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第二十七話 粉骨砕身カルテット
急行
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そして数分後、一台の馬車がホクス平原を走っていた。短い草を踏み鳴らし、二頭の白馬はかなりのスピードで走っていく。
「もうすぐ着くよっ!」
手綱を握るのはエレナ。巧みに馬を操って、バテさせず疾走させている。シロウトのナガレでも分かる凄さだ。
「……そう言えばコレ、クエストじゃないですよね。報酬なんて出ないんでしょうねぇ……」
馬車の中でナガレとフローレンス、ケンガとジョーが向かい合って座っている。そこでフローレンスは残念そうにため息を吐く。
「人助けにお礼を求めるんじゃないよ……」
「それでもちょっと残念です。さっきナガレさんが説明してくれましたけど、スカルラプトルってランク以上に強いモンスターじゃないですか」
ナガレが諌めても、フローレンスの愚痴は止まらない。ケンガはそれを見て「フン……」と鼻で笑った。
「それなら今すぐに馬車を降りて帰ったらどうだ。お前がいたって足手纏いになるだけだ!」
「な、なんですってぇ! 弱虫ケンガのくせに!」
「おおっと、俺様に対する罵倒のセリフがそれしかないのかぁ? 語彙力の低さが出ているな! ハハッ!」
「ぐぐぐ……! そっちこそ女に振られた可哀想な男じゃないですかっ!」
「俺様は過去のことは振り返らないのさ。それともなんだ、昔の過ぎた話をネチネチ引き合いに出さないと、口喧嘩も出来ねえのか? ドクター・マディソンのところに相談してこい! 私のオツムは大丈夫ですかってな!」
「プリーーーーッ!」
ドタバタドタバタ!
「おおっと暴力かぁ⁉︎ 口喧嘩ってのはなぁ、先に手を出したほうが負けだぜ!」
「お、オレを盾にしながら煽るなって!」
ケンガは素早くナガレの後ろに回った。フローレンスは攻撃できずに手をこまねいている。
「……二人とも落ち着け。その暴れたい気持ちはスカルラプトルにぶつけるんだ」
ジョーが割って入ると、ようやく二人は落ち着いた。嫌々ながらも引き下がり、また席に着く。
「……お前たち、どうしてそんなに仲が悪いんだ。フローレンスがケンガに何かしたのか?」
「ケッ、こいつはキライだ筋肉僧侶。こんな奴デカいだけの囮にしかならねえ。それに一緒にクエストに行った時、絶対にバカみてえに突っ込むからよ。ナガレとかヒズマ先輩とかとは違って、でけえ体で射線が通らないこともあるし……」
「はぁぁぁぁ~~ン⁉︎ こっちだってねぇ! アンタのこと何回庇ったか分かんないですよっ! ロクな鎧も着てない紙耐久の弱虫ケンガのくせにアホほど前に出て来るじゃないですかっ。私がいなかったらアンタは今頃ズタボロのボロ雑巾みたいな状態で棺桶の中ですよっ!」
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