崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十七話 ハト・スタンピード!

特訓のお誘い

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「その声はケンガ!」
「……盗み聞きとは趣味が悪いな」
「なんとだって言えばいいさ」
 テントをぐるっと回る足音がする。そして遠慮無しに入り口を潜ってケンガが現れた。
「お疲れナガレ。今ヒマか?」
「えっと、まぁヒマだけど……」
 準備はすでに終わらせた。みんな町を散歩したり武器の手入れをしたり、思い思いの時間を過ごしている。
 それを聞いたケンガはニンマリと笑った。目を細め口角を上げた、悪い魔女みたいな笑い方だ。
「だろうな。……ちょっと付き合えよ、一緒に特訓しようぜ特訓」
「え!」「……なに!」
 ナガレとジョーが同時にビクッと反応した。
 あの自信家なケンガが特訓を申し出て来るとは!
「ケンガ……ああ、行こう! ぜひ一緒にやらせてくれっ!」
 ナガレは両手を上げて喜んだ。「そんな泥臭いことしなくとも俺様は強い」とか言って調子こいてたらケンガが、自主的に特訓をするようになったのは元仲間として嬉しいものだ。しかしジョーは訝しげな目を向けている。
「……何を企んでいる」
「つれないねぇ。お前も見にきていいんだぜ? Cランク同時の足掻きを見物しにこいよ」
「……ッ」
 刃物のように鋭いジョーの視線。睨みつけただけで人を殺せそうな眼光だが、ケンガはニヤニヤしながらそれを受け流す。
「へっへっへ……」
「…………いいだろう。妙なことをしたら叩っ斬る」
「よし決まりだ。ドルーシバの拠点から村の外を見れば、デカい枯れ木が見えるはずだ。その下で待つ。武器と防具と適当な飲み物を持って来な。……俺様がどんな地獄から這い上がって来たか、その身に教えてやる」
 最後の方は、ぐぐもった声で聞こえなかった。
「村の外? そんなところで特訓するのか?」
 ナガレはそう聞いたが、ケンガは無視してテントを出て行った。

「……行くのか、ナガレ?」
「おう! ジョーも何をそんなに警戒してるんだよ? チームは変わっても、ケンガは仲間だろ」 
「お前が無警戒すぎるんだ!」
「おめーが神経質なだけだよ……」
「はぁ……もういい。準備していくぞ」
 何が始まるのかと少し不安なジョーだが、結局諦めてナガレとテントを出た。
(それにしてもナガレのやつ……あんな嫌なヤツに変貌してしまったケンガを、どうして無警戒なんだ? 考えあっての行動だと良いのだが)
 ジョーにはそこがわからない。彼はナガレたちの影響でギルドを離れ、ここに辿り着いた。バッファローやイーターズの冒険者たちを逆恨みしていてもおかしくはないはずだが……。
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