崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十一話 さらば、アタカンの子息

ひとまず帰還

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「サニー、アレがフローレンスのチーム『ラストハーレムズ』だ! あの三人は全員Bランクの冒険者だけど、クエストの間にアイドル活動もできるまさに『戦乙女』! それに構ってもらえるなんて、お前チョーついてるぞ! 良かったな!」
「は、はぁ、そうなんですか」
「はぁはぁ、実際に見ると無茶苦茶カワイイヤッター! 握手してくれないかなぁ~」
 やっぱりサニーにはピンと来ないらしく、興味なさげな返答しか来なかった。一方のナガレは、サキミという想い人がいながら美少女軍団にメロメロである。

「さて☆ 話がそれちゃったけど、フローレンスちゃんお疲れ様! 成果発表会をするのだ~☆」
 リーダーのトレメインに背中を押され、廊下の奥へ連れて行かれるフローレンス。トリゼラとナスタシアも後に続いた。
「ナガレさん、あれはなんでしょう?」
「成果発表会だよ。トレメインちゃんたちとチームメイトの会話を雑誌にして出してるんだ。ラストハーレムズはレギュラーメンバーこそあの三人だけどそれ以外あと五人いて、それは『一軍』って言われてる。その下にフローレンスたち『二軍』のメンバーがいて、一軍昇格を目指して頑張ってるんだ」
「はぁ、なるほど」
「二軍のメンバーの数は五十人を超えるらしい! そんな埋もれがちなメンバーでもこの発表会の雑誌でチャンスを上げてるんだ。すごく良いシステムだよな! きっとメンバー間は仲良しグループに違いない。優しい上に気遣いもできてカワイイなんて……」
 またメロメロモードに入り始めたナガレ。しかしサニーは「そうですかね?」と頭をかいた。
「それでは成果発表会とやらは、所属メンバーにとっても良いことなのですよね? それにしては、私にはなんだかフローレンスさんが楽しそうに見えなかったのですが……」
「えっ?」
 何やら気になる事を言うサニー。ナガレはふと我に帰って、フローレンスの方を見つめてみた。
「…………」
(んっ? 目があったぞ?)
 するとこちらを見つめる彼女と目があった。何かを訴えるような視線をこちらへ向けてくる。
「さぁさぁ行こー☆」
 しかしそれも一瞬で、トレメインに連れて行かれてしまった。

「おーい、待ってよー! フローレンスー!」
 追いかけようとするナガレだが……。廊下へ差し掛かったところで、いきなり両側から出て来たサングラスの男たちに腕を掴まれた。
「おっと! 過度な干渉はおやめ下さい。次のライブをぜひ楽しみにしていて下さいね」
 そんな事を言われて、ぐいぐい押し戻されてしまう。さすがは冒険者のアイドル、セキュリティもばっちりだ。
「違うって! オレはファンとかじゃなくて……」
「そうなのか? 分かった分かった。ごめんなお嬢ちゃん、今メンバーの募集はしてないんだ。来月の第一週にオーディションがあるから、その時に来てくれよ」
「……はぁ?」
「お嬢さん可愛いから、きっとオーディションに受かるさ。だから今日はお引き取り願うぜ、な?」
「………………」
 ……セキュリティの兄ちゃんの悪意無き言葉が、またナガレのコンプレックスを刺激してしまった。

「仕方ないですね。また会った時、話を聞いてみましょう」
「ぐぬぬ……い、致し方あるまい……」
「はいはい、行きましょう?」
 歯を食いしばるナガレ。そのままサニーに連れられて、帰還するほかなかった……。
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