崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十三・五話 VSラグナロク・無百

奥義・玉兎脚

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「くっ!」
 しかしスピードの乗った体は止まらない。飛ぶような速さで進み、渾身の力を使ってマチェットを振りかぶる……!
「これで終わりだ…………」

 その瞬間、ナガレが動いた。それもとんでもないスピードで。
 まるで前々から構えていたような、爆発的な初速。他の者には、ナガレの動きすら確認できないだろう。しかしモモを除けば唯一見ることができたジョーは、我が目を疑った。
 モモが接近した瞬間、ナガレは上げていた片足を落とした。それを思い切り踏ん張って、一気に前方へジャンプしたのだ。
 それは高速で迫るモモをスローモーションとしても、ナガレのみが平常通りのスピードでいるかのような……そのくらいに速かった。
 電光石火の速さ。モモはそれに対応できないまま……。

「…………ッ!」
 タンッ……バキィッ!
「がはぁっ……⁉︎」
 
 ナガレの渾身の飛び膝蹴りを、モロに腹部へくらってしまった。
「ぐぇ…………⁉︎」
 しかもその膝は正確に、モモの鳩尾を捉えていた。あまりのダメージに体が反応せず、痛みもほとんど感じない。ただ体が動かない。
 モモは目を見開いたまま吹っ飛んだ。唾液や胃液を吐き出しながら宙を舞い、ドサッと地面に倒れてしまう。
(な……う、動かない! 体が……言うことを聞かない……!)
 何やらとても気持ちが悪い。倒れたまま起き上がれず、イモムシのように地面でうごめくのみ。
「……どうだ、見たか! これが石猿流棒術……その名も玉兎脚だ」
 ゆっくりとナガレが近づいてくる。息は荒く弾んでいるし、今までの戦闘でダメージも負っているはず。それでもゆっくり大地を踏みしめ、悠々と近づいてきた。
「……勝負あったな」
 ジョーもダガーに手をかけ、ナガレの元へ歩いていく。彼にはモモが戦闘不能だと言うことも分かっていた。
「あえて敵から距離を取って、近づいたところに乾坤一擲けんこんいってきの蹴りをぶつける。カウンター技だよ」
「が、はぁっ……!」
 体に力が入らない。強烈な一撃に、筋肉の一部が麻痺してしまった可能性もある。ゆっくりと近づいてくるナガレは、まるで死神のようにも感じた。

「……ぐふぅっ……」
 ……モモは観念した。立ち上がるのを辞めて、地面に大の字に寝転がる。顔だけ横に向けて、迫ってくるナガレの姿を目に焼き付けた。
「はぁーっ、はぁーっ……さ、さすがだよ、ナガレ・ウエスト……。石猿流ってのは、す、すごいねぇ、あはは……はっ……」
「…………」
 ナガレは何も言わない。そのまま近づいてくる。
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