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反乱
罠②
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「メレアーデ、君にいい話を持って来たんだ。僕と結婚しよう。」
そう言いながら一歩ずつ近づいてくる。ジン様が近くにいるのは心地が良くてもっと近くにいたいと思っていたが、ミル王太子殿下が近づいてくると不思議と身体が後ずさった。
「な、なにを仰っているか分かりかねます。婚約破棄をいい出したのでミル王太子殿下ではないですか。」
また一歩また一歩と近寄ってくるため、ここで捕まるわけには行かないと思い後ろに下がった。
よく見ると殿下の目が少し虚な気がする。ぱっと見はわかりにくいが、いつもと違うような気がした。
「あの時の僕は間違っていたよ。だから結婚して欲しいんだ。」
私と結婚することをあんなにも嫌がっていたのに、今はやたらと結婚しようの一点張りだ。
「無理です。結婚できません。そもそもオレリー様がいらっしゃるではないですか。」首を振りながら伝えると。
「オレリーとも勿論結婚するさ。君には側妃になってこの国を導いて欲しいんだ。」
私は空いた口が塞がらなかった。
今この人はなんて言ったのか。側妃となって国を導いて欲しいと言った。あくまでも国を導くのは国王であって、王妃は国を支えるのが仕事だ。それを側妃にやらせようとしているのがそもそも間違えている。
本当にバカすぎる。
「やっぱりバカすぎるわ。」
我慢していた本音が思わず口から出ていた。
王太子について来た近衛兵はその言葉を聞いて思うところがあったのだろう。頑張って笑いを堪えているのが見えた。
それを聞いた殿下が顔を真っ赤にして何かを言っている。
「僕に向かってバカと言ったのが聞こえたぞ!貴様何を言ったかわかっているのか。王族への侮辱とみなしお前を王宮へ連れていく!」
トマトのように赤くなった顔をした殿下は私の腕を無理やり掴み王宮へ連れていく。
そもそも側妃に仕事を頼むってどうなんだろう。仕事ができませんとまわりに公表しているようにも思える。そう考えると自然とまた笑ってしまった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ユナリー視点
お嬢様が連れて行かれた後、エレアーデ様はすごく不安そうな顔をしてメレナーデ様のことを見ていた。
もちろん私もお嬢様が心配ではあるものの、私だけの力では何もできないのが歯がゆい。
エレアーデさまはお嬢様が連行されてからも部屋から出ようとすらしない。侯爵夫人でもあるのですこしでも、背筋を伸ばしてシャンとしてほしいところだ。ただ恐らく体と心がついて行かないんだと思う。
そしてこの状況でずっといるのもよくないので、まずはちょっとでも部屋に陽の光を入れようとカーテンを開ける。
カーテンを開けると少しだけ顔色も良くなって来た気がする。
お嬢様はできることが多いので捕まってもそこまで変なことはされないとおもう。
わたしは急いでジンニック様宛に手紙を認めた。
そう言いながら一歩ずつ近づいてくる。ジン様が近くにいるのは心地が良くてもっと近くにいたいと思っていたが、ミル王太子殿下が近づいてくると不思議と身体が後ずさった。
「な、なにを仰っているか分かりかねます。婚約破棄をいい出したのでミル王太子殿下ではないですか。」
また一歩また一歩と近寄ってくるため、ここで捕まるわけには行かないと思い後ろに下がった。
よく見ると殿下の目が少し虚な気がする。ぱっと見はわかりにくいが、いつもと違うような気がした。
「あの時の僕は間違っていたよ。だから結婚して欲しいんだ。」
私と結婚することをあんなにも嫌がっていたのに、今はやたらと結婚しようの一点張りだ。
「無理です。結婚できません。そもそもオレリー様がいらっしゃるではないですか。」首を振りながら伝えると。
「オレリーとも勿論結婚するさ。君には側妃になってこの国を導いて欲しいんだ。」
私は空いた口が塞がらなかった。
今この人はなんて言ったのか。側妃となって国を導いて欲しいと言った。あくまでも国を導くのは国王であって、王妃は国を支えるのが仕事だ。それを側妃にやらせようとしているのがそもそも間違えている。
本当にバカすぎる。
「やっぱりバカすぎるわ。」
我慢していた本音が思わず口から出ていた。
王太子について来た近衛兵はその言葉を聞いて思うところがあったのだろう。頑張って笑いを堪えているのが見えた。
それを聞いた殿下が顔を真っ赤にして何かを言っている。
「僕に向かってバカと言ったのが聞こえたぞ!貴様何を言ったかわかっているのか。王族への侮辱とみなしお前を王宮へ連れていく!」
トマトのように赤くなった顔をした殿下は私の腕を無理やり掴み王宮へ連れていく。
そもそも側妃に仕事を頼むってどうなんだろう。仕事ができませんとまわりに公表しているようにも思える。そう考えると自然とまた笑ってしまった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ユナリー視点
お嬢様が連れて行かれた後、エレアーデ様はすごく不安そうな顔をしてメレナーデ様のことを見ていた。
もちろん私もお嬢様が心配ではあるものの、私だけの力では何もできないのが歯がゆい。
エレアーデさまはお嬢様が連行されてからも部屋から出ようとすらしない。侯爵夫人でもあるのですこしでも、背筋を伸ばしてシャンとしてほしいところだ。ただ恐らく体と心がついて行かないんだと思う。
そしてこの状況でずっといるのもよくないので、まずはちょっとでも部屋に陽の光を入れようとカーテンを開ける。
カーテンを開けると少しだけ顔色も良くなって来た気がする。
お嬢様はできることが多いので捕まってもそこまで変なことはされないとおもう。
わたしは急いでジンニック様宛に手紙を認めた。
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