妾に恋をした

はなまる

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39揉め事(メリンダ)

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  パミラにパパに話があると伝えてもらった。

 書斎に来るように言われて私とデュークとパミラは書斎に入った。

 「どうした?私は仕事があるんだ。話なら手短にしてくれ」

 いつもの素っ気ない言葉。

 「旦那様申し訳ありません。すべては私のせいなんです。どうか話を聞いてください」

 そう切り出したのはデュークだった。

 「なんだデューク。まあ、座りなさい。メリンダも」

 パパは私の話ではないと思ったのかそう言った。

 私とデュークは父の向かいに座った。パミラは私の後ろに控えている。

 そこにママが入って来た。

 「なぁにミランダ。パパとおお茶でもするの?ママも仲間に入れてちょうだい。ちょうど良かったわ。お茶を頼んでおいたの」


 しばらくして侍女がお茶の用意をして立ち去る。

 ママは嬉しそうにカップを口に運ぶ。パパは怪訝そうな顔でデュークを伺っている。

 デュークと私は緊張でカップには手を伸ばせていない。

 (ママ少しは場の雰囲気読めないの?)私はピリピリしている空気にさらに緊張する。

 ママはみんなに言った。

 「ほらみんなお茶が冷めるわよ」

 「ええ、そうね。ほらデューク」

 「ああ、でも話が先だ」とデュークが身を乗り出した。


 「聞いてください。旦那様、奥様。最初に言っておきます。私はメリンダ様を愛しています。私達は過ちを犯しました。メリンダ様のお腹の子は私の子です」

 爆弾発言すぎる。

 パパが目を見開く。ママも危うくカップを取り落しそうになり慌ててカップを置いた。

 「デューク!今何といった?メリンダとお前はいつからだ!お前という奴は、出て行け!お前は今日限り首だ!」

 パパはデュークを指さして怒鳴りつける。


 デュークは頭を深く下げたが出て行く気配はない。

 むしろさっきより身を乗り出すようにして話を続ける。

 「はい、そう言われることはもっともな事だと承知しております。ですが、話しが終わるまでは出て行けません。私とメリンダ様を結婚させて下さい。お願いします」

 私はたまらずその後に続いた。

 「パパお願い。私はデュークを愛してるの。ネイトを騙して彼の子供だって偽ってしまった。このままではガストン侯爵家を騙すことになるわ。お腹の子はネイトの子供じゃないから、だからネイトとは離縁する。彼には本当の事を話すわ。だって彼にはミーシャとの間に子供も出来たし私が離縁すればネイトだって都合がいいの。離縁にはすぐに応じてくれるはずよ。だから」

 「お前は何を言ってるんだ。そんな都合のいい話が通用するとでも?大体どうしてネイトの子じゃないって断言できる?」

 「だって彼とはそんな関係じゃなかったの。私はデュークを愛してるから」

 パパの顔は真っ赤になって立ちあがた。

 「どういうつもりだ?お前はどうやってネイトを騙していた?」

 握りしめた拳がプルプル震えている。

 「デュークとは一度だけよ「違うんです旦那様。メリンダ様に私が余計なことを吹き込んだのです。ネイト様が疑わないようにしたんです」パミラいいの、私の責任なんだからパミラは関係ないわ!」

 パパは私とパミラを見据えて大きく息を吐いた。

 「いいか、ガストン侯爵家は仕事でも大切な相手なんだ。お前の勝手で我が家に損失を出すわけにはいかない。メリンダよく聞け。お前はローリッシュ家の一つの駒に過ぎない。お前の気持ちや子供が誰の子かなんて関係ないんだ。私達は貴族だ。自分の感情でみんなに迷惑をかける事は許さない。いいか、わかったら部屋に引っ込んでろ!パミラ。メリンダを連れて行け!」

 「いや。パパが許さなくたって関係ないわ。私はネイトと離縁する。彼に本当の事を話すから」


 パパが立ち上がってデュークの胸ぐらを掴んだ。

 「お前さえいなくなればメリンダは何も出来ん。余計な事をしてくれた。さあ、出て行け」

 デュークを力ずくで立たせるとパパは使用人を呼びつける。

 「おい、誰か。こいつを摘まみだせ。二度と我が家の敷地に近づけ去るんじゃない!」


 ママが立ち上がってパパを押し止める。

 「まあまあ、あなた少し落ち着いてください。デュークも座って…私、今日こそはあなたに話があるの。そこに座って下さる?」

 ママの声は凛としてその姿はとても落ち着いていた。



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