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第三話 誇りとプライドを胸に
来客の正体
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という訳でいつもの鎧に着替え……ようとしたが、ライトアーマーは傷だらけで使い物にならなそうだ。固定ベルトも半分千切れており、とてもじゃないが着られない。
「うへぇ……ま、あんな戦いだったしな。よく守ってくれたよ……この町、加工屋とかあるかな? いくら田舎町でもさすがにあるよな……」
そんなことを考えつつ、普段着のボーダーTシャツと青いジーンズを着て、トレードマークである緑のスカーフを首に巻いた。そういえば最近いつもクエストか特訓に行っているため、最近ずっと鎧とパジャマしか着ていなかった……。
「もう昼かぁ。でもまだ腹減ってないし……先にギルドへ行こっと」
色々するのもそれからだ。ナガレは足早に道を歩き、ギルドへ向かう……。
~☆~☆~☆~☆~☆~
ギィィィィッ……。
ギルド支部の軋んだドアを開けると、レンとアルクル、それに一人の女の子がいた。横を見れば、壁にもたれかかった二人……タネツとヒズマの姿もある!
「た、タネツさん! ヒズマさんっ! 良かった、回復したんですね!」
「へへっ、まあな! 心配かけたようですまねえ」
照れくさそうに鼻を擦るタネツ。そしてナガレの方にポンと手を置いた。
「話は全部聞いてるぜ。……よくやった、ナガレ。まさかあいつをぶっ倒したのが、俺でもヒズマでもなくお前だとは」
「ありがとう、ナガレ君。私との約束、守ってくれたのね~!」
ヒズマはそう言って、ナガレの頭をニコニコしながら撫で始める。
「ふふふ~、いい子いい子~!」
「やめてくれってヒズマさん! えっと……そんで来客ってのは……」
説明を求め、レンの方を見るナガレ。アルクルが片手を上げて挨拶してくれる。
「よう、ナガレ君。その私服、初めて見たな。いや、私服姿を初めて見たか?」
「突然呼び出してすまぬのう。じゃが、どうしても伝えておきたい事があったのじゃ」
そう言ってレンが、女の子の方を指し示す。
「……ん?」
女の子と目があったナガレは考える。紫の肌、大きな一本角、三つ編みの黄色髪……なんだかどこかで見たことあるような気がした。
「……あ! あーっ! ドロシーじゃんか! あの時タイガスで会った、スキル鑑定屋の!」
「正解正解、大正解でーす! 良かったーナガレさん、わたしのこと覚えていらしてくれたんですねー」
気の抜けた返事で確信した。ナガレの能力とスキルを鑑定し、どっちも才能無しという絶望を叩きつけた、あのドロシーだ。……別に彼女が悪い訳でもないのだが、どうしても苦い思い出があった。
「で、ドロシーがオレへの客ってこと?」
「客というか……ちょっと違いますかねー。わたし、そこのエルフさんに招かれて来ましたー。なんでもナガレさんのスキルをまた見てほしいらしくって、もう料金は頂いてますよー」
「へ? スキル……?」
キョトンとするナガレ。ドロシーは机の下から例の水晶玉を取り出して、即席のテーブルに置いた。
「さ、どぞどぞー。手をかざしてくださいなー」
「どういうことですか、マスター……?」
「まーまー、やってみりゃ良いんじゃねーの? ナガレ君、最近頑張ってたし」
気楽な態度のアルクル。ジュースをグビグビ飲んでいるところを見ると、なんだか信用無くしてきた。
「うーん、でもなあ……。そんな簡単に……」
「ナガレ君、どうかやってみてほしいのじゃ」
「分かりました」
「うぉいっ!」
不満気なアルクルはスルーして、水晶玉に手をかざすナガレ。
「はいはい、じゃーやってきますよー。ルエミ・ラカチ……リカワルマ・ラカチー……」
ドロシーが例のな呪文を唱え出すと、水晶玉が紫色に輝き始めた。相変わらず手のひらは痛くも痒くもない。
「水晶玉よ、この者に眠る力を示したまへ~っ!」
ピカーッ!
全く同じ流れで水晶玉が光った。すぐにドロシーが浮かんだ文字を紙にメモし始める。
「ふむふむ……おおっ、こりゃすごいですー! ステータスがいっぱい上がってますよー!」
びっくりして大声を出すドロシー。なんだか少し嬉しそうだ。「どれどれ?」とみんなも紙を覗き込む。
「うわ……すげー上がってる!」
「やったわね、ナガレ君~!」
「やったじゃねえか! この野郎~っ!」
「はい、ありがとうございますっ!」
タネツとヒズマと仲良くハイタッチ。見れば全てのステータスが上昇していた! 中には二段回上昇しているものもある。
「すごいですねー! 聞けば厳しい特訓の末、強敵にも打ち勝ったそうではないですかー。まーステータスが低いうちは成長が早いってのもありますけどー、この上昇量はすごいですよー」
そう言ってドロシーは水晶玉を覗き込み……。
「あ、あれっ?」
またも驚いた様子だ。
「えっ、嘘……。こんなに早く出ることある……? まだ数週間しかたってないのにー……」
それでもペンを取り、メモ書きに加えていく。出来上がったのはこんなステータス表だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
氏名:ナガレ・ウエスト
武器:マルチスタッフ
技能鑑定:
体力E+
攻撃E
防御B-
魔力E
魔法防御C
素早さE
所持スキル:
闘魂(小)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「うへぇ……ま、あんな戦いだったしな。よく守ってくれたよ……この町、加工屋とかあるかな? いくら田舎町でもさすがにあるよな……」
そんなことを考えつつ、普段着のボーダーTシャツと青いジーンズを着て、トレードマークである緑のスカーフを首に巻いた。そういえば最近いつもクエストか特訓に行っているため、最近ずっと鎧とパジャマしか着ていなかった……。
「もう昼かぁ。でもまだ腹減ってないし……先にギルドへ行こっと」
色々するのもそれからだ。ナガレは足早に道を歩き、ギルドへ向かう……。
~☆~☆~☆~☆~☆~
ギィィィィッ……。
ギルド支部の軋んだドアを開けると、レンとアルクル、それに一人の女の子がいた。横を見れば、壁にもたれかかった二人……タネツとヒズマの姿もある!
「た、タネツさん! ヒズマさんっ! 良かった、回復したんですね!」
「へへっ、まあな! 心配かけたようですまねえ」
照れくさそうに鼻を擦るタネツ。そしてナガレの方にポンと手を置いた。
「話は全部聞いてるぜ。……よくやった、ナガレ。まさかあいつをぶっ倒したのが、俺でもヒズマでもなくお前だとは」
「ありがとう、ナガレ君。私との約束、守ってくれたのね~!」
ヒズマはそう言って、ナガレの頭をニコニコしながら撫で始める。
「ふふふ~、いい子いい子~!」
「やめてくれってヒズマさん! えっと……そんで来客ってのは……」
説明を求め、レンの方を見るナガレ。アルクルが片手を上げて挨拶してくれる。
「よう、ナガレ君。その私服、初めて見たな。いや、私服姿を初めて見たか?」
「突然呼び出してすまぬのう。じゃが、どうしても伝えておきたい事があったのじゃ」
そう言ってレンが、女の子の方を指し示す。
「……ん?」
女の子と目があったナガレは考える。紫の肌、大きな一本角、三つ編みの黄色髪……なんだかどこかで見たことあるような気がした。
「……あ! あーっ! ドロシーじゃんか! あの時タイガスで会った、スキル鑑定屋の!」
「正解正解、大正解でーす! 良かったーナガレさん、わたしのこと覚えていらしてくれたんですねー」
気の抜けた返事で確信した。ナガレの能力とスキルを鑑定し、どっちも才能無しという絶望を叩きつけた、あのドロシーだ。……別に彼女が悪い訳でもないのだが、どうしても苦い思い出があった。
「で、ドロシーがオレへの客ってこと?」
「客というか……ちょっと違いますかねー。わたし、そこのエルフさんに招かれて来ましたー。なんでもナガレさんのスキルをまた見てほしいらしくって、もう料金は頂いてますよー」
「へ? スキル……?」
キョトンとするナガレ。ドロシーは机の下から例の水晶玉を取り出して、即席のテーブルに置いた。
「さ、どぞどぞー。手をかざしてくださいなー」
「どういうことですか、マスター……?」
「まーまー、やってみりゃ良いんじゃねーの? ナガレ君、最近頑張ってたし」
気楽な態度のアルクル。ジュースをグビグビ飲んでいるところを見ると、なんだか信用無くしてきた。
「うーん、でもなあ……。そんな簡単に……」
「ナガレ君、どうかやってみてほしいのじゃ」
「分かりました」
「うぉいっ!」
不満気なアルクルはスルーして、水晶玉に手をかざすナガレ。
「はいはい、じゃーやってきますよー。ルエミ・ラカチ……リカワルマ・ラカチー……」
ドロシーが例のな呪文を唱え出すと、水晶玉が紫色に輝き始めた。相変わらず手のひらは痛くも痒くもない。
「水晶玉よ、この者に眠る力を示したまへ~っ!」
ピカーッ!
全く同じ流れで水晶玉が光った。すぐにドロシーが浮かんだ文字を紙にメモし始める。
「ふむふむ……おおっ、こりゃすごいですー! ステータスがいっぱい上がってますよー!」
びっくりして大声を出すドロシー。なんだか少し嬉しそうだ。「どれどれ?」とみんなも紙を覗き込む。
「うわ……すげー上がってる!」
「やったわね、ナガレ君~!」
「やったじゃねえか! この野郎~っ!」
「はい、ありがとうございますっ!」
タネツとヒズマと仲良くハイタッチ。見れば全てのステータスが上昇していた! 中には二段回上昇しているものもある。
「すごいですねー! 聞けば厳しい特訓の末、強敵にも打ち勝ったそうではないですかー。まーステータスが低いうちは成長が早いってのもありますけどー、この上昇量はすごいですよー」
そう言ってドロシーは水晶玉を覗き込み……。
「あ、あれっ?」
またも驚いた様子だ。
「えっ、嘘……。こんなに早く出ることある……? まだ数週間しかたってないのにー……」
それでもペンを取り、メモ書きに加えていく。出来上がったのはこんなステータス表だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
氏名:ナガレ・ウエスト
武器:マルチスタッフ
技能鑑定:
体力E+
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