社畜がひとり美女に囲まれなぜか戦場に~ヘタレの望まぬ成り上がり~

のらしろ

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中隊はジャングルに

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 翌日は、外の喧騒によっていつもよりやや早く目を覚ました。
 ここの基地はいつも騒がしいな。
 俺がここに来てからというもの、落ち着いていた時がないんじゃないかな。
 そういえばサクラ閣下もレイラ大佐も会うたびにやつれていくような。
 目の下のクマなどとれていた試しがないな。
 これはどうでもいいことか。
 少し早いが、食事をしたら集合場所の中央広場にでも行ってみよう。
 食堂では既に食事を終え、コーヒーを飲みながら書類を忙しく読んでいるアプリコットがいた。
「中尉、おはようございます」
「おはよう、マーリンさん。もう食事を終えたのか」
「はい、出発前の持ち込み資材のリストの確認をしておりました」
「いつも済まないね~」
 アプリコットはやや怪訝な顔をしていた。
 俺としては『それは言わない約束ですよ』と返して欲しかったのだが、まだアプリコットとのコンビは完成していない。
 俺はそそくさと食事を終えるとアプリコットが俺のすぐ横に来ており、「時間前ですが皆さん集合場所に集まっております。行きましょうか」
「やけに張り切っているな~」
「いえ、違うんです。今朝になって、サカイ中佐率いる薔薇連隊の残りの皆さんの引率を頼まれました。今日、この基地に残っている薔薇連隊の隊員全員が移動することになっているようです。現地まではまだ軍用道の整備が終わっておりませんから、ジャングル内の案内が必要になります。ついでなので我々にその案内役が回ってきました。なのでメーリカ少尉、ジーナ少尉などが今朝から隊列の調整に走り回っております」
 とんでもないことを聞いたので俺も急いで集合場所の中央広場に向かった。
 中央広場には既に準備を終えたトラックが50台以上エンジンをかけた状態で待機していた。
 俺とアプリコットが広場前にやってきたら、薔薇連隊の副連隊長であるキリッサ少佐が俺のところまでわざわざやってきて、「グラス中尉、今日は面倒を掛けるがよろしく頼む」と言ってきた。
 この人はサクラ閣下が帝都で花園連隊を率いていた頃から大隊長であったサカイ中佐を補佐していた苦労人である。
 なんだか俺と通じるものがある感じがして親近感が沸くのだが、彼女からしたら迷惑だったかもしれない。
「いえ、我々も向かうので、ついでですから気にしないでください。それよりも準備の方は大丈夫ですか」
「準備の方は全く問題ない。予定時間よりもまだ早いが出るとするか」
「そうですね、いつまでもここにいても邪魔にされるだけですから。俺らの方も大丈夫なら出発するとしよう」
 トラック50台に通信車両に偵察車両、装甲車などの特殊車両やバイクなどを率いての出発だ。
 半個連隊の移動だ、車列もののすごいものになる。
 先頭を俺らの乗る指揮車が先導して最後尾をバイクがついてくることになった。
 俺らだけなら半日もあれば着けるところをこれだけの車列を率いての移動だと1日は見ておかなければならない。
 途中も3回は休憩を入れながらどうにかジャングル内の連隊基地に着いた。
 基地に着くなり俺らはサカイ中佐自らの歓迎を受けた。
 俺らの歓迎はいいから自分の部下の面倒を見たらと思っていたが、苦労人のキリッサ少佐が既に隊員に指揮をとっており、基地の奥にある広場にテントを設営していった。
 俺らがここを離れてからまだ数日しか経っていないので当然ではあるが営舎の数が足りない。
 ここでも営舎の数が揃うまではテント暮らしだそうだ。
 かわいそうにと思っていたら、どうもそうではなく、師団本部を置いてある基地で既に営舎不足によりテント暮らしだったそうなのだ。
 同じテント暮らしならバタバタしている師団本部基地にいるよりも自分らの駐屯地に行ってさっさと営舎を作ったほうがマシだと判断されての今回の移動となったそうなのだ。
 俺らも既にここを引き払っていた身分なので俺ら用の営舎もなく、俺らも彼女たちに習ってテントの設営を始めてもらった。
 とにかく夕食前にはテントの設営などの準備は終わった。
 既に無線で約束していた昇進及び叙勲のお祝いをするために食堂に集まって準備をはじめようとしていたら、サカイ中佐が連隊基地の発足式と一緒にお祝いをするために準備を終えていた。
 基地にいる全員を広場に集め、全員に向かってサカイ中佐が基地発足の訓示を述べた後、一般の兵士で仕事のないものたちにはその場で酒が振舞われた。
 俺らはそのまま食堂まで連れてこられ、食堂で改めてお祝いを始めた。
 このお祝いには工事の関係でこの基地に就けられていたシバ中尉の部隊の皆さんも参加してくれ、また薔薇連隊の士官のみなさんも集まってくれ、みんなでお祝いをしてくれた。
 流石に最前線で潰れるまで深酒をする連中は一人もいないが、うわばみが揃う軍隊にあって俺らが持ち込んだ酒は綺麗に無くなった。
 かなりの量を持ち込んできたのだが、あっという間に無くなってしまった。
 もうじき整備中の軍用道も完成するから、そのあとなら補給も問題なくなるので、そうなった時にまた酒でも注文すればいいのだろう。
 以前は日々の食事の補給も心配しないとならないジャングル内の基地であったが、今では海軍さんの絶大なる協力のおかげで補給の心配は全くなくなっているのだ。
 ここ薔薇連隊基地も今作っている軍用道が完成すれば補給の心配が無くなる。
 俺らは流浪の民ならぬ流浪の中隊なので、当分はここに間借りしてジャングル内の探査に当たることになっている。
 翌日のサカイ中佐との打ち合わせで俺らの中隊のうち半分を自分らの営舎作成に当たらせ、1個小隊を護衛につけたエレナに付近の地図を作らせることにした。
 俺と、陸戦隊の1個小隊、それにメーリカ少尉と旧山猫のメンバーの内数人を連れてジャングル内の奥に探査に入っていくことにした。
 原則日帰りもしくは数日の短い周期で探査に向かうことにした。
 薔薇連隊の基地に間借りしての探査だ。
 薔薇連隊には基地の設営と付近の守備で、俺らがここをベースとしてのジャングル内の探査を行う二人三脚でのジャングル生活をしていくことになった。
 元々彼女たち薔薇連隊の母体である薔薇大隊の皆さんとは師団がまだ旅団で在った当時から仲が良かったこともあり、俺としてもメーリカさんをはじめ中隊の主だった連中としても全く異存はなかった。
 師団本部にいるよりお偉いさんの目がないこともあり、こちらのほうがい心地がいいくらいだとうそぶくものもいたくらいだった。
 まあ、いつもの生活をするだけなのだが、本当にここに来てからの俺は、ほとんどジャングル内にいるな~と感じてしまった。
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