崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十六話 雪原の大都市!

雪原を進む馬車

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 ケポンモの町を出て、一日が過ぎた。
 シンシンと雪が降りしきる、薄暗い空。三台の馬車が雪原の道を進んでいる。

「不気味な天気じゃな。だが……どこか懐かしく安心する感じもするのう。はむはむ……」
「……そうですかね。ナガレはどう思うんだ」
「オレは安心するかなぁ。ディーケーじゃ三日に一回はこんな天気だったし」
 明るいランプがついた馬車の中で、レンとジョーとナガレが話していた。レンは何やら袋に入った丸っこいお菓子を取り出しては、口に入れて噛んでいる。
 彼らはマリーオウへの旅の真っ只中。積雪が大なり小なりあるコナキ地方の馬車はあまり速くない。なのでこれまで三つの町で休憩・宿泊してきた。
「……マスター、何を食べてるんですか。まさか、噛みタバコ……?」
「ん? これか。馬鹿者、これはグミというお菓子じゃ。先ほどの町で見かけてのう。ふふふ、ナガレ君に奢ってもらったのじゃ」
「これでこの前の借り(ピンチの時、炎の魔法石を渡してくれたやつ)は返しましたからね!」
「………………そ、そうですか」
 しんねりした視線をレンに向けるジョー。サキミというライバルやバッファローの住民というおじゃま虫がいないため、これ幸いとナガレに擦り寄っているようだ。
「ジョー君も食うか? 一粒やるぞ」
「……はぁ。それではありがたく頂戴します」
 指先くらいの赤黒い、プニプニした球を手に乗せてくれる。それをシュバッ! と一瞬でマスクを外し、口の中に入れ咀嚼する。
 ……ゴムのような弾力のある食感に顔を歪めるが、意外なほど簡単に噛みきれ、加えて甘い味を感じた。ラズベリー味でとても美味しい!
「……ほう、これはなかなか……」
「うめぇだろっジョー。グミはコナキ地方のとあるお菓子職人が作ったのが発祥なんだ。ゼラチンとラズベリーの果実、砂糖と水飴を使って作られてるんだぜ」
「ふむ……」
 マリーオウについてアリッサとルックへ手紙を書く時、三つか四つ付けてやろう。そんなことを考えているジョー。
 すると、彼の背後の壁がコツコツと遠慮がちにノックされた。御者の人の、温かいマフラーを巻いたぐぐもった声がする。
「お客さん、もうすぐマリーオウだ。あと三十分くらいでつく」
「お、ようやくついたか、マリーオウ!」
「慌てるなナガレ君。もう少しでつく、というだけじゃから」
「なぁんだ。…………ZZZ……」
「だからって寝るのか……」
 つまらなさそうに椅子にもたれて、そのまま寝息を立て始めた。自由な奴である。
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