崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十三話 ジョーの傷跡

ジョーのマスク

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 ……なんてことがありつつも、しばらく湯船に入っていた。カポーン……なんて音が聞こえて来そうな、のんびりした雰囲気だ。
 どれだけ大人ぶっても、体と心はやっぱり子供。少年二人は並んで湯に浸かり、ぼうっと天井を見ていた。
「……ちょっと熱いね」
「ああ。ここは爺さん婆さんや大人向けの施設だかんな。ねーちゃん曰く女湯も結構熱いらしい」
 しばらく取り止めのない雑談で時間を潰す。
「……ターショ、最近なんの勉強してんだ? 俺らとも遊んでくれんのは嬉しいけど、ちょっと気になってさぁ」
 ちゃぷちゃぷ音を立てながら、ルックは「うーん……」と伸びをする。
 最近ターショはずっと勉強をしているらしく、若干付き合いが悪い。まぁそれは仕事をしているルックやディーネもなのだが。タネツにやらされてるかと思いきや、なんとそう言う訳ではないらしく、自発的にやっているようだ。
 ターショはちょっと恥ずかしげに俯いた。
「……冒険者の勉強」
「はぁ? 冒険者って……マジか?」
 そりゃ、冒険者になるには勉強が必要だ。武器や防具の使い方やアイテムの利用、その他冒険の心構えや注意点をしっかり学ぶ必要がある。ナガレもタネツもサニーもジョーも、ちゃんと教習所を出てライセンスを貰っていたのだ。
「お父さんとナガレお兄ちゃんみたいになりたいなって。それで……」
「ふうん。しっかし、タネツさんはともかく、なんでナガレなんかに……」
 ルックがそう言いかけた瞬間……。

 ガラガラガラッ! と扉が開いた。ルックとターショがそちらをみると……。

(あ、ジョーだ!)
(ほ、本当だ……!)
 湯気でよく見えないが、あの鋭い目、赤髪の短髪……ジョーに間違いない! 生身の体はかなりの細マッチョだが、旅の最中にできたものか、所々に傷跡もあった。それでも最近できたような傷は全く無さそうだ。
 ジョーは自分を見つめる二人に気づくと、自分から近づいていった。
「……ルックにターショ。二人も来ていたのか。アリッサに『たまには体をしっかり丁寧に洗ってきて! ちょっと汗臭いよ……』と言われてしまって……」
 そう語るジョー。

 ……その口元は、なんとマスクでしっかり隠されていた。風呂場でもつけるタイプだったらしい。

「「………………」」
 一気に微妙そうな顔になった二人。ジョーは不思議そうに首を傾げる。
「……どうかしたのか? そんな残念そうな顔をして」
「あ、あのさジョー。……マスク、風呂に入る時もつけてんの?」
 勇気を出してルックが聞いてみる。するとジョーは、首を横に振った。
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