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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター
特訓の『お手伝い』
しおりを挟む「……信じがたいな」
ジョーは冷たく吐き捨てる。
確かに、マッシバーの話が本当だと言う証拠は、今のところどこにもない。
「フッ、確かにそうだなぁ。ま、お前がそう思うなら勝手にしろや」
「……それで、そんな昔話をしに来たのか? 終わったのなら早く失せろ」
「おいおい、それはお前が聞いてきたんだろぉ~? もっと興味持ってくれても良いんだぜったく」
せせら笑うマッシバー。何を言っても受け流して、掴みどころがない。
「いやぁ、まぁな。安心しろ、俺はナガレ・ウエストの石猿流をチクったりしねえ。ここで引っ立てられたら、俺たちが利用できなくなっちまう」
「フン、だから?」
「……そんで、俺たちラグナロクも石猿流の『特訓』を、手伝ってやろうと思ってなァ」
「何……⁉︎」
含みのある言い方に、ジョーはキッと目を細める。
「なぁ~に、簡単なことだ。俺たちが冒険者の先輩として、胸を貸してやる。ぶつかり稽古だ。強い相手と戦って、そこで得たいろんな経験を蓄えて成長して強くなる。それが特訓ってもんだろう」
筋は通っているが、マッシバーのことだ。そんな真っ当な理由のわけがない。
「ま、ラグナロクの主力メンバー……六人衆を向かわせる。ただまあ、Cランクの冒険者に対して、こちとら全員Sランクだ。ちょ~っとやりすぎちまって、怪我しちまうかもしれねえが……」
「……ッ! そう言うことか……!」
マッシバーはこれで、筋を通したつもりなのだ。ただナガレを叩きのめせば、流石のラグナロクでも責任を言及される。
しかし『後輩の特訓指導』という大義名分があれば、遠慮なくその力を振るうことができる。無茶振りだが一応筋は通っている。
「……卑怯者め」
「ガッハハハハハハッ! ハッハッハ……ごもっともだぜェ。おっと、それが嫌ならお前からナガレ・ウエストを説得してくれたって良いんだぜ? 役に立つのが分かれば、お前ら二人とも良い思いさせてやる」
マッシバーはニヤニヤ笑いながら両手を広げる。
「自分で言うが、オレたちゃ超絶一流の冒険者。Zランクだって何体かぶっ倒してきてる。今の時点で、俺と六人衆くらい一生遊んで暮らせるほどのダラーがあんだよ」
「……」
「最高級の酒! 超一流のメシ! 超絶セレブの大豪邸に最高の家具をつけて、従業員を百人だって終身雇用できらぁ。カネをちらつかせて美男美女と毎日寝たっていい。……俺は普通の種族の女になんざ興味はねえが。しかも一日や二日の話じゃねえ。一生死ぬまで贅沢できる! 特訓がしてえなら、全国から武術や剣術の達人をダラーを振り撒いて呼びつけてやるよ」
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