崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十一話 さらば、アタカンの子息

早すぎるフラグ回収

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「んがぁ~っ! よく寝たぜ」
「おっは~ナガレ君~♪ 今日もいい天気ね~」
「よう! ナガレ! ……な、なんだよ? 俺様が挨拶しただけでビクッとしやがって」
「な、なんでまない! なんでも……」
「……噛んでるぞ。緊張しすぎだろ」
 ケンガに挨拶されただけで、ナガレは血が凍るような気がする。どうやらだいぶ落ち着いて来たようで、普段通りの俺様キャラに戻っている……が、それが帰って不気味だ。起爆してしまったらどんなことになるか……。
「……ナガレ。この際もう全て話してやったらどうなんだ。隠し事はタメにならんぞ。それに失恋くらい誰だって……」
「バカタレ! 落ち込んだ勢いそのままに、ナニをしでかすか分からないんだぞ! プライドだけは一丁前のケンガじゃどうなるか!」
 コソコソ話すジョーとナガレを、みんな不思議そうな目で見つめている。
「ま、まあ大丈夫だって! ちゃんと気をつけていれば、まさかバレることは……」
「……本当にそうだろうか」
「ああ、絶対バレやしねえって! もしバレたらそんときゃオレはメイド服着て腰振りダンス思ってやるよ!」
「……そんなこと言って大丈夫か?」
 心配そうな目のジョーに、ナガレは誤魔化すように笑ったのだった。



~☆~☆~☆~☆~☆~



「……そ、そんな。カナ…………⁉︎」
「まさかケンちゃん、そんな風に思ってたなんて……」
「え、えっと……これは違くて……」
 ……そして月夜の晩、テントの影にてド級の修羅場が出来上がりましたとさ。

「……やっぱり、フラグだったか……」
 こっそりみんなで見つめる中、ジョーはその影で頭を抱える。
「なんであの三人はあんなに気まずそうなのですか? たかが色恋ごときで……」
 バシドガッ!
「痛っ⁉︎」
 空気を読まないサニーがいらん事を言って、ジョーの拳でシバかれている。
「で、なんでナガレさんはあんなカッコで踊ってんだい? あたしも若い頃は色々やったけど、その……あんな刺激的な踊りは見た事ないよ」
 困り眉の現場監督ヤングさんが、魔除けの篝火……その下にある、タルや木材を適当に組み合わせた急拵えのステージを指差した。

「に……にゃんにゃんにゃん……」
「「「わぁぁぁぁぁぁーー!」」」
「ヒューヒュー!」「可愛い~!」「やばたにえ~ん!」
 そこではナガレが宣言通り、メイド服着て腰振りダンスをしている。顔を真っ赤にして恥ずかしそうなナガレとは裏腹に、作業員たちギャラリーは男女問わず大盛り上がり! ノリが軽いタイプのセンチアとタネツとヒズマも、黄色い声援を送っている。

(……しかし、よりにもよってイチャコラ中にケンガが忘れ物を取りに来るとは……想像の十倍は酷い)
 ジョーはその瞬間を思い出して、彼にしては珍しくブルブル震えた。

 事態は数十分ほど前まで遡る……。
 ナガレたちが作業を手伝っている途中、いつも通り見張りをしていたカナとダンケ。
 するとそこへ、ヒズマから「ノド渇いたわ~。私が鍋番やっとくから、水とって来てくれない~?」とお使いに出されたサニーがやって来た。
 二人きりの時間を邪魔されたくなかったカナだったが、サニーはその表情から何を読み取ったのか「私ヒマになったので変わります。お二人は休んでください」と交代を申し出た。
 その好意に甘えてサニーに代わってもらった二人。(一方ヒズマは喉の渇きに耐えながら、健気にサニーを待っていた)
 そのまま恋心がサカりだしてしまい、ナガレたちバッファロー冒険者用のしょぼいテントの裏に回る。そこで恋愛劇みたいな濃厚キスシーンと洒落込んでいたのだが……。

 最悪のタイミングで、ケンガがサボりにやって来てしまった。アツアツの二人は気付かないまま、絶句して声が出せない汗ダラダラケンガの目の前で、なんと十分近く舌を絡めた接吻を交わしていた……。
 それを間近で見せつけられたケンガの心情は想像に難く……いや、想像するのも恐ろしい。
 二人でチューしながらくるくる回って、息が苦しくなったカナがようやく視線を逸らし……そこでケンガと目があった。
 二人きりだと思っていたのをガン見されていたと知り「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」とカナが大絶叫!
「悲鳴だ!」
「おいおいなんだよ⁉︎」
「ガンプのモンスでも出て来た系なん⁉︎」
 悲鳴を聞きつけたみんながわらわらと集まって来て……この空間の形成に至る。
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