崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター

変わったお見舞い客

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「お! ありがとう、マディソン!」
 病室の扉を開けて、マディソンが入ってきた。クレイさんに頼んで持ってきてもらった『石猿流棒術』の技書を読んでいたナガレ。しかしスープの美味しそうな匂いに釣られて顔を上げる。
「かぼちゃと鶏肉のスープだ。熱いからよく冷まして口に入れるんだぞ。手は使えるかな?」
「あぁ、もう回復したよ。握力も十分、あやとりだって出来ちゃうぜ」
 ナガレのタフネスもあるが、マディソンの正確な治療のおかげだ。薬草を調合した薬を飲んで、しっかり添木をつければ、わずか二日で骨折が治ってしまった。異世界グリムならではの治療法である。
「うひゃ~、ホカホカだ。熱い夏が来る前に、こういうのも楽しんでおかなくっちゃ。はふはふ……うまっ!」
 かぼちゃのねっとり感と鶏ガラのような風味がかなり美味しい。何杯だっていけそうだ。
「うまっ、おかわり! これマディソンが作ったの⁉︎」
「ははは、怪我人が食べ過ぎるものじゃないよ。ああ。ちゃんと食べ物を洗ってじっくり火を通して、調理用手袋とマスクをつけてやったとも」
「やっぱうまいなぁ~! こんな病院食ならずっと入院してたいかも……」
「ふっ、それではギルドはどうするんだね?」
「ジョーダンだって! 分かってるでしょーが全くもうイケズなんだから……」
 ナガレが大袈裟に拗ねたところで……。

 カランカラーン! と、病院入り口のベルが鳴らされた。マディソンが「おっと、患者様か。ちょっと待っていてくれたまえよ」と言い残し歩いていく。
 数十秒後、数人の足音が近づいてきて、病室の前に止まった。マディソンのその人物との話し声が聞こえてくる。
「すいません、ナガレ・ウエスト様は、こちらにいらっしゃいますでしょうか?」
 妙に音が低い、男性のダミ声だった。しかし紳士的なセリフで、決して声を荒げているようには見えない。
 続いて女性の声も聞こえてきた。
「お医者様、ぜひ彼に合わせてくださいませ。娘のお詫びをちゃんとしなければ……」
 こちらは落ち着いた女性の声。なんだろうと注目しているナガレの前で、扉が開いた。

「やあやあ、入院中に押しかけてしまい申し訳ありません」
 ハンチング帽を取って挨拶してきたのは、初老のおじさんだった。……身長がかなり低く、おそらく一メートルちょっとしかない。それに肌は緑色。ニンゲンとは違う種族だ。
 ただ身長の割に顔はそこまで悪くはない。小皺の寄った鼻が高い、無精髭が目立つおじさんだ。縦縞の青いシャツにレザーのサスペンダー、農作業用のズボンをつけている。そして目には黒っぽいレンズのゴーグルをつけていた。
 
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