163 / 336
中隊はジャングルに
中隊本部建屋の建設
しおりを挟む翌朝、それも割と早くにマーガレット副官は外交官のアンリさんを伴って師団本部のある基地に帰っていった。
うちからは帰り道に迷わないようにバイク2台とアンリさんの世話などにジーナをつけて送り出した。
本当は前からの友人であるアプリコットをつけたかったのだが、ジーナとアプリコットの二人からそれはダメとのご意見を頂いた。
本来ならばジーナすらここに残りたそうにしていたのだが、うちの中隊付きの外交官を一般のバイク兵士二人だけで動かすのはどうかというのもあり、士官一人を出すことにした。
となるとどうしても今ここから出せる士官は前述の二人しかおらず、消去法でジーナとなった。
俺としては別にここでの生活は平和そのもので居住環境の整備が主な仕事となっている状況では二人共付けても問題ないと思っていたのだが、肝心の二人はそれぞれ違う理由でNGを出してきた。
アプリコットは、『自身は中尉のおよそ軍人としての素養の無さを補うために配属当初から帝都の軍首脳部より言いつかっており、離れるわけには行きません』と言ってここを離れるつもりはなく、ジーナに至っては『私一人では隊長の暴走を止められません。無理です、無理無理』と言ってきた。では「二人で行ってくればいいんじゃないの。」と俺が言おうものなら、ふたりして声を揃えて『それはダメ~~~。レイラ大佐に隊長(中尉)から目を離すなと厳命されているから』と言ってきた。
俺の扱いって一体どうなっているんだ……帝都では望まぬ陞爵されるそばから仕事場である師団本部からは要注意人物扱いって、これ酷くね。
それよりも食事の後は仕事だ。
今日からはサリーやアンリさんのための指揮所作りだ。
今回は指揮所に併設して食堂も作るから、建家も大きくならざるを得ない。
なにせ全員が集まると簡単に200名を超える大所帯だ。
全員で一度に食事が取れるように大きめの食堂を作らないといけないので、今まで作っていた営舎の2倍の大きさの物を作ることになっている。
でも、作業する人数も増えたのでしっかり設計できていれば全く問題はない。
材料である木材の切り出しくらいは昨日着いたばかりのひよこさんたちでもできるようなので、1個分隊全員で規格化された木材の切り出しを朝からやってもらう。
建築作業はまだまだ熟練とまではいかないがすっかり作業になれたケート少尉率いる小隊にお願いしている。
本来業務であるバイクでの付近の調査は、半分が師団本部に出張中のために、今は付近の哨戒のみ行っている。
なので、残っている山猫さんたちだけでも手が余るくらいだ。
もっとも手隙になったらこっちの建設を手伝ってもらうので暇などないのだが。
全員で一つの作業を行うので、管理監督が非常に楽であり、またすこぶる効率も上がっていて、建設規模が倍近くになるのにほとんど営舎と同じ勢いで指揮所の建家が出来上がっていく。
ひよこの分隊さんたちもすっかり作業に慣れ、今では木の切り出しだけでなく板材の制作も行っている、
もっとも生材なのでたいした物には使えないが、簡単な補強材にはなる。
一応外交官もここに詰める予定なので、アンリさんの執務室も作りこんで、……そうそう、ジーナやアプリコットたちの事務所も作ろう。
俺が最も力を注いだのがキッチン関連と食堂スペースである。
200名一度に中には入れないが、外にテラススペースも作っているので、そこに150~160名くらいの収容スペースを作り、そこと合わせて全員で食事が取れるようにしてある。
なので、実際に建家内での収容人数は100名くらいにしかないが、これでも満足である。
なにせ今は外で地面に食器を直置きでの食事だ。
いい若い娘がお行儀の悪いこと、俺が彼女たちの親御さんから怒られる。
そんなこんなで作業をしていると、ケートさんとメーリカさんが揃って応接と隊長室の必要性を訴えてきた。
俺はいらないと答えたのだが、聞いてもらえず、それではということで応接スペースとの共用で作ることにした。
キッチン横の倉庫として使おうと思っていた場所が、そのまま俺の部屋となってしまった。
どうせ使うつもりなどないのだが、ローカル勢力との接触の時には応接スペースは必要となるだろうから、主にここもアンリさん用だな。
作業を始めて1週間もすると家具類を除くほとんどが出来上がった。
各部屋の扉なども家具同様に間に合ってはいないが、とりあえず建家は完成した。
あとは家具類をどうするかだが……どうしよう。
既にここでの使用を始めている通信担当者が俺のところまで来て、アンリさんたちが今日戻ると連絡してきた。
みんなには自分たちが食事の時に使う椅子を作るようにお願いを出して、俺は次に必要な風呂の建設に準備を始めた。
井戸はもともとここが村であった為にいくつかあった。
現在我々が使用している水はすべてこれらの井戸から賄われている。
しかし、飲料や炊事くらいならば井戸から汲み上げての使用でも問題ないが……風呂となるとちょっとね~~、あ~それからトイレもそろそろきちんとしないと不味くなってきている。
村では汲み取りでそれらしき場所があったので今はその場所に仮説でテントを張りそこを利用しているが、中隊全員がここに来るとなるといささか容量に不安が残る。
以前師団本部でも問題になったが、上下水道の整備は初めからきちんとしないと後々禍根を残す。
既に遅いような気もするが風呂を作るのならば避けては通れないので、その辺について一度師団本部と交渉をしないとまずそうだ。
そんな話をアプリコットにしたら、こいつは何を考えているのかって顔をされて無視された。
ちょっと酷くはないですかね。
一応私はあなたの上司に当たるのですよ。
ここは一度きちんと話し合わないといけませんね、査定に響かせますよ~~~って言えたのならどんなにスッキリとするのでしょうか。
ハイ、どうせ何も言えませんよ。
でもいいです、私は出来る人なのです。
本部がダメといってもまた鎮守府あたりにお願いして廃棄部品をもらってでもどうにかしますよ。
ゴミをどう使おうとゴミなら文句は出ないでしょうが……そう言えば以前にそのゴミを使ってひと騒動があったのだが、あれはなんだったのだろう……忘れるくらいだから問題はないだろう。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる