崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十八話 正義の羽音

ガン酔いセンチア

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「ほーれ、俺たちが頑張ってイビル教団の刺客と戦ってる間に、こいつらはこうして酔っ払ってる訳かい」
 オフの日なので仕方がないのはそうだが、やはり気持ちのいいものではない。タネツは嫌味ったらしくそう言うと、バーテンダーは「ははは……」と笑った。
「ええ、ヴァレリーさんもいたんですが、やっぱりダレたようで帰っちゃいました」
 タネツは改めて四人をチラチラ見てみる
 アリッサは死んだ目でジョッキを傾けているし、フローレンスは麻薬中毒者みたいに「あへへ、あはは」と笑っているし、ヒズマはグースカ寝ている……。
「あれ、センチアは一緒じゃねえのか?」
 そういえば、センチアの姿がない。一緒に飲んでいたはずなのだが……? するとバーテンダーさんが頷いた。
「あぁ、彼女ならさっきフラフラと出ていきましたよ。これで戻ってこなかったらツケにするだけだし、放っておいたんだけど……」
「ふうん、そうなのか」
 タネツは興味なさげに呟いて、また一口ビールを飲んだ。

 さて、そのセンチアだが……町の入り口付近をふらふらと歩いていた。顔がかなり赤く、息も酒臭い。
 メタルカブトン目当てに集まっていたバッファローの住人も、イベントが終わったため日常へ戻っていた。つまり、そこまで人気ひとけがない。
「あー飲んだ飲んだ。こんなにお酒飲んだの久しぶりだなあ」
 なんだか様子がおかしい……いや、むしろ正常なセンチア。いつものギャル語(?)はどこへやら、いたって一般的な口調だ。
「お会計とか大丈夫だといいけど……二日酔いも嫌だし水飲んどかないと。どっかにポンプとかあればなぁ」
 酩酊状態寸前なのに二日酔いの心配をしている。とても真面目である。
「まぁいっか。見つけたらその時に貰っちゃおう」
 そんなことを考えながら歩いている。メタルカブトンと二号、そしてルックたちはまだ戻っていない。ホクス平原をぐるっと回っているのだろうか。

 ブゥーーン……。
「んー? なんか変な音が聞こえるよ」
 周囲をキョロキョロ見回すセンチア。そして視線を上に向けると、遠くの空から何かが飛んでくる。モンスターの襲撃だろうか! はたまたメタルカブトンが戻って来たのだろうか。
「んー……」
 じっくり目を凝らす。酔っていて視界がブレるも、獣人特有の視力はしっかりと対象を捉えた。黄色……いや、金色の装甲と黒い身体の虫だ。
「……疲れてるのかなぁ。ちょっと酔い過ぎて、幻覚を見てるのかも」
 センチアはそう言って頭を掻いた。
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