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第十五話 リトル・ドラゴンスレイヤー
全身包帯の年末
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「あ……んぁ……ま、まひほふ……」
「喋らなくていい。麻酔が効いてるから、声を出しにくいはずだ」
(あ、そうなのか)
返事の一つも出せなかったが、マディソンはそれすらもお見通しなようだ。大きめのランプを灯すと、暖かな光が部屋を照らした。
「答えなくてもいいから聞いてくれたまえ。……ミスター・ウエストは約三日の間眠り続けていたんだ。今日は十二月の二十七日だ」
(……そっか。オレはあのドラゴンにやられて……はっ、そうだそのことを伝えなきゃ!)
「まひほ! どらほんは……あだだだだっ!」
身を乗り出した瞬間、アイアンメイデンに突っ込まれたような、全身を刺されるような痛みが襲ってきた!
「心配しなくてもいい。紫色のドラゴンだろう?」
「……」
やはりお見通し。ナガレがコクコク頷くと、マディソンはニヒルに笑って見せた。
「大丈夫。ミスター・ウエストをここまで運んで来てくれたミスター・ローンズが全て話してくれたから」
「……?」
ナガレが首を捻ると、マディソンが付け足した。
「バンド・ローンズ。鎧姿の旅人さ。向こうは君のことを知っているみたいだが……おや、ミスター・ウエストは知らないのか?」
ナガレは少し考えてから、首を縦に振った。
(それはフローレンスたちから聞いた。……クイーンスライムに飲み込まれたオレを助けてくれたらしい。だけど……これが偶然ならすごいことだな。一ヶ月も経たないうちに、二度助けられるなんて)
ちなみに名前こそ知っているが姿は分からないので、バンドが来た時点では判断できなかった。
マディソンは「ふうむ」と言って腕を組む。
「まあいい。今はいいけれど、話せるようになったらまた教えておくれ。そうそう、退院できるのはあと三日だ。冒険者のお仲間さんたちが回復魔法を申し出てくれたが、それは一時的にしか治らない。大怪我を治すには魔法や回復薬じゃなくて、治療を受けて安静にしているのが一番いいんだからな」
「…………」
それじゃあ、ギリギリ年末には間に合いそうだ。異世界グリムには、年末年始を無事に迎えられたことを大いに祝う風習がある。家族や友人と集まって、ケーキを食べたりお酒を飲んだりパーティをするのだ。ちょっとだけ元気が出てきたナガレに、マディソンは微笑んだ。
「知り合いのみんなが、一日に五回くらいお見舞いに来てたよ。君の友人がほぼ全員だな」
そう言って立ち上がり、部屋の隅に山と積まれた色々なものを台車に乗せて持ってきた。リンゴにブドウにオレンジにパイナップル……ビーフジャーキーやキャベツやレタスと様々な食べ物に加え、ぬいぐるみや小説の本などもある。
「喋らなくていい。麻酔が効いてるから、声を出しにくいはずだ」
(あ、そうなのか)
返事の一つも出せなかったが、マディソンはそれすらもお見通しなようだ。大きめのランプを灯すと、暖かな光が部屋を照らした。
「答えなくてもいいから聞いてくれたまえ。……ミスター・ウエストは約三日の間眠り続けていたんだ。今日は十二月の二十七日だ」
(……そっか。オレはあのドラゴンにやられて……はっ、そうだそのことを伝えなきゃ!)
「まひほ! どらほんは……あだだだだっ!」
身を乗り出した瞬間、アイアンメイデンに突っ込まれたような、全身を刺されるような痛みが襲ってきた!
「心配しなくてもいい。紫色のドラゴンだろう?」
「……」
やはりお見通し。ナガレがコクコク頷くと、マディソンはニヒルに笑って見せた。
「大丈夫。ミスター・ウエストをここまで運んで来てくれたミスター・ローンズが全て話してくれたから」
「……?」
ナガレが首を捻ると、マディソンが付け足した。
「バンド・ローンズ。鎧姿の旅人さ。向こうは君のことを知っているみたいだが……おや、ミスター・ウエストは知らないのか?」
ナガレは少し考えてから、首を縦に振った。
(それはフローレンスたちから聞いた。……クイーンスライムに飲み込まれたオレを助けてくれたらしい。だけど……これが偶然ならすごいことだな。一ヶ月も経たないうちに、二度助けられるなんて)
ちなみに名前こそ知っているが姿は分からないので、バンドが来た時点では判断できなかった。
マディソンは「ふうむ」と言って腕を組む。
「まあいい。今はいいけれど、話せるようになったらまた教えておくれ。そうそう、退院できるのはあと三日だ。冒険者のお仲間さんたちが回復魔法を申し出てくれたが、それは一時的にしか治らない。大怪我を治すには魔法や回復薬じゃなくて、治療を受けて安静にしているのが一番いいんだからな」
「…………」
それじゃあ、ギリギリ年末には間に合いそうだ。異世界グリムには、年末年始を無事に迎えられたことを大いに祝う風習がある。家族や友人と集まって、ケーキを食べたりお酒を飲んだりパーティをするのだ。ちょっとだけ元気が出てきたナガレに、マディソンは微笑んだ。
「知り合いのみんなが、一日に五回くらいお見舞いに来てたよ。君の友人がほぼ全員だな」
そう言って立ち上がり、部屋の隅に山と積まれた色々なものを台車に乗せて持ってきた。リンゴにブドウにオレンジにパイナップル……ビーフジャーキーやキャベツやレタスと様々な食べ物に加え、ぬいぐるみや小説の本などもある。
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