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第四話 ジョーの過去?
加工屋のギン爺
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~☆~☆~☆~☆~☆~
「……あった。絶対あそこだな」
道を歩くナガレの目に、白い煙がもくもく吹き出しているのが見える。その下には小さな小屋があり、かまどみたいな溶鉱炉があった。
そばでベンチに座った厳つい老人が、高熱で真っ赤な鉄をハンマーで叩いている。白いタオルを巻いた白髪頭で、三角眼の鋭い眼光をしていた。浅く焼けた小麦色の肌で一見若そうに見えるが、顔中の皺がかなりの老齢に見えた……。
「すいませーん、ちょっといいですかー?」
それはさておきバックパックをガタガタ言わせながら、ナガレはその老人に駆け寄った。
「ん……?」
老人はナガレの方を見て、少し驚いたようだ。少しだけ目を見開いて「ふむ……」と考え込んだ。
「貴殿はこの前、ガラガラマムシを倒した冒険者だな? 町長さんに表彰されていた」
「え、まーそうだけど」
そう、この前のガラガラマムシ討伐が評価され、町長直々に感謝状を頂いた……ナガレ一人で。タネツとヒズマは「俺たちゃ大したことしてねえよ」「これはナガレ君とアックスさんの手柄よ~」とか言って辞退したし、ジョーは意識こそ取り戻したが、今だにケガが治らないようだ。という訳で一人町役場へ向かい、表彰していただいた。……新しい家とかすごいアイテムとかが欲しかったが、他のみんなも頑張ってくれたので、贅沢言わずに黙っていたのだ。
「うむ。貴殿は確か……ナガレ・イーストであったか?」
「ナガレ・ウエストね。一応言っておくけど、れっきとした男性だよ」
そう聞くと老人は「フフフ……」と静かに笑った。
「そんなことは知っているさ。ワシの名前はギンドン・シュンリプという。町のみんながはギン爺と呼ばれておるよ……。加工のことなら任せてくれ。依頼はそのカバンの中身かね?」
「あ、そうっす。実は鎧と武器がもうボッロボロで……なんとか直せません?」
ナガレはバックパックから丁寧にライトアーマーとマルチスタッフを取り出した。傷だらけでところどころヘコんでいる。
「ふむ……だいぶ痛めつけられたようだな。あのガラガラマムシにそこまでやられたのか」
「いや、それもあるんだけど……実はそれを使って特訓してるんだよ」
ナガレがそう言うと、ギン爺は「ほう!」と身を乗り出した。
「それでこうなったのか! なるほどのう……鎧の各部に金属で殴られたような傷がある。それはケオージとトーネトラからやられたんだな。お前さん、痛かったろう?」
ちなみにケオージはタネツの、トーネトラはヒズマの苗字である。
「まあね。でも、オレは強くならなきゃいけないんだ。強くなって名を上げて、人々を救える冒険者にならなきゃ……だから頼むよ、この鎧を修理してくれ!」
そう言って全部どかっとギン爺の前に置く。
「ふむ……分かった。一つ聞くが、金はあるか?」
「え、まあ結構あるけど……」
町長からお礼金としていくつかもらったのに加え、ガラガラマムシの素材自体が結構な金になった。あの後すぐ別の街からしゃしゃり出て来た商人たちが、総額三万ダラーの大金で次々死体の部位を買い取ってくれたらしい。(その頃ナガレたちはまだ気を失っていた)一万ダラーはジョーに無理やり渡して残りを三人で分けたが、それでも大体八千ダラーとかなりの大金だ。
それを伝えると、ギン爺は「ふむ……」と考え込み、そしてナガレを手招きした。近くへ来いということだろうか。
「それなら心配はいらんな。ついでに強化もしていかぬか?」
「へ、強化? そう言えば全然考えてなかったな」
何やら武器と防具を強化してくれるらしい。この世界でも、武器や防具の強化は多くの冒険者たちを助けている。当然金はかかるものの、攻撃力・防御力を強化したり、武器に属性や特定の攻撃への耐性がついたりするので、ぜひ強化しておきたいところだ。
「じゃあ、お願いするよ」
「よし、分かった。それではどの方向に強化するか……」
「じゃあ、アレをこうしてソレをそうして! あとさ……マルチスタッフに体力回復機能を付けてもらうことって出来る? できればそれもお願い!」
「承知した。少々待っておれよ!」
そして一時間後。
適当に暇を潰していたナガレが戻ってくると、店先にピカピカのライトアーマーが飾られていた! 太陽の光を反射して銀色に光っている。
「うおっ! すっげー! ギン爺さん、もう出来ちまったの?」
「フッ……もちろんだ。このロードバッツ王国で加工屋を名乗るのならば、これくらい早く出来なければ困る」
ライトアーマーの傷は完全に塞がれ、装甲もより頑強になりつつ軽さを保っている。マルチスタッフまで銀色一色に光っていた。
「……あった。絶対あそこだな」
道を歩くナガレの目に、白い煙がもくもく吹き出しているのが見える。その下には小さな小屋があり、かまどみたいな溶鉱炉があった。
そばでベンチに座った厳つい老人が、高熱で真っ赤な鉄をハンマーで叩いている。白いタオルを巻いた白髪頭で、三角眼の鋭い眼光をしていた。浅く焼けた小麦色の肌で一見若そうに見えるが、顔中の皺がかなりの老齢に見えた……。
「すいませーん、ちょっといいですかー?」
それはさておきバックパックをガタガタ言わせながら、ナガレはその老人に駆け寄った。
「ん……?」
老人はナガレの方を見て、少し驚いたようだ。少しだけ目を見開いて「ふむ……」と考え込んだ。
「貴殿はこの前、ガラガラマムシを倒した冒険者だな? 町長さんに表彰されていた」
「え、まーそうだけど」
そう、この前のガラガラマムシ討伐が評価され、町長直々に感謝状を頂いた……ナガレ一人で。タネツとヒズマは「俺たちゃ大したことしてねえよ」「これはナガレ君とアックスさんの手柄よ~」とか言って辞退したし、ジョーは意識こそ取り戻したが、今だにケガが治らないようだ。という訳で一人町役場へ向かい、表彰していただいた。……新しい家とかすごいアイテムとかが欲しかったが、他のみんなも頑張ってくれたので、贅沢言わずに黙っていたのだ。
「うむ。貴殿は確か……ナガレ・イーストであったか?」
「ナガレ・ウエストね。一応言っておくけど、れっきとした男性だよ」
そう聞くと老人は「フフフ……」と静かに笑った。
「そんなことは知っているさ。ワシの名前はギンドン・シュンリプという。町のみんながはギン爺と呼ばれておるよ……。加工のことなら任せてくれ。依頼はそのカバンの中身かね?」
「あ、そうっす。実は鎧と武器がもうボッロボロで……なんとか直せません?」
ナガレはバックパックから丁寧にライトアーマーとマルチスタッフを取り出した。傷だらけでところどころヘコんでいる。
「ふむ……だいぶ痛めつけられたようだな。あのガラガラマムシにそこまでやられたのか」
「いや、それもあるんだけど……実はそれを使って特訓してるんだよ」
ナガレがそう言うと、ギン爺は「ほう!」と身を乗り出した。
「それでこうなったのか! なるほどのう……鎧の各部に金属で殴られたような傷がある。それはケオージとトーネトラからやられたんだな。お前さん、痛かったろう?」
ちなみにケオージはタネツの、トーネトラはヒズマの苗字である。
「まあね。でも、オレは強くならなきゃいけないんだ。強くなって名を上げて、人々を救える冒険者にならなきゃ……だから頼むよ、この鎧を修理してくれ!」
そう言って全部どかっとギン爺の前に置く。
「ふむ……分かった。一つ聞くが、金はあるか?」
「え、まあ結構あるけど……」
町長からお礼金としていくつかもらったのに加え、ガラガラマムシの素材自体が結構な金になった。あの後すぐ別の街からしゃしゃり出て来た商人たちが、総額三万ダラーの大金で次々死体の部位を買い取ってくれたらしい。(その頃ナガレたちはまだ気を失っていた)一万ダラーはジョーに無理やり渡して残りを三人で分けたが、それでも大体八千ダラーとかなりの大金だ。
それを伝えると、ギン爺は「ふむ……」と考え込み、そしてナガレを手招きした。近くへ来いということだろうか。
「それなら心配はいらんな。ついでに強化もしていかぬか?」
「へ、強化? そう言えば全然考えてなかったな」
何やら武器と防具を強化してくれるらしい。この世界でも、武器や防具の強化は多くの冒険者たちを助けている。当然金はかかるものの、攻撃力・防御力を強化したり、武器に属性や特定の攻撃への耐性がついたりするので、ぜひ強化しておきたいところだ。
「じゃあ、お願いするよ」
「よし、分かった。それではどの方向に強化するか……」
「じゃあ、アレをこうしてソレをそうして! あとさ……マルチスタッフに体力回復機能を付けてもらうことって出来る? できればそれもお願い!」
「承知した。少々待っておれよ!」
そして一時間後。
適当に暇を潰していたナガレが戻ってくると、店先にピカピカのライトアーマーが飾られていた! 太陽の光を反射して銀色に光っている。
「うおっ! すっげー! ギン爺さん、もう出来ちまったの?」
「フッ……もちろんだ。このロードバッツ王国で加工屋を名乗るのならば、これくらい早く出来なければ困る」
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