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33 新設部隊の始動 2
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男爵家にある小さな会議室。
そこで俺は、ワクワクを隠しきれない様子のルン兄さんと向かい合っていた。
「それで、お話とは?」
「もちろん、新設部隊についてだよ!」
俺の隣にはミルトが座っていて、ルン兄さんの背後には部下の兵が立っている。
部下の兵は、ルン兄さんの様子に苦笑気味。
ミルトに関しては、本で顔を隠しながら、俺の手を握り、
『お兄様がごめんなさい……』
そんな感じだ。
だけど2人とも、ルン兄さんをたしなめるような素振りはない。
机に両手をついて体を乗り出す姿も、見て見ぬふりだ。
「根掘り葉掘り、ぜーんぶ聞くからね! 聞かせてくれないと暴れるからね!」
相手が年下で、その隣に妹がいようが関係ない!
「床をゴロゴロ転がりながら大泣きするよ!」
恥も外聞もかなぐり捨てる!!
ルン兄さんの目からは、その覚悟を感じた。
確かに、生半可な気持ちでは止めれそうにない。
ミルトも部下の人も、本当に大変そうだな。
「で? で? レン伍長と部下探しに行ったんだよね⁉ 成果はどうだった⁉」
苦笑いを浮かべかけていた顔が、一瞬で引き締まる。
新兵を伍長に引き上げたい。
そう話してはいたが、誰を指名するかまでは言っていないはず……、
「西門近くの孤児院。そこの感想も聞きたいな!」
俺の感情を畳み込むように、ルン兄さんが笑みを深める。
慌ててミルトと顔を見合わせたが、ぷるぷると首を横に振られた。
そんな俺たちに向けて、ルン兄さんが言葉を重ねる。
「キミたちから聞いたわけじゃないし、レン伍長でもないよ」
「……ずいぶんとお耳が早いですね」
「そこは、ほら。僕のところは孤児院出の子が多いから」
「なるほど」
好奇心旺盛な16歳に見えるが、生粋の貴族であり、諜報部門のトップだ。
俺たちが孤児院から帰ってきたのが、数分前。
「ミルトは、盗聴関連の知識とか持ってたりするか?」
「えっと、うん……。それなりに、だけど」
「了解。念のために、部屋に帰ったら探そうか」
絶対に無駄だとは思うけど、一応な。
恥ずかしそうに頷くミルトを横目に、ルン兄さんが笑みを深める。
イタズラ成功!
そんな雰囲気をまといながら、さらに体を乗り出した。
「それでそれで!? いい子は見つかった!? 何人勧誘してきたの!?」
「……ルン兄さんの情報網があれば、既に知っているのでは?」
「んー、一応ね」
一転して、ポスリと椅子に座ったルン兄さんが、部下から紙の束を受け取った。
紙を眺め、朗々とした声で要点を読み上げる。
「子供たち5人を勧誘し、レン伍長を中心に良好な関係を築く」
「構成は、男子3、女子2。いずれも10歳」
「武器の扱いに関して、飛び抜けた者は見受けられない」
いや、全部知ってるじゃねぇか!
「全員が男爵領で生まれ、怪しい者との接触履歴はない。諜報員の可能性は低いと考えられる」
むしろ、俺より詳しいよな!?
スパイの有無を知れたのは良かったが、ルン兄さんの情報網が怖いよ!
最後の1人は、決めてから15分も経ってませんが!?
「と、まあ、こんな感じの概要は知ってるよ」
そう言って、面白みのない顔で紙を部下に返す。
ルン兄さんは何かを考え込むような顔で、俺に目を向けた。
「でもね。僕は、キミが描く未来に触れてみたいんだよ」
「みらい?」
「そう。どうしてこの5人を選んだのか。決め手がわからない」
武器の扱いが上手な子、料理が得意な子、身のこなしに優れた子。
孤児院には多くの子供たちが暮らしていて、この世界で生き残るための技を鍛えていた。
剣、槍、弓、罠、体力、筋力。
「孤児院を経営している者から渡された評価は参考にしてないよね? 違う?」
「ええ。その通りです」
優秀な子はこの子たちです。
そう言われて玄関で紙を貰ったけど、俺は本当に軽く目を通しただけだ。
「孤児院が信じられなかった?」
「いえ、どの先生も子供思いで、子供たちも頑張っている。良い孤児院でしたよ」
建物はボロボロだったけど、子供たちの笑顔であふれていた。
中庭は広く、真剣に槍を振る子供たちの姿が、目に焼き付いている。
「ですが、我々が求める優秀さとは違いましたので」
「ほほぉ~」
ルン兄さんの口元が、にんまりと横に広がる。
先の言葉を促すように、目が輝いて見えた。
「我々が求めていたのは、ホムンクルスと相性の良い者です」
「……ホムンクルスは連れて行っていない。そう聞いているが?」
「ええ。本物がいない方が、都合がよかったので」
ホムンクルスを連れて行くと、子供たちは怯えるか強い興味を持つか。
その2択になる気がした。
だから、俺たち3人だけで出向き、子供たちと遊んできた。
「自分より小さな子の世話が好きで、気配りが得意な者。それらを見極めたつもりです」
鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、ドッチボールをしたり。
戦う力は二の次にして、子供たちの性格を見てきたつもりだ。
「言ってしまえば、レン伍長のような者を部下にしたかったんですよ」
ホムンクルスと仲良く出来て、柔軟に動ける者。
鳴き声と身振り手振りだけのホムンクルスと、対等に会話が出来そうな者。
そんな子供たちを選んだ。
「我々は、ホムンクルスと共闘する部隊なので」
「なるほどな」
深く頷いたルン兄さんが、楽しそうな笑みを浮かべてくれる。
部下の兵に指示を出し、何かを取りに行かせた。
「納得したし、目からうろこの情報だったよ!」
「ありがとうございます」
「ってことで、本題に入るね!」
「……は??」
大きく目を見開く俺を見詰めて、ルン兄さんがクスクスと笑った。
そこで俺は、ワクワクを隠しきれない様子のルン兄さんと向かい合っていた。
「それで、お話とは?」
「もちろん、新設部隊についてだよ!」
俺の隣にはミルトが座っていて、ルン兄さんの背後には部下の兵が立っている。
部下の兵は、ルン兄さんの様子に苦笑気味。
ミルトに関しては、本で顔を隠しながら、俺の手を握り、
『お兄様がごめんなさい……』
そんな感じだ。
だけど2人とも、ルン兄さんをたしなめるような素振りはない。
机に両手をついて体を乗り出す姿も、見て見ぬふりだ。
「根掘り葉掘り、ぜーんぶ聞くからね! 聞かせてくれないと暴れるからね!」
相手が年下で、その隣に妹がいようが関係ない!
「床をゴロゴロ転がりながら大泣きするよ!」
恥も外聞もかなぐり捨てる!!
ルン兄さんの目からは、その覚悟を感じた。
確かに、生半可な気持ちでは止めれそうにない。
ミルトも部下の人も、本当に大変そうだな。
「で? で? レン伍長と部下探しに行ったんだよね⁉ 成果はどうだった⁉」
苦笑いを浮かべかけていた顔が、一瞬で引き締まる。
新兵を伍長に引き上げたい。
そう話してはいたが、誰を指名するかまでは言っていないはず……、
「西門近くの孤児院。そこの感想も聞きたいな!」
俺の感情を畳み込むように、ルン兄さんが笑みを深める。
慌ててミルトと顔を見合わせたが、ぷるぷると首を横に振られた。
そんな俺たちに向けて、ルン兄さんが言葉を重ねる。
「キミたちから聞いたわけじゃないし、レン伍長でもないよ」
「……ずいぶんとお耳が早いですね」
「そこは、ほら。僕のところは孤児院出の子が多いから」
「なるほど」
好奇心旺盛な16歳に見えるが、生粋の貴族であり、諜報部門のトップだ。
俺たちが孤児院から帰ってきたのが、数分前。
「ミルトは、盗聴関連の知識とか持ってたりするか?」
「えっと、うん……。それなりに、だけど」
「了解。念のために、部屋に帰ったら探そうか」
絶対に無駄だとは思うけど、一応な。
恥ずかしそうに頷くミルトを横目に、ルン兄さんが笑みを深める。
イタズラ成功!
そんな雰囲気をまといながら、さらに体を乗り出した。
「それでそれで!? いい子は見つかった!? 何人勧誘してきたの!?」
「……ルン兄さんの情報網があれば、既に知っているのでは?」
「んー、一応ね」
一転して、ポスリと椅子に座ったルン兄さんが、部下から紙の束を受け取った。
紙を眺め、朗々とした声で要点を読み上げる。
「子供たち5人を勧誘し、レン伍長を中心に良好な関係を築く」
「構成は、男子3、女子2。いずれも10歳」
「武器の扱いに関して、飛び抜けた者は見受けられない」
いや、全部知ってるじゃねぇか!
「全員が男爵領で生まれ、怪しい者との接触履歴はない。諜報員の可能性は低いと考えられる」
むしろ、俺より詳しいよな!?
スパイの有無を知れたのは良かったが、ルン兄さんの情報網が怖いよ!
最後の1人は、決めてから15分も経ってませんが!?
「と、まあ、こんな感じの概要は知ってるよ」
そう言って、面白みのない顔で紙を部下に返す。
ルン兄さんは何かを考え込むような顔で、俺に目を向けた。
「でもね。僕は、キミが描く未来に触れてみたいんだよ」
「みらい?」
「そう。どうしてこの5人を選んだのか。決め手がわからない」
武器の扱いが上手な子、料理が得意な子、身のこなしに優れた子。
孤児院には多くの子供たちが暮らしていて、この世界で生き残るための技を鍛えていた。
剣、槍、弓、罠、体力、筋力。
「孤児院を経営している者から渡された評価は参考にしてないよね? 違う?」
「ええ。その通りです」
優秀な子はこの子たちです。
そう言われて玄関で紙を貰ったけど、俺は本当に軽く目を通しただけだ。
「孤児院が信じられなかった?」
「いえ、どの先生も子供思いで、子供たちも頑張っている。良い孤児院でしたよ」
建物はボロボロだったけど、子供たちの笑顔であふれていた。
中庭は広く、真剣に槍を振る子供たちの姿が、目に焼き付いている。
「ですが、我々が求める優秀さとは違いましたので」
「ほほぉ~」
ルン兄さんの口元が、にんまりと横に広がる。
先の言葉を促すように、目が輝いて見えた。
「我々が求めていたのは、ホムンクルスと相性の良い者です」
「……ホムンクルスは連れて行っていない。そう聞いているが?」
「ええ。本物がいない方が、都合がよかったので」
ホムンクルスを連れて行くと、子供たちは怯えるか強い興味を持つか。
その2択になる気がした。
だから、俺たち3人だけで出向き、子供たちと遊んできた。
「自分より小さな子の世話が好きで、気配りが得意な者。それらを見極めたつもりです」
鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、ドッチボールをしたり。
戦う力は二の次にして、子供たちの性格を見てきたつもりだ。
「言ってしまえば、レン伍長のような者を部下にしたかったんですよ」
ホムンクルスと仲良く出来て、柔軟に動ける者。
鳴き声と身振り手振りだけのホムンクルスと、対等に会話が出来そうな者。
そんな子供たちを選んだ。
「我々は、ホムンクルスと共闘する部隊なので」
「なるほどな」
深く頷いたルン兄さんが、楽しそうな笑みを浮かべてくれる。
部下の兵に指示を出し、何かを取りに行かせた。
「納得したし、目からうろこの情報だったよ!」
「ありがとうございます」
「ってことで、本題に入るね!」
「……は??」
大きく目を見開く俺を見詰めて、ルン兄さんがクスクスと笑った。
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