婚約破棄をしたいそうですが、却下します

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「お久しぶりですね。今、どのようなお気持ちですか？」

「なんなんですか貴方は!?全部お見通し見ないな顔でっ」

「当たり前です。学園に入る前から私と婚約破棄したかった事も男爵令嬢の好きな人の中の一人だった事も」

「何故、こんな奴を追いかけ回すのですか。僕より素晴らしい方は沢山います。もう解放してくれ！！」

「解放？酷いですねぇ。私は何度も言っての通り貴方が好きなだけですよ？」

「......もう婚約者同士でも無いんだから.....放っておいて下さい」

「知ってますか?昔の実話の恋のお話です。女は才女でもあり、剣も弓も乗馬もこなせれる方で、男は特技と言える事は何もない人でした。幼い頃から女と男は婚約者同士でした。女は男の事が好きでしたが男は女を全く好きではありませんでした。理由は男は女に劣等感を持っていたからです。2人は成長しても仲良くはならず、その内に男は浮気をしてしまいました。女はそれでも男を慕い続けましたが、女の父親が男を許しませんでした。そして、2人の婚約を婚約破棄をする事になりました。」

「これで終わりですか？」

「いえ、女の父親が亡くなってまた話が続きます。

婚約破棄から半年もしない内に女の父親が亡くなりました。一方、男は女との婚約を破棄されて家から勘当されてました。そして女は男に求婚し、男は婚約を受け入れました。そして2人は幸せに暮らしました。おしまい。

この話は一部のコアな方々に人気な昔の恋愛話です。私達に似ていますでしょう?」

「だ......だから何なのですか！？」

「貴方は何故、女の求婚を受け入れたと思いますか？」

「何故って......勘当されて生活にでも困っていたのでは？」

「その通りです。では.......「2人は幸せに暮らしました」とありますが、男は女を愛したと思いますか？」

「愛す訳ないでしょう」

「そうです。この話は女が幸せになっただけの話。ですが、この話には続きがあります。女の名前はーー。男の名前はーー。浮気相手の名前はーー。私達と同じ名前ですね。2人で幸せになるまで続くのかも......」

「つ....作り話でしょう！？」

「王宮図書館にありますが」

「し.....信じませんから」

「信じなくてもいいですが、半年後......楽しみにしていてくださいね。そろそろ、私の父が私達の婚約を破棄した頃でしょう。

勘当させてものたれ死なないでくださいね」

あらあら。逃げて行っちゃいましたね。まぁ、私は幸せですので良いですけれど

半年間で父に毒を盛りますから..... 半年だけ待っていて下さいね。婚約者殿