崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十八・五話 VSラグナロク・蒼雷

荒野の町で対峙

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「……シエラ!」
 傍観していたジョーがキッと目を細めた。ダガーの持ち手を、無意識のうちに強く握りしめる。
 激しい風が、わずかな砂埃と共にヴェールを持ち上げ、風になびかせた。散り散りになったヨビカリ草が時々宙舞う。
「……アルクル、マスターを頼む」
「へ?」
 そう言って、アルクルが反応するより前にナガレの側へ高速で駆け寄った。
「あ、ジョー! シエラとか言ったっけ、こいつは一体⁉︎」
「……奴はシエラ・ファスタ。ラグナロクの中枢メンバーだ」
「え、中枢メンバー⁉︎」
 驚くナガレを他所に、シエラはジョーを見て少し嬉しそうに笑った。……だがすぐに、元の無感情でクールな表情に戻ってしまったが。
「……ジャック。久しぶり。腕は鈍ってるけど、元気そうでなによりね」
「……お前がそんな、爽やかなセリフを言うわけがない。マッシバーにそう言えと吹き込まれたのか」
「せっかく感動の再会なのに。残念ね」
 そう言って、次はナガレへ向き直る。
「……あなたがナガレ・ウエストね」
「そ、そうだけど」
 急に話を振られて驚きつつも答えるナガレ。……だがその直後、シエラの目がキッと吊り上がる。

「悪いんだけどさ。ここで冒険者やめてもらうから。……ラグナロクに入るか、ここで再起不能になるか。どっちか選びなさいな」
 その直後、シエラから凄まじいプレッシャーが吹き出した。何も攻撃していないのにも関わらず、ナガレはビクッとして後ずさる。
「弱い奴なら、私が睨んだだけで腰が抜けて立てなくなる。それを耐えるだなんて。ますます面白いね」
 棒読みでそう言うシエラ。もしくは、これが彼女の普通の話し方なのだろうか。
「……マッシバー、こいつを倒せばいいの」
「くっ……!」
「……ナガレ、油断するな」
 ジョーがすぐそばでナガレへ話しかけてくる。シエラはゆっくりマッシバーへ近寄り、何か話していた。
「……聞け、ナガレ。おそらくこのやりとりも、バンドは見ているはず。だからもし戦いになれば、ひたすら防御に回れ。他人任せなのは残念だが、すぐにバンドがやってきてあいつらを倒してしまうはずだ」
 ジョーには勝算があった。バンドはナガレの意思を尊重してくれるが、他者が妨害した場合は許さない。例外なく殺す……と本人が言っていた。それが本当なら、ナガレが連れて行かれそうになったらすぐさま出現し阻止してくれるだろう。
「……いくらシエラだろうとバンドには勝てまい。大丈夫だナガ……」
「なーにを話していやがる、ジャック!」
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