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第3章 少年期 学園編
128話 手口を考察
しおりを挟むどうも僕です。釈然としない今日この頃です・・・
前回・・・
(また、“お兄さん“に?付けられたけど、まぁ、良いか・・・、さてと、これで気になった事は大体分かったけど、孤児誘拐事件があるかもしれない事も分かっちゃったな・・・さっきまで隠れたままこちらを見ていた怪しい連中が、気配を押し殺してこの場から移動し出したな・・・これは“確定“か・・・リタちゃんみたいな純粋で素直な子供を食い物にしている大人達がいるとは・・・許せないね・・・潰すか・・・)
リタちゃんには悟らせないように答えた笑顔の裏では、その犯罪者達に対して怒りの感情を秘め、そいつらをどうしてくれようかと画策する僕だった・・・
と、やる気を出して、犯罪者達をどう懲らしめてやろうかと考えていた僕。でもジル叔父様と父様の采配で、いつの間にか犯罪者達の捕縛網が出来上がっていた。
(むぅ、やる事がなくなった!o(`ω´ )oちぇっ、僕がリタちゃんと話してる時に変な動きしていた男達も、ジル叔父様の影騎士をつけて泳がせることになっちゃって、僕が“見る“暇もなかったよ!)
心の中でプンスカ怒っている理由はリタちゃんには護衛がつき安全が確保され、例の孤児院のお手伝いのメアリーさんとやらは捕縛対処になり、教会の神官んは調査対象になった。メアリーおばさんは捕縛後その犯罪者達との関連性を吐くまで尋問されるとのこと、それと、リタちゃんの暮らしている孤児院の管理者の神官には、ジル叔父様の秘書さんが探りを入れる意味も含め、直接お話ししに行くようになったらしい・・・
後はリタちゃんがいたダンジョン入り口前で、不審な動きをしていた男達はどうやら組織的な行動をしているようだからと、ジル叔父様の影が追尾してアジトを特定する手筈になっていた。
「むぅ、僕の出番がなくなった・・・」
父様「ほら、アトリー、そう拗ねないで、もうすぐ冒険者ギルドに着くよ」
「はーい」
と、言うことで、今は馬車に乗って領都内に入ったところです。今日の探索で採取した依頼の品を納品しに冒険者ギルドまで移動中なのです。ダンジョン入り口でリタちゃんの話を聞き終わった僕は、父様にまず彼女を保護できないかと提案しようとした所。父様とジル叔父様がすでにそちらの手配は済ませたと言った事で、出鼻をくじかれた僕はめげずに、さっき遠目から僕達の様子を見ていた奴等を追跡させて欲しいと提案した。だがそれも、今日ジル叔父様についていた影騎士がすでに追跡していると言われた。そして、最終的にはジル叔父様に「これは私の領地で起こっている犯罪だ。だから心配せずに任せてくれ、明日もダンジョンに潜るんだろう?早く帰って休まないとな」っと、やんわりお断りされてしまった・・・
夜月『アトリー、どうした?珍しいな、アトリーがそこまで拗ねるのは・・・』
(いや、確かに子供の僕がお手伝いするって言っても、子供1人増えたって役には立たないだろうし、邪魔になるって思われるのは仕方ないけど、なんか、あの時は放っておいたらダメだって思っちゃって、つい出しゃばったちゃったんだよな・・・、それを邪険にされて拗ねるなんて・・・、ちょっといつもの僕らしく無かったよ・・・、まぁ、ジル叔父様の言うことは間違ってないし、大人に任せた方が良いのも確かだもんね・・・・・、よし!もうみっともなく拗ねるのはおしまい!この事は大人達に任せて僕は明日のダンジョン探索のことを考えよう!ᕦ(ò_óˇ)ᕤフンスッ)
そうして、気持ちを入れ替えて、明日の事を考えることにした。
ソル「アトリー様、ギルドに着きましたよ」
「うん、分かった」
ギルドについて手早く依頼の品を納品し、ジル叔父様のお屋敷に帰ろうとした。その時・・・
受付嬢「はい、これで依頼は完了しました。皆様お疲れ様でした」
子供勢「「「「「お疲れ様でした!」」」」」
サブマス「あ!帰ってきてたのか!ジル!それに坊主達も!良かったちょうど良い!こっち来てくれ!」
と、ドラーゴサブマスに引き留められ、何故か応接室に連れてこられてしまった僕達。
ジル叔父様「何の用だよサブマス?俺達、依頼を済ませたから帰るところだったんだ、面倒事は嫌だぞ?」
凄く嫌そうな顔を隠そうともせずサブマスにそう言ったジル叔父様。そんな事は気にしてなさそうなサブマスは、ジル叔父様の愚痴を無視して話を進め出した。
サブマス「さっき入ってきた情報でお前達に確認したい事ができたんだ。・・・“子供の失踪事件“についての事なんだが・・・」
「「「「「⁉︎」」」」」
ついさっきジル叔父様の手で犯罪組織のアジト捜査の手配が済んだばかりの話題を、どうしてサブマスがすでに知っているのかと全員が驚いていた。ジル叔父様と叔父様に陰ながらついてきていた“影騎士“がにわかに殺気だった。
サブマス「おっと、そう殺気立つな。お前達がダンジョン入り口で話し込んでいたのを見ていたギルド職員が、ここ最近の“子供の失踪事件“と何か関係してんじゃねぇかって、報告を上げてきたんだよ」
だから、監視を置いていたとかではないと、サブマスは説明してくれた。それを聞いたジル叔父様達は殺気を収めたのだった。
(まぁ、そんな監視の気配はしなかったから、本当のことなんだろうな。サブマスが嘘をついても意味はないし・・・)
と、僕は冷静にサブマスを見ていた。するとサブマスが僕達に視線をむけ真剣な目で質問してきた。
サブマス「坊主達、いや、正確には公爵家の坊ちゃんか?何故“あの子供“に話しかけた?」
(“あの子供“って、リタちゃんのことだよね?・・・)
「うーん、何故と言われると最初は明確に理由があったわけではないんですけど。あの女の子、リタちゃんと言うんですが、あの子に何となく違和感があって・・・」
サブマス「違和感?」
「はい、あの年齢の子供が大人の付き添いもなくあそこにいた事。よく見れば服装がチグハグな事。そして、欲していた依頼の品が“シルクスパイダーの巻き糸が1つ“だけ・・・、少し考えれば誰でも最初にあげた点だけでも十分おかしい事に気づきます」
サブマス「・・・確かにな、子供が1人でゲート前にいればおかしいと気づく者はいるが、それが“子供の失踪事件“に結びついたんだ?」
「そうですね・・・、まず、1番の違和感は“大きさの合わないくたびれた服装をした子供が、使用用途がわからない素材を安値で欲しがった事“ですかね?最初はあの女の子が、何かを自作するために買い求めていたのかと思ってたのですが。
よくよく考えてみると、あの女の子にしてみれば、お高めの素材と言える“シルクスパイダーの巻き糸“をたった1つだけ欲しがるのはおかしいんですよ。色々と予想を立ててみても用途がわからなかった、だからそこに興味を持ったので僕はあの子に話しかけました。
使用目的を直接聞いていく内に、あまりにも不審な点が多く出てきたので、これが“子供のお使い“を装った、子供の引き渡し方法ではないかと思ったんです。
多分“シルクスパイダーの巻き糸“の依頼内容が引き渡し相手への目印になっていたと思われます」
サブマス「子供自らお使いの為に城壁外へ出て、人の多いダンジョン前で依頼を出す。そこで取引相手はあらかじめ決まっていた依頼内容を目印に攫う子供を見つけることができる・・・
冒険者から見れば“シルクスパイダーの巻き糸“を安値で取引するなんて旨味のない依頼だ、そんな依頼に彼らは見向きもしないだろう。そこを分かった上で子供をお使いに出し、誰も気にとめられなっかった事でお使いに失敗して、気落ちした子供を帰り際の道中で攫う。もしくは親切な冒険者が取引を申し出たように装ってそのまま連れて行くか・・・
よく出来た引き渡し方法だ・・・、子供自らが城壁外に出て仕舞えば犯罪組織の思う壺・・・、お手伝いを申し出るぐらいまで子供を懐かせる手管も大したものだ・・・・・
あっ!だがこれで冒険者内で気にかけていた路上生活している子供が、最近になって何人か行方不明になっていた真相が分かったぞ!子供にお使いを頼み、お菓子をやって懐かせていた“あの野郎“が原因だったのかっ!」
1つ1つサブマスの質問に答え、何気ない日常の中に犯罪が潜んでいたと確証した根拠を提示した僕。サブマスは少し考えたその時、いきなり他の場所でも似た行為をしている人物をあげた。
「「「「「えっ⁉︎」」」」」
ジル叔父様「サブマス!今言ったのは確かか⁉︎最近、子供の失踪が増えていたのは知っていた。だが路上生活をしている子供達の行方不明は正確な数が把握できていなかった。
今回の件で孤児院で暮らしていた子供が標的となって手口が明るみに出たが、それが路上生活している子供達にも行われていた。そうなると行方不明者の人数は相当な数になるな、はっ!サブマス!その子供を手懐けていた“男“はどこのどいつだ⁉︎」
バンッ!
サブマス「うおっ、な、なんだ!急にどうした?お前達がもう捕まえてるんじゃないのか⁉︎」
どうやら最近、路上生活している子供の失踪にも疑問を持っていたジル叔父様は、やっとその元凶にたどり着いたようだった、焦った様子でソファから立ち上がり、テーブルに思いっきり手を置いてサブマスに詰め寄るように、その元凶の居場所を聞いた。
ジル叔父様「今回、子供をダンジョンにお使いに出したのは孤児院で料理を作っていた“女“だ!この女以外に子供にお使いを頼んでいるのが、他にもいるってことは、この街だけで2人だけだとも限らない!女の方が捕まったと知ったらその男は他の仲間と雲隠れする!それを追尾して他の仲間も纏めて捕縛するチャンスだ!」
サブマス「!、そうか、確かに1人でするには手が混んでいるな、よし!じゃあそいつは・・・・」
今までの子供失踪の疑問と今回のリタちゃんの誘拐の手口が発覚したことで、点と点が線で繋がった事により、ジル叔父様とサブマスは早速その子供誘拐組織の摘発の段取りを詰め出した。
2人は僕達を置いてきぼりにして話をどんどん進めていき、手持ちぶたさになった僕はふと横にいる父様を見ると、父様は眉間に皺を寄せながら2人をみた後に、僕達の方を見て安心させようと優しく微笑み、僕達が先に帰ることを2人に告げてギルドを出ることにした。
「父様、良かったんですか?」
父様「ん?何がだい?」
「サブマスとジル叔父様のお手伝いをしなくて良かったんですか?」
(いつもなら、お手伝いするから先に帰りなさいって言われると思ったんだが・・・)
珍しいなと思っていると。
父様「うーん、ここは同じ公爵家の領地だからね。協力の要請がない限り無闇に手を貸すことは出来ないんだよ。それに子供の誘拐が多発している街でアトリー達だけを先に返す訳にもいかないだろう?」
「あ、そうですね、イネオス達もいますし・・・」
(そうだった、今までは公爵家より爵位が低い貴族家の領地での出来事だったから、多少干渉しても許される所もあったし、何より相手からの要請もあったからな。ジル叔父様の領地では、そう好き勝手出来ないか・・・(。-∀-)・・・納得)
そう心の中で勝手に納得している僕は、今までの子供失踪事件でのやり取り中に、いつもならタイミングを見て話しかけてくる天華達がやたら静かな事に気づかなかった。
その後は皆んなと明日のダンジョン攻略を話題にお喋りしていると、ジル叔父様のお屋敷、城塞に到着。すると城門の前でデューキス家とドゥーカ家の騎士達が綺麗に整列して警備していた。
(?、なんか物々しいな?どうしたんだろう?何かあった?)
天華『多分、子供誘拐の事件での警戒態勢でしょう、それに獣人王子達との件もありますし』
(あぁ、それでね、まぁ、子供失踪の件は気をつけないとね、今お屋敷は子供のお客さんでいっぱいだもんね、まぁ、わざわざ貴族の子供を攫うとは思えないけどね。後、獣人王子の方は報復されるかもって感じゃなかったけど念のためにかな?)
と呑気に考えていると、玄関前で馬車が止まりその周りを騎士達が並んで出迎えた。
セバス「皆様、お帰りなさいませ。本日の件はすでにヴィカウタ家、ダンロン家、バロネッカ家のご家族様達はお聞きになられています、ですが詳しいお話もお聞きしたいと皆様は談話室でお待ちでございます」
父様「出迎えご苦労セバス、用件は分かった。着替えが済み次第向かうと言ってくれ、あと、うちの家族と仁君達はどこにいるかな?」
セバス「デューキス家のお子様方は応接室で、勇者候補様方のパーティー用正装の制作のお手伝いをなさっておいでです、奥様はソンブラ子爵夫人とお部屋の方で公爵様方をお待ちになっています」
父様「・・・そうか、では子供達は部屋に戻って着替えを済ませたら、それぞれの家族のもとに顔を出しに行きなさい。今回の件で皆心配していると思うからね」
「「「「「はい」」」」」
父様「アトリーとソルも着替えが終わったら、すぐに私の部屋に来るんだよ。ではここで一旦解散だ。後でまた揃って話を聞く事になると思うが、今は冒険の汚れを落として、家族と過ごしなさい」
出迎えに出てきていた、ジル叔父様の執事のセバスさんと話終わった父様はそう言って、僕達を部屋に戻らせた。皆んな同じフロアにある部屋なので、一緒に移動していると必然的に今日の事件の話になった。
ベイサン「ねぇ、父上達が心配してるって、言ってたけど、どの事で心配してるのかな?ダンジョンに入ったことは心配はしてないだろうし。心配させる事ってさっきの子供失踪事件の事は、もう捕まえる段取りができてるから、違うとは思うけど。後は冒険者同士のいざこざの事件か、獣人の王子様と聖獣様の喧嘩の件?どっちだろう?」
ヘティ「多分、獣人の王子様との件だと思うわ。私達が不敬罪になるような事をしてないか心配してるんじゃないかしら?」
イネオス「そうだろうね、冒険者同士のいざこざの件は正直そんなに関わってないし、獣人の王子様の件は目の前で起こった事だから、僕達は手は出してないけど、向こうから突っかかって来られたりしたら、どうなるかは分からなかったもんね」
ソル「まぁ、でも手を出す云々になる前に、獣人の皆さんはジュール様達以外は眼中になかったみたいですから。こちら側の人間ではアトリー様以外は絡まれることもなかったですし・・・」
「だよねぇ~、僕はあの人達の相手は心底疲れたよ・・・」
そう言って、皆んなは獣人族の件で心配をかけたと思って、会話しながらフロアにたどり着き。各々自分の部屋に入り、冒険で動いた時の汗をシャワーで軽く流すと、きっちり貴族の普段着を着せられた。その後はイネオス達はご家族の集まっている談話室に急いで向かい、僕とソルは父様達のいる部屋に向かった。
コンコンッ
父様達の部屋に着くと、オーリーが入室許可をもらって扉を開けてくれた。中に入ると母様にソルの母親のセラスさん達が、とても心配した顔で僕とソルを待っていて、近寄った僕達を強く抱きしめた。怪我の有無や体調の異変など色々と心配して聞いてきて、それに一個ずつ答え終わるとやっと解放してくれた。
(今回はそんな命の危機的な目にあったわけでは無いのに、やたら心配してくるな・・・、なんか他に僕の気づかない所であったのかな?・・・ねぇ、天華?)
天華『・・・あ、そうですね、・・・アトリーに関しては、“神託スキル“で私達と同調していたのが心配の理由かもしれませんね?』
(あぁ、確かにあったね、あの時は少しふらついたし、やっぱ少しは疲れはあるね、それが顔に出ちゃったかな?)
天華『そうだと思いますよ、今日は早くお休みになってくださいね』
(・・・うん、分かった( ´∀`))
天華が何かに気を取られて返事が遅れたことに気がついた。それに僕の質問に関して妥当な返事をくれたけど、どこか誤魔化された感覚があった。でもそこで、天華が母様が心配していた本当の理由を答えなかったからといって、僕は追及したりはしなかった。
(気にはなるけど天華が話さないと決めたんなら、僕が知らない方がいいと言うことだろうし。もし僕がそれを聞いたとしても、その事に関わらせる気がないだろうから、僕がその事を常に気にかけるのを避けたいんだと思う。皆んなのことは信頼しているから、いつかその時、何があったか本当のことを話してくれるまで待てばいいだけさ)
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