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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター
シャットの姉
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そして、一人でうんうん頷くコバルトさん。
「ええ、本当に……あの子ったらすっごく喜んでおりましたのよ。これでアタイも冒険者だ、これからはパパとママに頼りきりじゃないって。あの子は親の贔屓目を覗いても、とっても良い子なんです。厚かましいとは分かっていますが、どうか許してやってください」
「もう良いですよ。過ぎたことをウジウジするようなニンゲンじゃないですから」
「本当に……何と言うお方なのでしょう。姉のジャンクにも見せてやりたいわ」
「ジャンク?」
ふと、コバルトさんの口から聞きなれない言葉が出てきた。
「ジャンク・スダック……私とビリジアンの第一子で、シャットの姉になります。ですが毎日働きもせず家事もせず、親の脛を齧って一日中ダラダラと……どうしてああなってしまったのでしょう」
頭を抱えるコバルトさん。ナガレはシャットと出会った時、妹がニートだと言うことを聞いていたのを思い出す。
おそらくその人こそジャンクなのだろう。
「ええと……ジャンクさんって、過去に何かあったんですか?」
「ええ……実は昔は『武器職人になる』って意気込んでたんです。でも、前の地方中の町や村を回ってみても、誰も相手にしてくれなくて」
はぁ……とため息を吐くコバルトさん。
「あの子はプライドが高いところがあってねえ。けんもほろろに扱われて、相当ショックだったんでしょう。それから引きこもっては、しょうもない『革新的な武器』とやらのデッサンにのめり込むようになりました」
「そんな……」
確かにそうなればショックだろう。ナガレだって去年までは、ギルド存続のため色々な冒険者を勧誘していたのに、ほとんど手応えが無く残念だった。
……だが、こうしてナガレは生きている。冒険者ギルドは存続している。人は失敗や恥を繰り返し、それでも進み成長していくものなのだ。
「あの子は現状に甘えてるだけなんです。親として、そしてシャットのためにもどうにか立ち直って欲しいんですが……」
「大変ですね。オレたちに何か出来ることは……」
ナガレは少し考えたが……その時、突然マディソンが口に手を当て塞いできた。
「と、とにかく今日はお帰りになってください。ミスター・ウエストはこれから薬を塗り直す時間なのです。ミスもパートがあるのでしょう?」
「まぁ、失礼しましたわ。それでは私も……さようなら、ナガレさんにドクター・マディソン」
コバルトさんも、そう言って病室を出て行った。
「……ぷはっ。何で黙らせるんだよマディソン」
「ええ、本当に……あの子ったらすっごく喜んでおりましたのよ。これでアタイも冒険者だ、これからはパパとママに頼りきりじゃないって。あの子は親の贔屓目を覗いても、とっても良い子なんです。厚かましいとは分かっていますが、どうか許してやってください」
「もう良いですよ。過ぎたことをウジウジするようなニンゲンじゃないですから」
「本当に……何と言うお方なのでしょう。姉のジャンクにも見せてやりたいわ」
「ジャンク?」
ふと、コバルトさんの口から聞きなれない言葉が出てきた。
「ジャンク・スダック……私とビリジアンの第一子で、シャットの姉になります。ですが毎日働きもせず家事もせず、親の脛を齧って一日中ダラダラと……どうしてああなってしまったのでしょう」
頭を抱えるコバルトさん。ナガレはシャットと出会った時、妹がニートだと言うことを聞いていたのを思い出す。
おそらくその人こそジャンクなのだろう。
「ええと……ジャンクさんって、過去に何かあったんですか?」
「ええ……実は昔は『武器職人になる』って意気込んでたんです。でも、前の地方中の町や村を回ってみても、誰も相手にしてくれなくて」
はぁ……とため息を吐くコバルトさん。
「あの子はプライドが高いところがあってねえ。けんもほろろに扱われて、相当ショックだったんでしょう。それから引きこもっては、しょうもない『革新的な武器』とやらのデッサンにのめり込むようになりました」
「そんな……」
確かにそうなればショックだろう。ナガレだって去年までは、ギルド存続のため色々な冒険者を勧誘していたのに、ほとんど手応えが無く残念だった。
……だが、こうしてナガレは生きている。冒険者ギルドは存続している。人は失敗や恥を繰り返し、それでも進み成長していくものなのだ。
「あの子は現状に甘えてるだけなんです。親として、そしてシャットのためにもどうにか立ち直って欲しいんですが……」
「大変ですね。オレたちに何か出来ることは……」
ナガレは少し考えたが……その時、突然マディソンが口に手を当て塞いできた。
「と、とにかく今日はお帰りになってください。ミスター・ウエストはこれから薬を塗り直す時間なのです。ミスもパートがあるのでしょう?」
「まぁ、失礼しましたわ。それでは私も……さようなら、ナガレさんにドクター・マディソン」
コバルトさんも、そう言って病室を出て行った。
「……ぷはっ。何で黙らせるんだよマディソン」
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