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第三十三話 ジョーの傷跡
救えなかった…
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「どうして泣いているのか、私に話してみて。ほんの少しでも、気持ちが晴れるかもしれないよ」
きゅっと優しく手を握るレン。いつもののじゃ言葉が消えているのも、誰も気にしていない。
「……救えなかった」
「え?」「む?」「……!」
ポツリとナガレが呟いた。みんな一斉に顔を近づける。か細い声でなおも続けた。
「オレが……救えたのに。できなかった。オレはネフェリアスモンスターを、元に、も、戻せたのに……」
悔しげに言うナガレ。手で隠れて、その目は見えない。だが彼の頬を涙が伝っている。
「お、オレが……もっと強ければ……う、うまくできたら……救えた、の、に……」
「「…………」」
ランタンの穏やかな光。病室でナガレの啜り泣きだけが聞こえていた。
「救うってのはよく分かんねえけど……なんつーか、残念だったよな。ナガレ君が辛いってことは、すげぇ分かったよ」
「こりゃっアルクル! そんなテキトーな返事を……」
「ちくしょう……ちくしょゔ……ッ!」
啜り泣くナガレを、三人はただ見つめるしかなかった。……彼への慰めには、何よりもそばにいてやることが良いのだと信じて。
「…………ナガレ……」
そんな光景を、窓の外からジョーが見ていた。全てを知っている彼は、無言でその場を去った……。
「……浮かばれないな」
ナガレの無念は、ジョーには痛いほど理解できた。救えた存在を救えない……その辛さはどんな傷よりも痛々しい。
薄暗くなった紫っぽい夜空を見上げて、ジョーは考え込んだ。壁に背を預け腕を組む。
それに……こう言ってはなんだが、フローレンスたちの乱入によってチャンスは無くなった。
彼女らに全く悪意はなく、むしろコチラを助けるために命懸けで突入したのは分かっている。だがフローレンスたちが来なければ、ナガレは執念で立ち上がり、闘魂(中)スキルでパワーアップしてアズラの力を使ったかもしれない。
「……過去にイフ(IF)は無い。だが……割り切れないな」
そう考えていると、どこか喉の渇きを感じた。もとより想像以上の強敵に、たった二人で立ち向かったのだ。頭の回転も若干鈍い……そりゃ疲れるに決まっている。
「…………」
ジョーは無言でマスクを少し外した。紫っぽい、稲妻が走ったような大火傷の跡があらわになる。
ベルトに装着してあった、小さな水筒ボトルを取った。キャップを開けて一息に飲み干す。
「んくんくんくっ……」
とても冷たく美味しい水だった。渇きも治り「ふぅっ」と一息ついて口元を拭う。
きゅっと優しく手を握るレン。いつもののじゃ言葉が消えているのも、誰も気にしていない。
「……救えなかった」
「え?」「む?」「……!」
ポツリとナガレが呟いた。みんな一斉に顔を近づける。か細い声でなおも続けた。
「オレが……救えたのに。できなかった。オレはネフェリアスモンスターを、元に、も、戻せたのに……」
悔しげに言うナガレ。手で隠れて、その目は見えない。だが彼の頬を涙が伝っている。
「お、オレが……もっと強ければ……う、うまくできたら……救えた、の、に……」
「「…………」」
ランタンの穏やかな光。病室でナガレの啜り泣きだけが聞こえていた。
「救うってのはよく分かんねえけど……なんつーか、残念だったよな。ナガレ君が辛いってことは、すげぇ分かったよ」
「こりゃっアルクル! そんなテキトーな返事を……」
「ちくしょう……ちくしょゔ……ッ!」
啜り泣くナガレを、三人はただ見つめるしかなかった。……彼への慰めには、何よりもそばにいてやることが良いのだと信じて。
「…………ナガレ……」
そんな光景を、窓の外からジョーが見ていた。全てを知っている彼は、無言でその場を去った……。
「……浮かばれないな」
ナガレの無念は、ジョーには痛いほど理解できた。救えた存在を救えない……その辛さはどんな傷よりも痛々しい。
薄暗くなった紫っぽい夜空を見上げて、ジョーは考え込んだ。壁に背を預け腕を組む。
それに……こう言ってはなんだが、フローレンスたちの乱入によってチャンスは無くなった。
彼女らに全く悪意はなく、むしろコチラを助けるために命懸けで突入したのは分かっている。だがフローレンスたちが来なければ、ナガレは執念で立ち上がり、闘魂(中)スキルでパワーアップしてアズラの力を使ったかもしれない。
「……過去にイフ(IF)は無い。だが……割り切れないな」
そう考えていると、どこか喉の渇きを感じた。もとより想像以上の強敵に、たった二人で立ち向かったのだ。頭の回転も若干鈍い……そりゃ疲れるに決まっている。
「…………」
ジョーは無言でマスクを少し外した。紫っぽい、稲妻が走ったような大火傷の跡があらわになる。
ベルトに装着してあった、小さな水筒ボトルを取った。キャップを開けて一息に飲み干す。
「んくんくんくっ……」
とても冷たく美味しい水だった。渇きも治り「ふぅっ」と一息ついて口元を拭う。
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