったら、回復してても一発でおしまいだわ……」
「ヒズマ、しっかりしろ!」
 ナガレが駆け寄って来る。……だが、次の瞬間ガラガラマムシが再び体をしならせた!
「ッ! 来るわ!」
「ギシャーッ!」
 ブンッ!
 今度は尻尾だけでなく、野太い胴体を薙ぎ払う! なんとか防御した二人を、勢いそのままぶっ飛ばした!
「ぐあぁっ!」
「きゃあっ!」
 それでも辛うじて耐えたナガレ。しかしかなりのダメージを貰ってしまった……。
「ナガレ! これを使って!」
 それを見たヒズマが回復薬を投げ渡す。
 (え! これってラストなんじゃ⁉︎)
 そう思ったが、やっぱりキャッチしたナガレ。しかし、ヒズマの背後にガラガラマムシが迫っていた!
「危ない、ヒズマーッ!」
「え⁉︎」
 咄嗟に飛び退こうとするヒズマ。……しかし、あと一歩遅かった。

「ギシャアーーッ!」
 バチンッ!
「きゃあぁぁぁぁぁっ!」
 ヒズマの足にガラガラマムシが噛みつき攻撃! なんとか直撃をかわしたものの、右足の先を牙が掠ってしまう。苦痛に顔を歪めるヒズマ。
「危ない、次が来るぞ!」
 ガラガラマムシは素早く頭を持ち上げ頭突きの体制。ナガレの警告を聞いたヒズマは飛び退こうとするが……。

「あれ……あ、足が動かない……」
 突然右足が痺れ、膝をついてしまった。
 (しまった! あの牙には麻痺毒が……)
 それに気づいても、もう遅い。パワーの乗った頭突きが、ヒズマに直撃した!
 バキィッ!
「かはっ……!」
 回避もガードもできずにクリーンヒット! ヒズマは錐揉み回転しながら吹き飛び、地面に力無く倒れ伏した。
「そんな……ヒズマぁぁぁっ!」
 急いでナガレは駆け寄る。ガラガラマムシは無茶な体勢を立て直している最中だった。
「し、しっかりして! そうだ、回復薬……」
 ポーチをまさぐるナガレ。しかしヒズマからもらった回復薬以外は、ただの空ビンだ。……すると突然右手が重くなる。ヒズマが彼の手を握っていた。

「な、ナガレくん……私の回復薬を使って。戦って……戦い抜くのよ!」
「で、でも……」
「約束なんでしょ……バッファローの町で、ジョーって人と会うって!」 
「ッ!」
 ナガレは目を見開いた。どうして自分のためにヒズマは……!
「私は、だ、大丈夫……でも、ガラガラマムシが来るわ! お願い、あなたが約束を守れなかったら、私もタネツも、ここまでやったのが無駄になっちゃう……!」
「ヒズマさん……!」
「絶対に守り抜いて。貴方の約束を……! ナガレ、く、ん……」

 そう言い残し……ヒズマの手から力が抜ける。人形のようにバッタリと倒れてしまう。

「そんな……! い、いや、息はまだある。それに……その思い、無駄にはしない!」

 ついに一人になってしまったナガレ。ちょうどバッファローの町に背を向ける形で立ち上がった。
「ギシャーッ!」
 立ち上がる姿を見たガラガラマムシは、声高らかに咆哮する。しかしナガレの心で燃え上がる闘志は、勢いを増すばかりだ。

「タネツさん、ヒズマさん……本当にごめん。オレのために……!」
 回復薬の蓋を開けて口に流し込みながら、ぎゅっと目を瞑るナガレ。しかしすぐにガラガラマムシを睨みつけ、マルチスタッフを構え直した。後悔するのも謝罪するのも後だ。今はただ……二人の思いを背負って、目の前の敵と戦うだけだ。

「……ここからが勝負だ。オレは……オレは諦めない! 死ぬその瞬間まで、絶対にだっ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...