崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター

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 その後、ナガレの水筒を(間接キスなんて全く気にせずに)丸々ラッパ飲みして、ようやくシャットは落ち着いた。
「ふぃーっ、ありがとーパイセン。いやー全部飲んじゃった」
 キュートな吊り目をにーっと細めて笑顔になるシャット。あざとかわいい女の子というより、ペットの小型犬が甘えるみたいな可愛さである。
「アタイ、こんなムチムチの悩殺ボディだけどさぁ」
(自分で言うなよ)
「結構足腰には自信あったんだよね。小鬼族ってのは、結構足も早いしスタミナもあるからさ。でもこの階段は急すぎてつらかったわー……」
「……それが本当なら、崖を登ってきた方が良かったんじゃないか」
「ハハハ、ジョーが冗談言うなんて珍しいなぁ……あれ?」
 ナガレが笑いながらジョーの顔を見ると、彼は本気の表情である。シャットまで「あ、それ良いね! あはは、さすがジョーパイセン」と肯定してしまった。
「次からは崖を登ってこよっと!」
「え、マジで言ってんの⁉︎」

 その後、(シャットにとって)因縁の階段に、三人並んで腰を下ろす。
「そんで、何か用があってきたんだろ?」
「そーだよ! 階段がキツすぎて忘れてた。ああもう、あんな階段作った奴を恨んでやるー!」
「まぁまぁよせよ。人間だって、あれはキツイから」
 普通に登るならもう慣れたが、これを駆け上がるのは今でも辛い。冒険者のみんなはそれに全力で取り組むことで『持久』『食いしばり』と言った踏ん張るスキルを手に入れている。

「そんでさぁ。アタイ、もう単刀直入に言うね」
「お、おう」
 急にシャットの声量が落ちた。姿勢を正すナガレ。
「パイセン! アタイら後輩をクエストに連れてってよ! 約束したでしょー!」
「えっ? そ、そんなのしたっけ?」
 ド忘れしていたナガレに、シャットは指を突きつけ詰めかけた。
「したぁ! したしたしたしたぁ! あの時スカルクリーチャーがどうのこうのって、全く取り合ってくれなかったじゃんっ!」
「……そうなのか、ナガレ?」
「え、や、ちょっと待った! あー、そう言えば、してたかも……」
「ほらー!」
 約束してます。冒険者ギルドに立ち寄ったナガレは、後から来たサニーとシャットに『後輩たちと一緒にクエストへ行く』とバッチリ約束している。
「……そうか。なら、約束を破るのは良くないな。オレの知っているナガレ・ウエストは、絶対に約束を破らない存在だ」
 彼は約束のためにガラガラマムシへ立ち向かい持ち堪えた冒険者だ。それをその目で見てきたジョーが言うと説得力が違う。
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