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第二十八・五話 VSラグナロク・蒼雷
ナガレのサンドイッチ
しおりを挟むバッファローの朝。今日もよく晴れた青空だ。
「ふぁぁ……ご飯出来たよチェリナ」
「ありがとーナガレ! うわぁ、茹で卵のサンドイッチだ。美味しそう~!」
ゆで卵をナイフでカットして、レタスとハムを挟んだサンドイッチ。ちょっとだけ胡椒を振りかけてあり、サッパリさの中にほのかな塩辛さがある理想の朝食だ。
「ふわぁあ~……いただきま~ふ……」
ナガレも自分のを一口いただいた。パンもちょっとだけ火を通してあり、サックサクの食感だ。具材との相性もバッチリ!
「ナガレ、ずっとアクビしてる」
「まぁね……てか流石に働いてくれよ。オレはお前の旦那でも何でもないんだぞ」
「手を出したいならいつでもいいのに」
「はいはい、オレには好きな人がいんの。その子の信頼を取り戻すためにも、一刻も早くお前には出ていって欲しいんだ」
「善処する~。……ええと、本当に働いてお金を納めれば、まだ居てもいい?」
チェリナにそう言われて、ナガレは少し考え込む。そして頷いた。
「……まぁ、早く出てって欲しい気持ちは変わらない。けどまぁ、一応は許すかな」
「分かった! この町で何かしらアルバイトしてみるよ。この不景気の時代、専業主婦もツラいからね」
「期待しないで待ってるよ」
そう言ってナガレはサンドイッチを完食し立ち上がる。そしてなぜか、カゴからもう一つサンドイッチを取り出した。おかわりだろうか?
チェリナの視線に気付いたのか、ナガレは白い目を向けてくる。そしてウェイトレスのように、手にサンドイッチを乗せちょっと上げた。
「何してるの? ……ひゃっ⁉︎」
突然ナガレの頭上から、ワイヤーで吊り下がった黒装束のオギンさんが現れた! 悲鳴を上げるチェリナをギロリとひと睨みしてから、サンドイッチを手に取る。
そして律儀にも三ダラーをナガレの手に起き、窓を開けて出ていった。……屋根の上で「もぐもぐムシャムシャ……」と咀嚼音がする。
「な、ナガレ? な……な、何なのあの人? それにナガレ、なんで何も言わないの?」
「……オレも最初は追い出したよ。それでもいつの間にか入り込んでたから、家主のクレイさんに言ったよ。『不審者がいます』って」
「う、うん」
「……でもアイツ、クレイさんが入ってきた時に限っていないんだ。オレが急いで呼んでも、うまく隠れる。オレ、頭がおかしいと思われそうになったから、もう諦めてるんだ」
ため息を吐くナガレ。オギンさんとクレイさんがグルだという事実を、ナガレは全く知らない。
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