社畜がひとり美女に囲まれなぜか戦場に~ヘタレの望まぬ成り上がり~

のらしろ

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ジャングルに再び

出発式、再び

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 徒歩だけで一泊二日で回れる範囲なんてたかが知れている。
 それでも2回づつ4回も回れば居留地付近での調査なんてするところが無くなる。
 それじゃ~、調査期間を2泊に延ばせばいいかと言うと、それも、同様に4回もすれば行くところが無い。
 まあ、その間の調査で委託されていた新兵たちの教育も無事OJTを終えたと言って良いレベルまでには引き上げることができた。
 これなら、車を使って本格的にジャングル内の調査に出れるというので、車を手配している。
 これが案外難問だった。
 今預かっている新兵に、前からいるうちの中隊の兵隊さんを集めると、本当に大隊規模にまで膨れそうだ。
 今までの調査だって、小隊規模でしか行っていない。
 最大で、亡命希望者を保護した時の2個小隊だ。
 それがいきなり千名近い大隊規模でのジャングル移動となると、手配する車の数が違って来る。
 今、うちのかわいい少尉たちは隣の基地や師団本部を駆け回り車を手配している。
 車が手配できなければ今まで調査した範囲で新兵の訓練をしていればいいかって。
 そうもいかないのだ。
 なにせ、グラス中尉が受けている命令はジャングル調査と現地勢力との接触だ。
 かといって、今までのように置いていけばいいかと言うと、これもそうはいかない。
 命令として出されていないのだが、サクラ閣下直々のお願いを受けて新兵を預かっているのだ。
 グラスは、この段階で預かっている新兵を返そうとしたら、今までの訓練の成果を評価してもらいはしたが、これなら完全に仕上がるまで預かってほしいとなり、更には、教育されていない新兵まで押し付けられたのだ。
 さすがにこれにはアプリコットたちは泣いて再考を求めたが、笑顔で却下された。
 あの笑顔が、またアプリコットたちのトラウマにならなければいいのだが。
 同期組新人少尉たちの頑張りでとにかく車を含む資材の調達だけは終わったようだ。
 で今、また例の出発式を行っている。
 前回同様にお偉いさんも出席だ。
 ちょうどサクラ閣下が訓辞を述べている。
 『要約すると、新兵諸君、君たちはここ最近目を見張る勢いで成長を遂げている。
 本格的な作戦行動を開始するにあたり、今までの訓練の成果を発揮して成果を持ち帰ってくることを期待している』
 そんなことを言っていた。
「グラス中尉、お願いします」
 サクラ閣下の訓示の後に俺の命令を待っているとアプリコットが言ってきた。
「それじゃ~、行きましょうかね」と言いながら壇上に登る。
 俺の態度をにらむような目つきで見ているマーガレット副官の前を通って、壇上に上がると集まった全員を見渡す。
 これってなんだか前回より多くないですか。
 そういえば昨日アプリコットが顔をしかめながら報告してきた。
 トラックをうちの大隊から貸し出すので、もうあと2個小隊の面倒を頼むと言われたとか。
 勘弁してくれ。
「これより1週間の予定でジャングル内の探査を行う。今までの探査の延長だが、今度は移動距離も伸びる。なので、今回は車両を使ったジャングル探査となる。慣れない作業の連続となるが心して掛かって欲しい」
 ここで、集まった新兵たちの顔を見渡した。
 徒歩での探査経験のある連中の顔のは余裕すら感じられるのだが、今回から預かった連中の顔は緊張しているようだ。
 彼らには、サカキ中佐の計らいでベテラン小隊1個を追加で貸してもらっているので、ベテラン小隊とうちの山猫を数人付けて、隊列を追いかけさせるように訓練しながら進むことになっている。
 まあ、これも計算の内だから心配はしていないのだが、計算外はうちのかわいい少尉たちだ。
 集まった兵士の数を見てビビっているようだ。 
 なにせ徒歩での訓練でもこの半数以下でしか行動していない。
 いきなり小隊に毛が生えたような部隊の幕僚に大隊を運営させるようなものだ。
 OJTにしても無茶苦茶だと思う。
 ブラック職場を経験していた俺ですらそう思うのだから、彼女たちの心配はもっともだと思う。
 古い映画じゃないが「天は我々を見放した」なんてならないように気を付けよう。
「よ~し、全員乗車」
 兵士が一斉に決められた車に向かって走っていく。

 大隊規模の兵士全員の行動だ。
 今回は車両だけでも
 トラック 50台
 バイク  25台
 指揮車両を含む車両  20台
 兵士総数総数 1200名の規模だ。
 ちょっとした迫力を感じる。

 それをみた彼女たちはさらに顔を青ざめている。
 大丈夫なのかな。
 考えてもしょうがないか、そろそろ俺も行こう。
 グラスはサクラ閣下の方に向き直り、敬礼をしながら「師団長 グラスはこれよりジャングル探査に向かいます」
「成果を期待している」
 サクラ閣下より答礼を貰ったが、彼女の顔には、これ以上厄介ごとは持ってくるなと言っているようだ。
 さらに、隣のマーガレット副官に至っては、はっきり口に出している。
「調査に行くのであって、それ以外の物は絶対に要らないからな」
 よし、聞かなかったことにしよう。
 できればサリーの姉の情報だけは持って帰りたい。
 そう思いながら走っていつもの指揮車の乗り込んでいった。


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