82 / 350
81
しおりを挟む
81
「これは、これは。リーサお嬢様ではありませんか?
空から参られたので大変驚きました」
フーマ王国の文官で責任者でしょうか?お母様達と同じような年齢の方に声をかけられ、他の魔法使いなどは驚いて目を白黒しています。
「ふふふ」
私はそう笑ってから
「申し訳ございません。私はベルティンブルグ領リカード公爵とアルーシャの長女エルーシアですわ。
私とリーサ様があまりにも似ているので間違われたようですね?
私とリーサの母が姉妹の為、このように似ているのですよ」
そういう私に、責任者は頭を低くして
「大変申し訳ございません。エルーシア公爵令嬢様。この地を治める伯爵様のご令嬢と間違ってしまいました」
「いいえ。お気になさらないで、そうやってリーサと間違われるのは、ある意味ご褒美ですから」
私は、こうやってリーサお姉様と間違われることはとても嬉しいことなのです。
いたずらが成功したような感覚です。
「それで、堤防ができあがるにはあとどのくらいかかるのだ?
あと、治水工事をしていて、作業者やそこに住む住民に病気など発症はしなかったか聞きたいのだ?」
そういうマチルダに文官は
「リーニア河の治水工事は、あとここの部分の堤防で終わりでございます。
期間は、5日ほどかかる予定です。
私はリーニア河の担当ですが、上流の方は私の担当ではないだのでわかりませんが、私の担当した区域では、流行病などは起きませんでした」
「そうですか。ご報告ありがとうございます。
そしてまた、5日ほどございますが、お仕事大変でしたね。
ご苦労様です」
私はそう言って出来具合を確かめるために堤防へ向かいました。
責任者の文官も私についてきています。
「素晴らしいですね。高さも良い感じですし、法面も美しいわ」
私がそう言うと文官は
「お褒め頂きありがとうございます」
と顔を真っ赤にして照れて、何故がもじもじしています。
するとマチルダは
「エルーシアは、年上のおじさんまで魅了するのだ・・・」
私はマチルダの声が聞こえませんでした。
「本当に素晴らしいお仕事ですわ。全くの手抜きがありませんね。
それでは、もう一つ。
この堤防に草花を植えてください。
出来れば、多年草の植物を植えてください」
(ああ、そういえば日本の河川の脇には桜の木が植えてありましたね。懐かしいな日本)
私が日本の河川敷や堤防に一面に咲く桜の木々を思いにふけていたところ
「エルーシア様・・・ どうかなさいましたか?」
文官は遠くを見る私が心配になったのでしょう、そう声をかけました。
「ああ。ごめんあそばせ。
後ですね。植える植物は、食用の物でも良いのですが、菜の花(セイヨウカラシナ)の様に根が太くてしかも1年草は辞めてください。
根が太い1年草は秋になると枯れて根が腐ります。
そういたしますと、そのもと根があったところが空洞になってミミズなどが住みます。そうすると土が耕され軟らかい地層になってしまいます。そしてミミズを餌にしているモグラや鼠がやってきて、柔らかくなった地盤をもっと弱くしてしまいそれが、堤防を破壊する原因になってしまう可能性がございます」
「ああ。なるほど、作物を植える畑では、土地が柔らかい方が良いですが、堤防では、硬い方が良いのですね。そして堤防の土をさらに強化するために草花の根を利用すると。そしてその中には、反対に作用する植物もあるのですね。
エルーシア様はなんと博識なのでしょう?
ベルティンブルグの聖女様と崇められている貴方様は伊達じゃないわけですね」
文官は顔を真っ赤にしながら うん うん とうなっています。
「ふふふ。そうやって私を褒めましても何も出ませんわよ」
といいながら私は、○次元ポケットを探ると、チョコレートがありました。
私は、チョコレートと手にとり
「皆様でお召し上がりください」
と言って文官に渡しました。
「は! ありがとうございます」
文官はそう言って踵を返し魔法使いがいる方へ向かって行きました。
「お嬢様からチョコレートを貰った~! 愛の告白だー!」
と叫ぶ文官をみて、
(あ!去年の冬にチョコレートを沢山売るために、日本のバレンタインデーをお母様に教えて一大キャンペーンをしたことを思い出しました)
私はそれを思い出し大きな声で
「義理ですから~!」
と叫びました。
文官はその場でひっくり返っていました。
「これは、これは。リーサお嬢様ではありませんか?
空から参られたので大変驚きました」
フーマ王国の文官で責任者でしょうか?お母様達と同じような年齢の方に声をかけられ、他の魔法使いなどは驚いて目を白黒しています。
「ふふふ」
私はそう笑ってから
「申し訳ございません。私はベルティンブルグ領リカード公爵とアルーシャの長女エルーシアですわ。
私とリーサ様があまりにも似ているので間違われたようですね?
私とリーサの母が姉妹の為、このように似ているのですよ」
そういう私に、責任者は頭を低くして
「大変申し訳ございません。エルーシア公爵令嬢様。この地を治める伯爵様のご令嬢と間違ってしまいました」
「いいえ。お気になさらないで、そうやってリーサと間違われるのは、ある意味ご褒美ですから」
私は、こうやってリーサお姉様と間違われることはとても嬉しいことなのです。
いたずらが成功したような感覚です。
「それで、堤防ができあがるにはあとどのくらいかかるのだ?
あと、治水工事をしていて、作業者やそこに住む住民に病気など発症はしなかったか聞きたいのだ?」
そういうマチルダに文官は
「リーニア河の治水工事は、あとここの部分の堤防で終わりでございます。
期間は、5日ほどかかる予定です。
私はリーニア河の担当ですが、上流の方は私の担当ではないだのでわかりませんが、私の担当した区域では、流行病などは起きませんでした」
「そうですか。ご報告ありがとうございます。
そしてまた、5日ほどございますが、お仕事大変でしたね。
ご苦労様です」
私はそう言って出来具合を確かめるために堤防へ向かいました。
責任者の文官も私についてきています。
「素晴らしいですね。高さも良い感じですし、法面も美しいわ」
私がそう言うと文官は
「お褒め頂きありがとうございます」
と顔を真っ赤にして照れて、何故がもじもじしています。
するとマチルダは
「エルーシアは、年上のおじさんまで魅了するのだ・・・」
私はマチルダの声が聞こえませんでした。
「本当に素晴らしいお仕事ですわ。全くの手抜きがありませんね。
それでは、もう一つ。
この堤防に草花を植えてください。
出来れば、多年草の植物を植えてください」
(ああ、そういえば日本の河川の脇には桜の木が植えてありましたね。懐かしいな日本)
私が日本の河川敷や堤防に一面に咲く桜の木々を思いにふけていたところ
「エルーシア様・・・ どうかなさいましたか?」
文官は遠くを見る私が心配になったのでしょう、そう声をかけました。
「ああ。ごめんあそばせ。
後ですね。植える植物は、食用の物でも良いのですが、菜の花(セイヨウカラシナ)の様に根が太くてしかも1年草は辞めてください。
根が太い1年草は秋になると枯れて根が腐ります。
そういたしますと、そのもと根があったところが空洞になってミミズなどが住みます。そうすると土が耕され軟らかい地層になってしまいます。そしてミミズを餌にしているモグラや鼠がやってきて、柔らかくなった地盤をもっと弱くしてしまいそれが、堤防を破壊する原因になってしまう可能性がございます」
「ああ。なるほど、作物を植える畑では、土地が柔らかい方が良いですが、堤防では、硬い方が良いのですね。そして堤防の土をさらに強化するために草花の根を利用すると。そしてその中には、反対に作用する植物もあるのですね。
エルーシア様はなんと博識なのでしょう?
ベルティンブルグの聖女様と崇められている貴方様は伊達じゃないわけですね」
文官は顔を真っ赤にしながら うん うん とうなっています。
「ふふふ。そうやって私を褒めましても何も出ませんわよ」
といいながら私は、○次元ポケットを探ると、チョコレートがありました。
私は、チョコレートと手にとり
「皆様でお召し上がりください」
と言って文官に渡しました。
「は! ありがとうございます」
文官はそう言って踵を返し魔法使いがいる方へ向かって行きました。
「お嬢様からチョコレートを貰った~! 愛の告白だー!」
と叫ぶ文官をみて、
(あ!去年の冬にチョコレートを沢山売るために、日本のバレンタインデーをお母様に教えて一大キャンペーンをしたことを思い出しました)
私はそれを思い出し大きな声で
「義理ですから~!」
と叫びました。
文官はその場でひっくり返っていました。
108
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
2025/9/29
追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。
くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。
しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた!
しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?!
「これ…スローライフ目指せるのか?」
この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
夏芽みかん
ファンタジー
生まれながらに強大な魔力を持ち、聖女として大神殿に閉じ込められてきたレイラ。
けれど王太子に「身元不明だから」と婚約を破棄され、あっさり国外追放されてしまう。
「……え、もうお肉食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?」
追放の道中出会った剣士ステファンと狼男ライガに拾われ、冒険者デビュー。おいしいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
一方、魔物が出るようになった王国では大司教がレイラの回収を画策。レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【2025.09.02 全体的にリライトしたものを、再度公開いたします。】
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました
mabu
ファンタジー
聖女召喚に巻き込まれた普通のオバさんが無能なスキルと判断され追放されるが国から貰ったお金と隠されたスキルでお店を開き気ままにのんびりお気楽生活をしていくお話。
なるべく1日1話進めていたのですが仕事で不規則な時間になったり投稿も不規則になり週1や月1になるかもしれません。
不定期投稿になりますが宜しくお願いします🙇
感想、ご指摘もありがとうございます。
なるべく修正など対応していきたいと思っていますが皆様の広い心でスルーして頂きたくお願い致します。
読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。
お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる