崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十六話 進化の道

久しぶりの出会い

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 今日は十二月三十日。皆さんの世界では、明日が大晦日である。
 町中の雰囲気がなんだか浮ついている中、普段着姿のナガレはサキミの家のドアをノックしていた。
「サキミー? オレだよナガレだよ」
 コンコンコン……ガチャッ!
「はーい、どうされましたナガレさん」
 すぐに扉を開けて、いつものウルフカット髪を整えたサキミが出てくる。家の中だというのに、白いスウェットにすらりとした黒いチノパンにファーコートまで着ていた。半年前まで杖を突いていたのが嘘のように、元気に自分の二本足で立っていた。
「あ、おはようサキミ。えっと、今大丈夫?」
「いいんですよ、どうかされました?」
「あ、あー、うん……」
 サキミにそう言われて、なぜか顔をそむけるナガレ。赤くなった顔を隠すためだ。
 緊張して言葉が出てこないため、雑談でお茶を濁すことにする。
「あー、久しぶりじゃんサキミ。だからその、どこに行ってたのかなって」
 内心(やっちまったァ!)と頭を抱えるナガレ。はたから見れば別に自然な会話だが、男の子というのは好きな女の子を前にすると、いかなる会話や言動でも(失敗した!)と思うものなのだ。
 しかし、それを聞いたサキミは嬉しそうに頬が緩んだ。心が浄化されそうなスマイルだ。
「あ、もしかしてお喋りしてくれるんですか! 嬉しいですっ、立ち話もなんですしぜひウチへどうぞっ」
「ああ、ありがとう。……って、はいぃっ!?」 
 まさかの無警戒で家の中まで招かれた! これにはやっと調子を戻しかけていたナガレも思考回路が完全冷凍。ボフンッ! と顔が一気に赤くなった。
「散らかってますけど、どうぞ入ってください」
「ははは、はひぃ……」
 何も考えられないまま、ナガレはサキミに引っ張られ部屋に入っていった。

 中は全然散らかっていなかった。前にチラッと見えたことはあるが、全体的に家具が少ない。まるでミニマリストだ。
 ……しかし、壁にしっかりと固定(!)されている本棚には、分厚い本が大量に並んでいた。図鑑、小説、さらには子供が読むような絵本などまでが、ぱっと見でも百冊以上あった……。
「ひぇ……サキミって読書家だねぇ」
 つい独り言を言ったナガレだが、それに応えたのはサキミではなかった。

「お嬢様は生まれつき体が弱かったのでねえ。その分ご家族の方々によく本をねだっていたのですよぉ」
「あれ、その声は……クレイさん?」
 家の中に家主のクレイさんがいて、はたきを使って掃除をしていた。長い髪を束ねて結んでいて、背筋をシャキッと伸ばして高いところまで掃除している。その足腰からふらつきは一切感じられない。
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