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第十七話 ハト・スタンピード!
グレッグの出迎え
しおりを挟む数時間もすれば、村は綺麗に片付いた。たくさんの血痕も、地面には土を被せ、壁や屋根はしっかりと道具を使って掃除する。
「すごい早いなぁ。手際がいい……」
感心するナガレ。するとタネツがニヤッと笑って教えてくれた。
「そりゃ毎年こんな目に会っていれば対策も考えるさ。みんな慣れてんだよ。ハト退治にかけては、スラガン地方の住民こそ最強かもな」
「でもコウヨウ地方の住民はメチャクチャ強いらしいわよ~」
「ふむ。ポーツ地方では子供でも弓を扱えます。豊かな森は人々に恵みを与えてくれますが、同時に危険でもありますからね。ニンゲンの子供だろうと自分の身を守れるよう訓練されるのです」
「……逆に最弱はエンペリオン地方でしょうか。なにせ王様のお膝元ですし、軍隊だっていますからね」
「いやいや、サイキョーはデルビ地方っしょ! あそこは『魔界』とも呼ばれる大陸一の魔境なんだし⁉︎」
「えー、それ言ったらコナキ地方も過酷だったぜ?」
……地方の強さ談義が始まってしまった。
「あ、あの、冒険者の皆様……」
「んっ?」
ふと、誰かに呼び止められた。強さ談義に花を咲かせるバッファロー組+aは聞こえなかったが、ダンケとカナが反応する。
「こんなところに子供が?」
「ねぇボク、どうしたの?」
そこにいたのは、領主ハーバードのご子息グレッグ君。防寒着代わりに上品な黒いローブを着ていた。
「ぼ、ボクだと!」
お子ちゃま扱いされて、憤慨した様子を見せるグレッグ。子供ながら怒る姿にギクリとしたカナだったが、急にしゅんと俯いてしまった。
「ぼ、僕、そんなに威厳ないですか……? やはり父上のようには慣れないのでしょうか……」
「急に落ち込まないでよ!」
「わ、分かった。悪かった。ごめんよ」
意味がわからないまま、落ち込んだグレッグへ謝るダンケとカナ。すると強さ談義を面白そうに観察していたマックィーンたちがこちらへ気づいた。
「あ、グレッグ様! ご無沙汰しております」
頭を下げるマックィーンたちドルーシバの面々。ケンガも素直に礼儀正しく振る舞っている。
「この方はハーバード公のご子息、グレッグ様だ。つまり僕たちの雇い主だよ」
「そ、そうなんですかっ! こ、これはご無礼を!」
「申し訳ありません。知らなかったとはいえ失礼なことを言ってしまいました」
「いえいえ、初対面ですので……」
ホッとしたように立ち直るグレッグ。するとようやくバッファローの冒険者もこちらに気づいた。
「お、そこのチビスケ! どうしたんだ?」
「あっおいバカ!」
「……ち、チビスケ……はぁ……やっぱりそうか……僕にはどうせ……ブツブツ……」
「もうナガレ何やってんだよバカ!」
「え? ……えっ?」
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