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しおりを挟むうん?お願い後もう少し…
ぬくぬくとしたベッドの中で瑠衣はいつもの朝を想像していた。
後、ほんの少しだけ寝かせて……
「瑠衣…」
優しい声がすると、耳朶に温かい感触が伝わる。
「うん?やだ…くすぐったい…」
もう修仁ったら朝からやめてよ!
でも今日の彼はいつもと違う。なんだか肌を滑る指がとっても気持ちいい。なんだろう?この感触?彼は今までこんな事したこともなかったはず?
修仁ならいきなりわたしに襲い掛かりパンティーを脱がせにかかって来るはず…優しい愛撫の一つでもしたためしがない。カツカツすぐにわたしの中に穿ってきて、自分が満足すれば、はい終わり!なのに…?
温かい肌の感触が伝わってきて、喉元に彼の息遣いを感じる。
「あっ、そんなとこ…うっ、んん…」
胸の先を指でつまんで転がされる。
唇にはついばむような優しいキスをされて、わたしはうっとりしてその首に腕を回した。
もう一体どうしたの修仁?
そして瑠衣はベッドの横たわったままうっすら目を開いた。
「うん?……あなた誰?」一瞬時間が止まる。
そして改めてじっくりその人を見た。誰?この人?
「ギャー!知らない人がいる…どろぼう!誰か…」
もう、修仁(しゅうじん)ったらこんな時にどこにいるのよ。役立たず!
「そんなに怒鳴らなくてもいいだろう?いきなり現れたのは君の方で…」
「えっ?どういう事?」
男が申し訳なさそうに言う。
「君、瑠衣だろう?」
「はいそうですけど、あなたは?」
なに、この人どうしてわたしの名前を知ってるの?
目の前に横たわる男は修仁だとばかり思っていたのに、実際には見たこともない男がいた。
瑠衣はもちろん顎が外れるほど驚いた。
おまけに悪いけど修仁なんて比べ物にならないほどイケメンで…
嘘みたい…
プラチナの髪が銀色のベールのように彼の顔半分にかかっていて、片方の目はルビーの様な美しい赤色で、顔半分でもそれは見事に彫の深い顔だと分かった。
そして鍛えられた怒涛の筋肉のオンパレード。
見事な胸筋に割れたシックスパットの腹筋、太ももの引き締まった筋肉の隆起がそりゃあ見事だ。
と言うのもその男は下着しか付けていなかったから…というかもっこりボクサーパンツの下着を着用されていて…
その…押し付けられたなにはかなり大きいような…
ああ…そうか!
これは夢だ。きっと夢に違いない。最近いいことがなかったわたしへの神様からのご褒美。きっとそうに違いない。
それにしてもなんてして素敵なの…
わたしはその引き締まった筋肉に手を伸ばす。見た目は硬そうな胸の筋肉は触ると、しっとりと滑らかでもっちりしている。
すごい…
わたしは思わず吐息を履いてうっとりとその筋肉を撫ぜてさすりながらめでる。
相手の男がいきなりうめき声を上げて深く息を吐いた。
「ぐっ!…はぁ……」
男の手が優しくわたしの手をつかんで後ろにまわす。
「何するのよ!」
「それはこっちの言いたいことだ。いきなり消えたと思ったら、また急に表れて、瑠衣どうやって俺のベッドに入った?」
俺のベッドって?これって夢なんでしょう?そんな設定必要ないはず…
瑠衣はうつろな寝ぼけまなこから、一変して目を見開いた。脳のあちこちの歯車が火を噴いたように一気に活動を始める。
「待って…?あの…?あなた誰?」
瑠衣の脳みそは事の状況が全くつかめていない。
”夢でないなら、ここはどこ?あなたは誰?えっ?その頭の上にある三角な銀色の毛のようなものは?なに?”
「あの…ここはどこなの?」
”それにその耳のような物体はなに?”と聞きたくなるのをぐっとこらえる。
「それに…どうしてわたしを知ってるの?」
そうよ、この人わたしの名前を呼んだ。
「いえ、その前にあなた誰なの?おまけにおかしなものを頭につけて!」やっぱり聞かずにはいられない。
「俺か?俺はレオナルド・スペンサーだ。前に会った時は洞窟の中で狼だった。覚えてないのか瑠衣?それにおかしくはない。これは俺の耳で……」
レオナルドはすっかりしょげてしまっている。
「覚えてないかですって、あなたこそ何を言ってるの?狼だったですって?失礼な人ね。人をからかうなんて…どうなってるか聞きたいのはこっちなんだから…もう、ちゃんとわかるように説明してよ!」
”これはやっぱり夢よ。これから仮装パーティーでもするつもり?”
わたしはちょっとした…いや完全にパニッくっている。
瑠衣は起き上がると悲鳴を上げた。
「きゃー!うそよ…わたし…どうして…」
瑠衣は驚いて慌てて上掛を引っ張ると胸の周りに巻き付けた。
わたしは裸だった。下着も何もつけていない正真正銘の素っ裸で彼の横に寝ていたのだ。
瑠衣はレオナルドを見た。彼は彫刻のような完璧な顔の目尻を垂らしてうっとりとしてこちらを見ている。
思わず瑠衣はレオナルドの頬をバシーンと殴った。
「見ないでよ!あっち向いてよ!」
「ああ、そうだな。何か着るものを取ってこよう」
レオナルドは気まずそうに頬をさすりながら反対側からベッドを下りて部屋を出て行った。
瑠衣はクスッと笑った。あんなたくましい男が頬をさすってる。
だが笑っていたのも束の間だった。
うそ!
瑠衣は今度こそ顎が外れそうになった。レオナルドの後ろには尻尾があった。彼が歩くたびに銀色のふさふさしたしっぽはわっさわっさと揺れた。
瑠衣はベッドの端まで体をずらして、その光景をポカンと見ていた。
これは夢なんだから。わたしってよほど人間が嫌になったみたい。狼人間を作ってしまうなんて…
彼が出て行くと今度はまわりをゆっくりと見まわした。
どうも空想の部屋にいるらしい。それもベッドは見たこともない四柱式ベッドで、ベルベットのような豪華な天蓋まである。壁は見事なレリーフ模様で天井は折り上げ天井、そこにも見事な彫刻が施されている。そして美しいシャンデリアが…まるで中世のヨーロッパの建物の中にいるみたいな…
うん?
豪華な格子窓から見える景色には、緑の木々が茂っている。鳥のさえずりさえ聞こえてきそうなほどのどかで…
まるで知らないところみたい。
どうして?わたし一体どうしたのかしら?そう言えばつい最近ヨーロッパ旅行のパンフレットを見たじゃない。きっとその時見たものを空想したんだわ。
瑠衣はベッドにふにゃふにゃと崩れ落ちた。
でも夢ならもっと楽しいことをしてもいいんじゃない?
不意に瑠衣は彼とのベッドシーンを想像していた。
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