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第二十三話 希望と絶望の復活
その日、巨大渓谷が消えた
しおりを挟むそうして今度は全員で(サニーは再びタネツに抱えられ)、谷を駆け上がることとなった。まだまだ巨大化していく紫の光は、渓谷をまるまる飲み込んでいく!
「くそぉ、ここまで大きくなるとはなんという魔力だ!」
「感心してる場合か! も、もう勘弁してくれーーっ!」
息も絶え絶えになりながら、すでに限界を超えた体で全力疾走! 数十分も走り続け、ようやく谷を抜け平坦な荒野へやってきた。
夕陽が眩しく照らしてくれている。
「ま、まだ来るか⁉︎」
それでも走りながら後ろを向いたナガレだが……。
ゴォォォォッ!
その直後、光が一際眩しく、紫色に輝いた。
「ぐわっ!」「きゃあ!」
それと同時に凄まじい突風が吹く。空気の塊に押されたような感触で、ナガレたちは木の葉のように軽々と吹き飛んだ。
(う、眩しい!)
目が焼けるような閃光。ナガレは空中で思わず目を覆った。
ドサァッ!
「ぐぅ!」
そして背中から地面に落下する。他のみんなもドサドサ着地した。
「うぐぐ、いってぇ……」
「おーいみんな、生きてるかー……」
「え、ええ。私は、なんとか……」
光はすぐに消えたが、まだ目がチカチカする。息も絶え絶えになって、酷使した足が悲鳴を上げていた。それでも疲労と苦痛に喘ぎながら体を起こすナガレ。
「な……う、うわぁーーーーっ⁉︎」
そして目の前に広がった光景を見て、悲鳴を上げた。
「な、なんですかっ!」
「敵か! モンスターか!」
慌てて立ちあがろうとして、足がもつれてズッコケるケンガとフローレンス。だが顔を上げるなり二人とも絶句した。体を起こした一同も、唯一立っていたジョーも、みな驚愕で口をあんぐり開けている。
コォォォォ……!
「……ウソ。こんな、ことって」
「……ゆ、夢か? そうとしか、お、思えねえぞ」
「……バカな。そ、そんなこと、あり得るわけが……」
さっきまでベイス・キャニオンが、そり立つ両壁と深い谷底へ続く道が、そこにはあったのに。その道を、ナガレたちが突き進んできたのに。
「た、谷が……渓谷が……き、消えた……っ⁉︎」
光に飲み込まれたベイス・キャニオン。
それが今、クレーターのような深い大穴となって消えてしまった。
「……! ど、どうなっているんだ!」
動けない一同をよそに、急いで大穴へ向かうジョー。まるで底が深いお皿のように、外側から内側にかけてどんどん低くなっていた。目を凝らすとかろうじて奥底が見える……おそらく『元』洞窟内部だろう。
傾斜は緩やかなので、降りることはできそうだ。だが、もうすでにペトロたちは逃げ出した後だった。
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