崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十二話 猛き冠、森林の蹄

接敵・ジェネラルディール!

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「いい? ワタシが動くまで、絶対に何も喋っちゃダメだからね」
 しばらく慎重に進んでいくと、茶色っぽい毛皮の背中が見えた。四足歩行の背後からでも目立つ鋭いツノは、まるでクワガタの用に前方へ伸びている。群れの子供たちを守るためにジェネラルディールは、部下のコモンシカに支持を出して横一列に並びツノを突き出すのだ。
「レガーナさん……今なら後ろから奇襲できそうですよ……」
 小声でそう言ったフローレンスだが……。
「ちょっ、何やってんの!」
 ナガレはいきなり大声を上げ、ドタドタとやかましく走り出した! 見ればジェネラルディールは、すでにこちらへ向き直っている。あんなに小さな声を感知して振り返ったのだ!
「どりゃあっ!」
 レディにしては勇ましい掛け声だが、殺し合いでそんなこと気にしている余裕はない。ナガレが振り下ろしたマルチスタッフを、ジェネラルディールはツノで受け止める!
 ガキィン!
 生物のツノなのに、まるで鉄を打ち鳴らしたような音が響いた。
「足音とか自然の音ならともかく、こういった草食モンスターは人間の気配に敏感なんだ。行くよっ、フローレンス!」
「は、はいっ!」(あれはマルチスタッフ⁉︎ ほ、ホントにナガレさんにソックリです……)
 そんな事を考えながら、フローレンスも得物のモーニングスターを構えた。
「フーッ! フーッ! ピィィーッ!」
 遠くの音ならまず逃げただろうが、ジェネラルディールはこちらへ向き直り、威嚇するように前足で地面を蹴った。頭を下げてツノをアピールし、襲撃者を追い払おうとする。
「行くぞっ! さぁ来いジェネラルディール、もう人を襲わせたりはしないぞ! 何があったのかは知らんけど、観念しろっ!」
(うわ、ギャップ! あんなに可愛い娘が、そんな勇ましい啖呵の切り方するなんて!)

「ピィーーーーッ!」
 ドスドスドスッ!
 ジェネラルディールは戦闘開始と見るや、いきなり甲高く鳴いてツノを振りかざす。そしてこちらへ突進してきた!
「このっ!」
 キィン!
 マルチスタッフで後ろへ受け流すナガレ。だが大きなツノが鎧を掠って嫌な音を立てる。
「ぐわっ! いててっ……」
 少し通り過ぎた後振り返ろうとするジェネラルディール。しかしフローレンスがその背中へ鉄球を投げつける!
「くらえっ、アイアンカノン!」
 ギュルルル……バキッ!
「キュウッ⁉︎」
 小さな鉄球でも、全力で投げつければ鋼鉄すら砕く。まるで砲弾の如き衝撃に、ジェネラルディールも吹き飛んだ。
「やるな! オレ……じゃなくてワタシだって!」
 すぐ立ち上がった相手に向かって駆け出すナガレ。そのまま体を横に半回転、その勢いを使った三連打を放つ!
「たぁっ! だりゃ! でぇいっ!」
 バシッ! ドガッ! バキッ!
「キュウン……ピュイッ!」
 明らかにダメージが入ったような悲鳴を上げるジェネラルディール。しかしすぐさまツノを振り回して、ナガレを弾き飛ばす!
 ザクッ!
「ぐぬっ!」
 レザージャケットの袖が切れ、右腕に鎧越しでも痛みを感じた。尖ったツノは殺傷力が高い危険な武器だ。
「ちっ、やるな!」
 素早いバックステップで距離を取るナガレ。
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