崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十九話 禍のエースストライカー

センチアとジョー

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「……分かった。先に行くぞ」
 そう言ってジョーは二倍か三倍のスピードに加速して、みるみる遠ざかっていった。
「はっはっ、行っちゃった。オレたちもスピード上げてみる?」
「それでマガツゴーストと会った時にバテバテだったら瞬殺されますよ。鴨取りハンターがカモにされちゃいます」
「う……それはそうかも」
 諦めてえっほえっほとランニングする一同。
「ところでこれ、いつくらいに着くの~?」
「さあ、分からん。途中で奴らが曲がったりしてたらたどり着けないぞ」
「え、行先も分からずに走ってるの私たち!? ナガレ君! 行先にアテはあるのよね~!?」
「まっすぐ行けばそのうち見つかるんじゃないですか?」
「ちょっと~!?」
 

 そして、夜の荒野を一人突っ走るジョー。百メートル十秒くらいのスピードだが、そのペースを全く落とさず走り続ける。
 タタタタタッ……ザッ!
(……前に誰かいる。冒険者の誰かが逃げてきたんだろうか)
 ふと、何者かの気配を感じ取った。一応ダガーを抜いて前方を注視する。もちろん、周囲への警戒も怠らない。
 ナガレたちにも明かしていないが、ジョーが持つスキルの効果で夜目が聞く。正面からやって来た人物は……。

「くんくん……あーっ! このニオイ、ジョーっちじゃん!」
「なにぃっ!?」
 気配を消していたのにニオイでバレた! かすかなニオイでも速攻で理解できるような人物は、キンテツ村にいる冒険者ではただ一人。
「……センチアか」
「うわーい良かった! マジあげぽよ!」
 そう、イヌ耳のセンチアだ。彼女の鼻は祖先と違って完全に人のものだが、嗅覚は高いようだ。ジョーを捉えるなりパァッと笑顔になり、走って来たから汗ばんだ体で飛びついてくる。
「……」
 ジョーはとっさに伏せて飛びつきを回避した。
 ひょいっ……ズサーッ!
「いだぁ! ひっどー! オニじゃんマヂで! テンサゲだわそこは受け止めろし~萎えるわ~」
「勝手にしろ。それより何があったんだ。マガツゴーストが現れたと聞いてここまで来たんだが。じきにナガレたちも来る」
「マジィ~! 助かる! あーしが村まで呼びに行く所だったんだ」
「そうなのか?」
 センチアの言動からは、深刻な様子は見えないが……。

「うん。カナもダンケもボッコボコにやられちゃった。あーしが一番足速いから応援呼びにきたんだ。マックィーンって人とケンガって魔術師が何とか頑張ってるけど……」
「……なんだと!」
 そんな状況でお気楽そうなセンチアに苛立ったジョー。だが今は説教をしている暇はない。
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