120 / 208
4 呪いの起源
呪いと真実
しおりを挟む
「関係ねぇよ」
長野はヤケになりキスをしようと強引に真理の体を引き寄せようとした。
「嫌っ」
拒むように必死で暴れる真理だったが、小柄な真理が長野に敵うはずもなく、長野に抱きしめられるような体勢になった。
その時、ガチャン、という音とともに用具庫の中の空気が一変した。
「なっ、何、今の音」
真理は用具庫の空気が一気に変わったことを、敏感に感じ取り、それは恐怖に繋がっていった。
「あん、何でもないだろ。そんなことよりキスぐらい、いいだろう」
「いや、やめて」
長野の体を思い切り両手で押して、キスを躱したが勢いよく押した反動で真理は後方にバランスを崩した。
ザンッ、真理が倒れ込んだまさにその位置に横倒しに並べてある雪かき用の幾つものスコップ。不運にも倒れ込んだ真理の喉元にスコップの側面があたり、衣服に覆われておらず、細く脆い真理の首はいとも簡単にその半分を切り開かれた。それと同時に吹き出す鮮血。
長野は見ていることしかできなかった。目の前で起きた惨劇に思考が追いついていなかった。
しかし、そんな長野にも異変が起きていた。足元から真っ黒い髪の毛が長野の足を巻き上げ始めていたのだ。
「うわっ、なんだ、これ」
長野が自分に起こっている異変を理解した時、髪の毛はすでに長野の腰の位置まで巻き上げていた。逃げようにも両足は巻き上げられているため動かせない。助けを呼ぼうにも、目の前には吹き出す血液も残っていない血塗れの真理しかいない状況。
「ぐべぁ」
勢いを落とさない髪の毛は、長野の口、耳、鼻、目などあらゆるところから体の中に入り込んでいく。声を上げることもできずに、激痛と何が起きているのかわからないという恐怖に支配されていく長野。体内に入った髪の毛は、気道、食道、血管、あらゆる経路を通り、長野の体内を埋め尽くす。わずかに残った思考を駆使して思ったのは、これは呪いなのか……ということだった。
「なんかさ、2人が用具庫に入ってから結構経ってない」
クラウさんが心配そうに用具庫に目を向けた。確かに2人が入ってからすでに15分は経過している。大丈夫かな、真理さん。
「僕ちょっと様子を見てくるよ」
江藤君がそう言い、用具庫のドアを開けに行った。
ガチャッ
「あれ?おかしいな。鍵が掛かっているよ」
「ちょっとヤバイんじゃない。先生呼んできた方がいいよね」
クラウさんがそう言って、職員室に向けて走っていった。やがてマスターキーで用具庫を開けた教員が中を確認するや否や、救急車を呼んだ。
その後、職員室に呼ばれた僕たちオカルト研究会のメンバーは2人の死亡を聞かされた。2人とも目を見開いて、悔やみの残りそうな表情で亡くなっていたらしい。
長野はヤケになりキスをしようと強引に真理の体を引き寄せようとした。
「嫌っ」
拒むように必死で暴れる真理だったが、小柄な真理が長野に敵うはずもなく、長野に抱きしめられるような体勢になった。
その時、ガチャン、という音とともに用具庫の中の空気が一変した。
「なっ、何、今の音」
真理は用具庫の空気が一気に変わったことを、敏感に感じ取り、それは恐怖に繋がっていった。
「あん、何でもないだろ。そんなことよりキスぐらい、いいだろう」
「いや、やめて」
長野の体を思い切り両手で押して、キスを躱したが勢いよく押した反動で真理は後方にバランスを崩した。
ザンッ、真理が倒れ込んだまさにその位置に横倒しに並べてある雪かき用の幾つものスコップ。不運にも倒れ込んだ真理の喉元にスコップの側面があたり、衣服に覆われておらず、細く脆い真理の首はいとも簡単にその半分を切り開かれた。それと同時に吹き出す鮮血。
長野は見ていることしかできなかった。目の前で起きた惨劇に思考が追いついていなかった。
しかし、そんな長野にも異変が起きていた。足元から真っ黒い髪の毛が長野の足を巻き上げ始めていたのだ。
「うわっ、なんだ、これ」
長野が自分に起こっている異変を理解した時、髪の毛はすでに長野の腰の位置まで巻き上げていた。逃げようにも両足は巻き上げられているため動かせない。助けを呼ぼうにも、目の前には吹き出す血液も残っていない血塗れの真理しかいない状況。
「ぐべぁ」
勢いを落とさない髪の毛は、長野の口、耳、鼻、目などあらゆるところから体の中に入り込んでいく。声を上げることもできずに、激痛と何が起きているのかわからないという恐怖に支配されていく長野。体内に入った髪の毛は、気道、食道、血管、あらゆる経路を通り、長野の体内を埋め尽くす。わずかに残った思考を駆使して思ったのは、これは呪いなのか……ということだった。
「なんかさ、2人が用具庫に入ってから結構経ってない」
クラウさんが心配そうに用具庫に目を向けた。確かに2人が入ってからすでに15分は経過している。大丈夫かな、真理さん。
「僕ちょっと様子を見てくるよ」
江藤君がそう言い、用具庫のドアを開けに行った。
ガチャッ
「あれ?おかしいな。鍵が掛かっているよ」
「ちょっとヤバイんじゃない。先生呼んできた方がいいよね」
クラウさんがそう言って、職員室に向けて走っていった。やがてマスターキーで用具庫を開けた教員が中を確認するや否や、救急車を呼んだ。
その後、職員室に呼ばれた僕たちオカルト研究会のメンバーは2人の死亡を聞かされた。2人とも目を見開いて、悔やみの残りそうな表情で亡くなっていたらしい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる