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サクラ大隊という名のグラス大隊、出発
後始末
しおりを挟む誰も村の中に入ろうとしていない。
俺らの作戦があまりにもうまくいきすぎて、村にはとても臭くて入れないのが原因なのだが、俺は慌てて匂いの原因の焚火を消したのだが、時すでに遅くというか、匂いがなかなか抜けない。
だが、助けられる命もあるかもしれないので、俺は意を決して中に入ることにした。
俺が一人で入ろうとすると、呆れたような顔をしながらメーリカンさんが複数の部下を連れて一緒に入るという。
アプリコットは相当いやそうな顔をしているが、俺が一人で何をしでかす方が怖いとこれまた一緒に来た。
今まで他の場所から『あれ』の攻撃の指揮を執っていたキャサリンさんとマリーさんまでもがついてきてくれたので、俺は安心して村に入った。
村には入り、最初に感じたのは自分のしでかしたことへの後悔だ。
いくら作戦とはいえ、あまりに村の中は臭い。
だが、不思議と匂いいうものは慣れる。
臭いのを我慢しているとさすがに気にはなくなることは無いが、それでも我慢できるレベルにまでなってくる。
俺たちは注意しながら村の様子を調べていく。
途中で逃げ出すGが5匹と、向かってきたGが10匹くらいは出たが、さすがに猛者たちに守られているだけあって簡単に駆除できた。
しかし、村はあいつらに襲われていたので、当然のように男どもの死骸がそこら中に散らばっている。
あとで兵士を使ってきちんと埋葬するので、とりあえず死骸は放置して調べると、連中のお楽しみだけあって女子供については無事なのが多かった。
あれを無事と言っていいのかは別だが、とりあえず命があった。
しかし、本当に多くの男、それも働き盛りばかりが殺されているとあって、この村は早々に立ちいかないことは明白になる。
マリーさんがキャスターさんと何やら相談を始めたかと思ったら、俺に相談してきた。
連邦の都市で保護をしたいという話だ。
これは連邦内部のことなので、俺は保護者の輸送ならばいくらでも手伝う旨を伝えるとすぐに連邦兵士を集めて作業にかかっている。
俺たちは死骸を集め、Gだけは見せしめにでもできるように一か所に集めてから、他の村人については長老に近い人を探してその人の指示に従った。
結局、村の処理が終わり村を離れることができたのは、あれから3日後のことだった。
しかし、あれから3日がたっても結局俺らの匂いは取れなかった。
村人が言うには一週間は無理だろうと、完全に匂いが無くなるまで待つというものならばひと月は覚悟しろと恨めしそうに言われた。
なんでも、生き残った村人が村を離れることを了承した理由の一つにあの匂いもあったというのだから、俺のことを恨めしそうに見ていたのもうなずける……て、作戦が俺の発案だということが村人にバレているって、連邦の兵士にも相当恨まれているようだ。
二度と、あの作戦は使わないと心に刻んだ。
村を出たら、来た道をさかのぼって町まで戻る。
結局保護した村人は100人ばかりになるが、それでもかなりの人数だ。
受け入れるにしても手続きなどあるようで、キャサリンさんやマリーさんたち連邦の兵士は忙しそうに俺たちから離れていった。
俺の方は、Gについて報告をしないわけにもいかず、俺とアプリコットだけで連隊基地があるところまで飛行機で運んでもらった。
当然のように機内では相当匂いを嫌がられて、いつもならば近づいて挨拶をしてくる機内クルーも、今回ばかりは一切顔を見せなかった。
うん、二度とあの木は燃やさないと心に誓った。
空港に着くとレイラ大佐が鬼のような形相で俺たちを出迎えてくれた……て、あれで迎えになるのか。
すぐに俺らに近づいてきたかと思ったらすぐに距離を取られた。
今度ばかりは匂いに救われた……てわけ無く、意を決したレイラ大佐は、さらに表情を険しくして俺らを確保してきた。
その後に空港別室での取り調べだ。
さすがに犯罪者でないので、アプリコットを分けられての尋問とはならずに済んでよかった。
アプリコットはレイラ大佐からの尋問を相当気にしていたことだし、下手すると心に病でも発してしまうくらいだったので、俺が必死で彼女を守った。
しかし、尋問が進んでいくうちにアプリコットのやつさらなる進化を遂げ立場を容疑者から尋問側に転職しやがった。
俺が必死な思いで守っていたのに、それでも1時間にならずにレイラ大佐からの尋問は終わった。
一応、今回の件は連邦軍との共同訓練中の出来事で、連邦側が主体での作戦行動となっている。
俺らは協力者、巻き込まれた側としてある。
それをレイラ大佐も受け入れてくれた。
受け入れてくれた割には作戦当時の俺らの様子を相当気にしていたが。
その後は、レイラ大佐と一緒の師団本部に出向きサクラ閣下に報告だが、レイラ大佐に絞られた後だけあって、あっさとり報告も済んで助かった。
どうもサクラ閣下はこの後帝都に出張のご予定があるとかで、俺たちからの報告を待ってすぐに帝都に旅立っていった。
俺たち元山猫を含む分隊にとって、サクラ閣下への報告で、あの忌まわしい村での件で区切りをつけることができたと言えるだろう。
簡単に調べた限りだが、あの村でしでかした連中はあいつらだ。
そいつらの駆除ができただけでも俺の中で大金星だと、俺は自分を心の中でほめている。
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