崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第八話 炎の化身

今日の予定?

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「お、おはようございますナガレ君ー!」
「おはよ、ウエストさん♪」
 見つかったものは仕方がないので、鑑定屋コンビも話に加わることにした。ナガレとサキミがいるベンチに歩み寄る。
「あ! ドロシーの私服初めて見たぞ! そんな感じなんだ~」
 そんな事を言っているが、ナガレの目はイチコさんの深い谷間をガン見している。……顔は可愛いが、性別はれっきとした男性なのである。
「……せめて私のこと見て言ってくれません?」
「ん、何のこと?」
「何のことかしらねえ~」
 とぼけた様子のイチコさん。……と、一瞬チラリとドロシーを見てから「フッ……」と鼻で笑ったのを、彼女は見逃さなかった。
(こ、コイツ……ッ)
 ギリギリと歯を食いしばるドロシー。すると空気を読まないサキミが、何か思い出したように「そうそう」と口を開いた。
「今日ナガレ君のお友達……確かアリッサさんとルックさん? この二人が仲良く馬に乗って、町を出ていったのを見ました。どこかおでかけするのかしら?」
「ああ、アイツら隣町まで出かけたんだ。イグールの町って知ってる?」
 イグールの町とは、ここから馬で大体二十分くらいにある隣町。タイガスほどではないが、バッファローの町よりずっと広くさまざまな店もある。ルックは商品の仕入れに、アリッサは新しい医学の勉強本を買いに出かけたのだった。
「へ、へぇ~そうなんですねー。な……ナガレ君も今日はお休みですかー?」
 額に青筋を浮かべながら、作り笑いを浮かべるドロシー。だがちょっと顔が赤い。
「今日は昼からクエストなんだ。だから午前中はきゅーけいってとこ。ボマーシードの花を三十個も取ってこなきゃいけないからな……」
 ボマーシードはスラガン地方の荒野でよく見る、西部劇に出てくるような転がっている草。軽い体で風を受けて転がることでタネを地面に撒き、成長すると青い綺麗な花を咲かせる……のだが、葉っぱはよく燃える上に、種には少しながら火薬も詰まっている。一粒だけなら大した量ではないが、草に丸ごと火をつけるとボカンと爆発! 肝心の威力はそこまで高くないが、大きな音と発生する炎は野生モンスターを追い払うのにうってつけなのだ。
「三十個ですかー、私も手伝えればいいんですけどねー」
 同情するような目でナガレを見つめるドロシー。ボマーシードは一歩町の外に出ればそこら中をゴロゴロ転がっているが、やはり転がる草を追いかけ回すことになる。三十個も集めるのは骨が折れるだろう。
「ま、大変だけど報酬はいいからね。コナキ地方の村でモンスターを追い払うのに使いたいから、いっぱい採取してくれってことらしいよ。やっぱり町ぐるみだと収入がデカいな~。走り回るのは慣れてるし、大丈夫!」
「スタミナがあるんですね。毎日頑張っている姿が羨ましいです……」
「へへ、まあね! きっとサキミもいつか足が治ったら……あれ、特訓してることって言ったっけ?」
「窓の外で、時々あなたを見かけるんです。ヘトヘトになって帰ってくるところとかもですし、時々年配の方々と町を走っているではないですか」
 サキミが言う年配の方々とは、タネツとヒズマのことだろう。どちらもまだ三十代なのだが、そういえばサキミにはまだギルドの仲間たちを紹介していなかった。その話をしようとした、その時……。

「……あれっ、アイツ誰だ?」
 ふとナガレの目に、見慣れない格好の人物が映る。こんなに気温が高い日なのに、暑そうなコートを着た男女だ。おそらく他の地方からやって来たのだろう。
「旅行の人じゃないですか?」
「そうは言ったって、あんなに厚着で来るか? ……何か困ってるかもしれない。ちょっと話を聞いてくる」
 そう言ってナガレは会話の輪から外れ、そちらへ向かっていった。
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