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第七話 剣を手にしたスナイパー
飛ぶ斬撃
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それは猛烈な勢いでナガレへ突き進む。
「くっ!」
ガキィン!
ナガレはとっさにマルチスタッフで受け止めた!
「な……なんてパワーだ……っ!」
渾身の力でも押し切れない。それどころかナガレが押され、ジリジリと下がっていく。
「ぐぐぐぐぐ……うがぁっ!」
バキィッ!
ついに競り負けて、ナガレが吹っ飛ばされる! 逸れた斬撃はなおも突き進み、最初のころからあった小さな的めがけて飛んでいき……。
バァンッ!
的どころかその樹木まで切断して、岩壁に当たり消滅した。
「なんて攻撃だ……すげえ、すげえよヒズマさん!」
ナガレは速攻で飛び起き、ヒズマに駆け寄った。
「すごい斬撃でした! やりましたね、これがヒズマさんの必殺技ですよ!」
「私の……必殺技……!」
疲れ切っていたヒズマの表情が明るくなる。辛い特訓がついに実ったのだ。それを見たアリッサたちも喜んで近づいてくる。
「ねね、技の名前決めようよ! 必殺ドラゴンごろし~なんてどう?」
「いいや、ドラゴンクラッシャーってのはどーだ?」
「いや、ドラゴンよりワイバーンの方が……」
ルックも合わせて三人でワイワイ盛り上がり始める。
「いや、そんなドンピシャネーミングじゃなくていいわよ……普通に飛ぶ斬撃で。でも、これが私の必殺技、飛ぶ斬撃よ~! これからバリバリ鍛えてくわ~!」
「「「おぉーっ!」」」
ヒズマに合わせて、ナガレ・アリッサ・ルックも手を挙げる。ジョーも少し離れたところで「……ふっ」とクールに笑った。
~☆~☆~☆~☆~☆~
その頃タネツは自宅にて、ターショと夜ご飯を食べていた。ベッドとテーブルくらいしかない、狭い部屋だ。
「それでナガレ君はなぁ。アイツのアツさは折り紙付きでこっちまで……おっと、どうだターショ、うまいか?」
「……うん」
「そ、そうか」
相変わらずターショは口数が少ない。タネツも彼のことを、まるで腫物を扱うようにおっかなびっくり触れている。
……とここで、タネツはターショがどこかをチラ見していることに気づいた。定期的に視線がどこかへ逸れている。
「……?」
そちらを見てみると、そこには彼の愛用しているタワーシールドがあった。泥棒に奪われたりしないように、しっかりとホルダーに入れてロックされている。装飾の剥がれた武骨な鉄板がそこにあった。
「どうしたターショ、父さんの……じゃなくて俺の武器が気になるか?」
「え、あ、いや……」
「触ってみるか。重いぞ~」
「違う、そうじゃない……そうじゃないんだけど……」
ターショはしばし迷った様子を見せた後、遠慮がちに口を開いた。
「お父さん……まだ冒険者続けてた……」
「え? ああ、そうだな」
タネツにはターショが何を言いたいのか分からない。
「ボク……もう冒険者やめてたと思ってた……冒険者のせいで……お母さんと別れたから……」
「……!」
タネツはハッとして動きを止める。そういえば、別れてからも冒険者を続けているのはどうしてだろう? その頃はまだ若かったし、バッファローの町で別の人生を歩む道もあったはずだが……。
「う、う~む……確か、今まで冒険者家業しかやってこなかったからだっったっけ? 今更他の人生なんて選べねえし……」
「じゃあ、仕方なくってこと……? でも今はなんだか楽しそうに見える……」
「へへ、まあな。最近はチョーおもしれえことになってる。町に来たナガレって奴が、みんなを盛り上げてるんだ」
「ナガレ……」
ターショはギルドで出会った、褐色白髪の青年を思い出す。彼がそんな偉大な人物には見えない……。
「ま、後で触ってもいいから今は飯だ。ほら、食べような」
「うん……」
静かながら親子だんらんの良い時間だ。これがずっと続けばいいのに……そう考えて、慌てて一人首を振るタネツ。
(いいや、ダメだ……こいつには帰る場所がある。俺にターショの父親は務まらない……)
そんな感じに一人で沈んでしまうタネツであった。
この純粋な少年に、そしてこの町に命の危機が訪れることなど、今は知る由も無く……。
「くっ!」
ガキィン!
ナガレはとっさにマルチスタッフで受け止めた!
「な……なんてパワーだ……っ!」
渾身の力でも押し切れない。それどころかナガレが押され、ジリジリと下がっていく。
「ぐぐぐぐぐ……うがぁっ!」
バキィッ!
ついに競り負けて、ナガレが吹っ飛ばされる! 逸れた斬撃はなおも突き進み、最初のころからあった小さな的めがけて飛んでいき……。
バァンッ!
的どころかその樹木まで切断して、岩壁に当たり消滅した。
「なんて攻撃だ……すげえ、すげえよヒズマさん!」
ナガレは速攻で飛び起き、ヒズマに駆け寄った。
「すごい斬撃でした! やりましたね、これがヒズマさんの必殺技ですよ!」
「私の……必殺技……!」
疲れ切っていたヒズマの表情が明るくなる。辛い特訓がついに実ったのだ。それを見たアリッサたちも喜んで近づいてくる。
「ねね、技の名前決めようよ! 必殺ドラゴンごろし~なんてどう?」
「いいや、ドラゴンクラッシャーってのはどーだ?」
「いや、ドラゴンよりワイバーンの方が……」
ルックも合わせて三人でワイワイ盛り上がり始める。
「いや、そんなドンピシャネーミングじゃなくていいわよ……普通に飛ぶ斬撃で。でも、これが私の必殺技、飛ぶ斬撃よ~! これからバリバリ鍛えてくわ~!」
「「「おぉーっ!」」」
ヒズマに合わせて、ナガレ・アリッサ・ルックも手を挙げる。ジョーも少し離れたところで「……ふっ」とクールに笑った。
~☆~☆~☆~☆~☆~
その頃タネツは自宅にて、ターショと夜ご飯を食べていた。ベッドとテーブルくらいしかない、狭い部屋だ。
「それでナガレ君はなぁ。アイツのアツさは折り紙付きでこっちまで……おっと、どうだターショ、うまいか?」
「……うん」
「そ、そうか」
相変わらずターショは口数が少ない。タネツも彼のことを、まるで腫物を扱うようにおっかなびっくり触れている。
……とここで、タネツはターショがどこかをチラ見していることに気づいた。定期的に視線がどこかへ逸れている。
「……?」
そちらを見てみると、そこには彼の愛用しているタワーシールドがあった。泥棒に奪われたりしないように、しっかりとホルダーに入れてロックされている。装飾の剥がれた武骨な鉄板がそこにあった。
「どうしたターショ、父さんの……じゃなくて俺の武器が気になるか?」
「え、あ、いや……」
「触ってみるか。重いぞ~」
「違う、そうじゃない……そうじゃないんだけど……」
ターショはしばし迷った様子を見せた後、遠慮がちに口を開いた。
「お父さん……まだ冒険者続けてた……」
「え? ああ、そうだな」
タネツにはターショが何を言いたいのか分からない。
「ボク……もう冒険者やめてたと思ってた……冒険者のせいで……お母さんと別れたから……」
「……!」
タネツはハッとして動きを止める。そういえば、別れてからも冒険者を続けているのはどうしてだろう? その頃はまだ若かったし、バッファローの町で別の人生を歩む道もあったはずだが……。
「う、う~む……確か、今まで冒険者家業しかやってこなかったからだっったっけ? 今更他の人生なんて選べねえし……」
「じゃあ、仕方なくってこと……? でも今はなんだか楽しそうに見える……」
「へへ、まあな。最近はチョーおもしれえことになってる。町に来たナガレって奴が、みんなを盛り上げてるんだ」
「ナガレ……」
ターショはギルドで出会った、褐色白髪の青年を思い出す。彼がそんな偉大な人物には見えない……。
「ま、後で触ってもいいから今は飯だ。ほら、食べような」
「うん……」
静かながら親子だんらんの良い時間だ。これがずっと続けばいいのに……そう考えて、慌てて一人首を振るタネツ。
(いいや、ダメだ……こいつには帰る場所がある。俺にターショの父親は務まらない……)
そんな感じに一人で沈んでしまうタネツであった。
この純粋な少年に、そしてこの町に命の危機が訪れることなど、今は知る由も無く……。
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