崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十一話 さらば、アタカンの子息

苦悩

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 篝火の脇を抜け、骨組みだけの民家を横目に突っ走り……ついに地平線の向こうへ消えようとしているケンガを見つけた。
 夕陽へ向かって歩く背中は黒く、どこか小さく寂しげだった。ナガレはそれに向けて大声で呼びかける。
「ケンガぁーーーーっ!」
 名前を呼ばれて振り返るケンガ。その瞳には何の感情も宿っていないように見えた。
「はぁはぁっ……待てよケンガっ! どこ行くつもりだ!」
「ナガレか……お前も物好きなヤツだな。俺を呼び止めてくれるのか? やめておけ」
「待てっての! 呼び止めんのはあったりまえだろうが! オレたちゃ仲間だろ!」
「仲間、か……」
 ケンガは振り返り、寂しげにフッと笑う。
「なら、それもここまでだ。今までだって、俺には何もできなかった……お前だってそう思っているはずだ」
「そ、そんな事ないっ!」
 ナガレは我慢できず駆け寄って、ケンガの胸ぐらをグッと掴む。全く抵抗しないのがもどかしくて、そのままブンブン揺さぶった。
「どうしちまったんだよ、ケンガ! いつも通り『俺様』って言えよ!」
「……」
「確かにフラれたのはショックだよな……でもそれで終わった訳じゃない! 自暴自棄になってるだけじゃんか!」
「…………」
「何とか言えよっ!」

「うるせぇっ!」

 と、いきなりケンガがナガレの手を乱暴に振り払う!
「うわっ!」

「違うっ! それだけじゃねえ!」
 ケンガはキッとこちらを睨みつけてくる。その目には……じんわりと、涙を浮かべていた。 
「ピエロを演じるのはもうヤメだ! 何が天才だ! 何がアタカンの息子だ! 所詮俺は嘘つきで見栄っ張りの『弱虫ケンガ』でしかねえんだよ!」
「そ、そんなこと……」
 その剣幕に押されて、あのナガレがたじろいだ。ケンガはギリギリと歯を食いしばり、苦しそうに続ける。
「ナガレ! てめえだって俺なんかいない方が得なんだろ! 俺よりも強くて人当たりもいいサニーがいるからな! 所詮は数合わせでしかなかった!」
「ケンガ……お願いだ、話を……」

「黙れ黙れ黙れ! お前らはずっと前から俺のステータスを知りたがってたよな! どうせ信用できなかったんだろ! サニーの野郎が戦った時も『ケンガよりずっと強い』と言ってたの、聞いてないとでも思ってたのか!」

「う……!」
 ナガレにとって痛いところを突かれてしまう。確かにケンガのステータスをジョーと詮索していたのも、サニーはケンガの上位互換と考えていたのも事実だ……。
「みんな俺をバカにしてた……舐め腐りやがった。そうだよな……こんな弱っちいヤツ、バカにされて当然だ。もう冒険者なんて辞めてやらぁ!」
「そ、そんなこと言うなよ……」
「うるせぇナガレっ! そんなに知りたきゃ教えてやる! お前が俺のデバフスキルを知りたがってたのは重々知ってんだ!」
 ケンガはすうっと息を吸って、ギンッ! と目を剥いた。

「そうさ、俺のデバフスキルは『低圧プレッサー』! 魔力が途中で弱まって、魔法攻撃が遠くまで飛ばないってんだ! このスキルがあったから……親父は俺を捨てやがったんだッ!」
「え……な、なんだって⁉︎」
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