皆さんは呪われました

禰津エソラ

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7 それぞれの思い

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「木原さん、ちょっといいですか」

 僕は定時の体調確認で血圧などの測定にきた木原さんに声を掛けた。

「どうしました?どこか調子が悪いですか?」

「昨日、転んだ時の後頭部の傷が痛くて。見てもらえませんか」

 肩を貸してもらって、歩いて自室に戻り、頭の傷の確認をしてもらう。ここなら、他の誰かに聞かれる心配もないだろう。傷なんてどうでもいい、とにかく木原さんと話をしないと。

「ああ、結構切れてますね。後で先生に見てもらいましょう」

「わかりました。でも、そんなことより、いろいろと思い出したんだ。あの呪いまじないのこと」

 まじないとか言っちゃった。危ない笑いそうだ。

「本当ですか。あの、もしかして」

「うん。おそらく、木原さんの友達を目覚めさせる事もできると思う」

 できる訳ないじゃん、そんな事。そもそも、木原さんの友達なんて知らないし、僕にはどうでもいいよ。

「それは、どうするんですか」

 ほら、乗ってきた。キラキラしてるよ。あれ、良く見ると意外とかわいい顔してるな。まあ、どうでもいい事なんだけどね。

「もう一度、呪いまじないをやるんだ。それ以外に手はないと思う」

「あの蝋燭のヤツをまたやるんですか」

 少し怯えてるかな。まあ、そうだよね。たくさん友達が死んだんだものね。でもさ、友達なんてどうでも良くない?どうせ、裏切るし、信用なんかしないんだから。友達なんていない方が良いんだよ。

「そうだよ。でも、今回は僕がやるから木原さんは道具の用意とその日に夜勤をしてくれるだけでいいよ。何かあっても、木原さんが変な事にならないようにするから」

「すいません。でも、坂井さんには何のメリットもないのに」

 いやいや、メリットあるんですよ。それも、とびきりのがね。ああ、ほんと、笑い堪えるのがたいへんだ。

「私は何を用意すればいいですか?」

 それから僕は、木原さんに用意してもらいたい道具と、呪いを実施している夜に誰も部屋に入らないようにしてもらいたい事を説明した。

 急な夜勤変更だったが、木原さんがうまく話を持っていってくれて何とかなった。

 僕はデイルームでみんなが寛いでいる間に、病室のネームプレートを確認して、その名前を赤いクレヨンで白い紙に書いていった。僕の入院している病棟は二十人の患者がいる。その内、まともに会話ができるのは僕を含めて十五人しかいない。残りの五人はきっと、呪われたと告知を受けても理解できないだろう。そうなると、契約には一人足りなくなる。でも、僕にはそこに名前を書くべき相手がしっかりと頭の中に浮かんでいる。名前もしっかりと覚えている。ソイツを入れて十五人。契約が成立する。

 僕は相変わらず寝れば、FREEDUMの奴らに殺され続けている。きっと、僕の精神はまともではないだろう。毎日、あんな辛い思いをしてるんだからしょうがないと思う。それも、これでお終い。僕は呪いの反動が来ない無敵の人間になるんだ。

 その後、木原さんが頼んでいた物を僕にこっそりと渡してくれた。蝋燭は念のため、煙や熱探知機にも引っかかりづらいだろう小さめの物にしておいた。あとは、鏡が四つ。こんなどこにでもある道具で、人が呪い殺せるなんて恐ろしい話だよ。

 夜になり、僕は手慣れた様子で準備にかかる。自室の床には、木原さんのスマホを使って正確に記した方角が床に刻まれている。僕は慎重に名前の書かれた紙の上に蝋燭を立てた。鏡を正確に東西南北に設置した。紙にはちゃんと十五人分の名前が記されている。前回如月君と試した死因もちゃんと記載した。準備は整っている。

「こんばんは。見回りです」

「木原さんか。後もう少しで時間になるから、いよいよ呪いまじないを始めるよ」

 宜しくお願いします、と言って木原さんは僕の部屋を後にした。さあ、久々だけれど、ワクワクするな。炎がまた揺れて見えますように。

 零時ちょうど、僕は蝋燭に火を灯して、北側の鏡を覗いた。

「おはようございます、坂井さん」

 木原さんが期待を込めた表情で僕に声を掛けてきた。僕は言葉に出さず、ただ頷いてみた。ここで、呪いまじな成功したよ、なんて言えるわけがない。何せ、今僕がいるのは病棟デイルーム。目の前には、朝ごはん。そう、これから朝食なので、僕の周りには大勢の患者がいるのだ。

 木原さんは、僕が頷いた事で成功したと思っているようだ。まあ、ここまでは成功したけれど、ここからもう一つ大切な工程がある。僕はゆっくりと立ち上がり、他の患者たちを見回した。そして、息を吸い込み、できる限り大きな声を出した。

「いいか、よく聞け。僕は昨日夢を見た。夢の中で、ここにいる人間はみんな呪われたんだ。もう助からない。この夢は現実になる。いいか、みんな呪われたんだ」

 多くの目が僕を見つめている。一瞬の静寂の後、デイルームは一斉に騒ぎ出した。

「呪われたのか」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「俺は、もうお終いだ」

 ラウンジ中に響き渡る絶叫。幸か不幸か、ここに入院している患者たちは、素直でいい。これで、告知まで完了した。後は呪いが発動するのを待つばかりだ。そして僕は、この悪夢から抜け出して無敵になる。そうしたら、如月君、会いに行くから待っていてね。

 ダメだ。いよいよ、笑いが止められない。
「ギャッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「大丈夫ですか?坂井さん、坂井さん」

「ギャッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「すいません、誰か手を貸して下さい。すいません」

 僕は看護師たちの手によって、自室に運ばれた。筋注用の鎮静剤を用意している間に興奮も収まり、僕は冷静になっていたので、特に処置もされないで済んだ。看護師たちに、気分が悪いから寝ていると告げて、僕は布団に潜った。

 予定通りいった。
 これで、準備は全て整った。もし何も、明日の朝までこうしていないと。ちょっと辛いけれど、これまでの悪夢に比べれば大したことはない。

 昼食もいらない、午後の集団活動も休むと看護師に伝えて、変わらず布団に潜ったままでいる。

 ああ、でも葛藤だな。僕はこれまで呪いが発動しているところを実際に見ていない。こんな密閉空間で行われるんだ、実際に見られるすごいチャンスだと思う。でも、あまり動き回っていると詐病が疑われてしまう。悩むなぁ。今回のは見応えのあるものにしたんだけれどな。

「坂井さん、大丈夫ですか?それに、みんな呪われたとかって。私、これで今日はあがりになるんですが」

「ああ、木原さん。大丈夫です、あれも演技ですから。今日中には、呪いまじないの効果が出てくると思います」

「本当ですか。これで、やっと……。坂井さん、ありがとうございます。明日また来ます」

「うん。こちらこそありがとう、さようなら木原さん」

 さて、そろそろ集団活動が始まる時間だ。まだかな。早く呪いが発動しないかな。やっぱりちょっとは見てみたい。トイレにも行きたいし、ついでに様子を見てみようかな。

 そう決めて部屋から、ふらつく足取りで廊下に出た。そこで、デイルームを一瞥すると、まさに発動し始めたところだ。
 今日の集団活動は塗り絵らしい。そして、参加者の手には色鉛筆が握られている。一人の患者が色鉛筆を握り直したのを契機に、何人かの患者も色鉛筆を強く握りしめた。そのまま、手を持ち上げ、勢いよく

 耳の穴から突き刺された色鉛筆は、脳に達して、そのまま首を前に倒したり、後ろに倒したりしながら絶命していた。色鉛筆の長さが足りず、死にきれなかった患者は、今度は反対側の手に色鉛筆を持ち、同じように耳の穴に突き挿した。

 集団活動のスペースでは、十四人の患者が耳の穴に色鉛筆を挿した状態で絶命している。出血も多くないが、絶命した人全てが笑っているという不気味な状況だった。

 監視役の看護師と作業療法士が我に帰り、大声で「コードブルー発生」と叫んでいた。

 僕はそれを見て、すごく興奮してしまった。これを僕が操っているんだ。もはや、僕は神なんじゃないだろうか。高揚しすぎていた僕は、失禁しているの事も気が付かずに、デイルームで僕が起こした惨劇を眺めていた。


 これで十四人。残りはあと一人。
 木原さん、本当に感謝しているよ。
 僕の精神を戻してくれて。
 呪いの準備をしてくれて。
 そして、になってくれて。
 お陰様で僕は無敵になるよ。
 ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

 その後、病棟には警察やら何やらがたくさん来て事件なのか事故なのか原因究明が始まっていた。僕も一応話を聞かれたが、分からないと応えただけですんだ。病棟は捜査のため一旦閉鎖されるという事で、僕は他の病棟に移された。

 移された先の病棟で、後頭部の怪我を消毒され、縫ってもらった。この病院はどの病棟も作りが一緒なのか、あまり見た目で変わった印象はない。零時を過ぎた頃に無性に尿意をもよおした。ふらつきながらもトイレに行き、用を足して手を洗うために洗面台に向かった。

「よう。調子はどうだい?」

 誰も居ないはずのトイレで、僕に話しかけてくる声が聞こえた。

「誰だ」

「おいおい、誰だはないだろう。失礼な奴だな」

「うっ、お前は」

 僕の目の前にある鏡には、僕に契約を持ちかけてきたあの悪魔の姿があった。

 合わせ鏡もしていないのに、悪魔が出てきただと。どういうことだろう。

 そうか。契約が成立したんだ。木原さんにも呪いが掛かって、十五人呪い殺したんだ。

「お前がここに来たってことは、終わったんだな、呪い」

「ああ、終わったよ。ご苦労様ってとこだな」

「じゃあ、僕はこれで無敵になったんだろ。契約成立だな」

 よし、これで準備は整った。後は退院して、どうやって嫌いな奴らを呪い殺そうかな。楽しみすぎて、また、笑いが、「ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

「気持ち悪いな、テメェ」

 鏡の中の悪魔から発せられる僕への罵声。こんな言葉を投げつけられるのは、FREEDUMの奴ら以来だな。でも、無敵になった僕にこんなひどい言葉を浴びせるなんて許せないな。

「無敵になった僕にそんな口叩くと後悔するよ」

 僕の言葉を聞いた鏡の中の悪魔が、一瞬、間を置いて爆笑している。何がおかしいんだ、コイツ。

「いや、悪かった。気持ち悪いバカだったんだな。バカをつけ忘れちまったぜ」

 なんだ、コイツ。訳わかんない。なぜ、僕が怖くないんだ。僕は無敵になったのに。

「さて、じゃあ行こうか」

 僕を無敵にする儀式か何かか。そうか、儀式をしていないから、コイツはまだ僕を怖がっていないんだな。その時、鏡から腕が伸びてきて僕の頭をがっしりと掴んで鏡の中に僕を引き込んだ。

◆◇◆◇◆◇

 気がつくと僕は一面鏡ばりの部屋の中央に浮いていた。正確には、両方の手首足首に拘束具がつけられて、吊り上げられている状態だ。しかも、裸だ。パンツ一枚履いていない。

「おう、気がついたか」

 あの悪魔が僕の足元に立っている。どういうことなんだ。これは本当に儀式なのか。

「ここは?」

「まあ、簡単に言えば鏡の中の世界、お前らが鏡越しに見ている世界って感じだな」

 意味がわからない。

「僕はここで呪いの反動が来なくなる儀式でもやるのかい」

「いや、お前はここで死の体験を永遠に繰り返し続ける。今までと違って、目を覚ますという事はないぜ」

 頭の中がハテナマークだらけだ。反動が来なくなるんじゃなかったのか。

「僕はお前に騙されたのか」

「騙してなんかいないぜ。お前は十四人分しか魂を献上出来なかった。つまり、契約不履行。まあ、悪魔との契約を反故にしたんだから相応の地獄は覚悟しておけよ」

「僕はちゃんと呪いをやったぞ。十五人の名前を書いた。間違いは犯していないはずだ」

「そんな事は知らねぇよ。俺のところに届いた魂が十四人分だったって話だ。一人、何か間違ったんだろうよ」


「そんなはずはない。そんなはずは。何かが間違ってる。もう一回、確認してくれ。頼む、頼むよ」

 僕はデイルームで呪いが発動したのを見た。病院でちゃんと呪いが発動していたんだから、アイツにも発動したはずだ。名前だって間違うはずがない。なぜだ、なぜだ、なぜだ。

「それに、それにお前は僕の味方なんじゃないのか」

「ああ、さっきまではな。お前が失敗した時点で、お前は味方から遊び道具に変更だ。俺は、楽しければそれでいいんだよ」

 最悪だ。やっぱり、コイツは信じちゃいけなかったんだ。

「あっそうだ、悪い。聞き忘れてたよ。お前は"出す"と"入れる"だったらどっちがいい?」

 出すと入れるって何だよ。分からないよ。

「後五秒」

 えっ、いきなりなんだよ、それ。分からない、分からないけれど。

「だ、出す、出す」

「了解。じゃあ、たくさん出せよ。お前のところには大勢遊びにくるから、寂しくはねえよ」

 そう言って悪魔の姿が見えなくなると同時に、ドロッと何か柔らかい物音が足元から聞こえた。なんだ、何の音だ。周りを見回しても、もう悪魔の姿は見えなかった。そしてまた、ドロッとかヌチャっというような音がしている。

 音のした方に目線を走らせると、床から青白い腕が一本生えてきていた。

 青白い腕は、少しずつ長さを伸ばして、空中で大の字に吊り上げられている僕のお尻の穴のあたりに辿り着いた。

 何をされる。何が起きるの。お尻の穴を人に触られた事もないけれど。怖い、怖い、怖いよ。

「いギャァぁぁガァグァぁぁ」

 いきなりお尻の穴の周りを、刃物で切られた後、その傷口に指を突っ込まれた感じがした。

「あぎゃゃゃゃぁぁぃギグぁぁあー」

 そのままお尻の穴から、腸を掴まれて引きづり出された。乱暴に引いたせいか途中で、ブチッと腸が切れた。僕の吊るされている下には、血の海と僕の千切れた腸が落ちている。

「おい、ちゃんと処置しておけよ」

 そんな声が聞こえた。

「悪い悪い、痛みは感じなくしておかないと、力んで自分で切っちまうからなぁ。これじゃあ、ゲームにならねぇよな。今、処置したからもう大丈夫だ」

 痛みを感じなくした?
 それはありがたい事なのか。っていうか、誰と話してたんだよ、あの悪魔。

「ウヒっ」

 何かお漏らしをしてしまったような感覚があった。思わず下を見ると、やはり青白い腕が僕の腸を丁寧に引き摺り出している。お腹の中から何かが抜けていく感覚、変わらぬお漏らしの感覚。

 ブツッ

「くそ。小腸は切れやすいな、くそ」

 腕から聞こえるそんな声。

「次は目玉を神経切らずに引き出そうぜ」

「舌も意外と伸びるんだぜ」

「俺はこっちを試したい」

 また柔らかい音がするが、頭の後ろ側でよく見えない。

 ブチッ
 ブチュァッ

 気持ち悪い、気持ち悪い。

 僕の後頭部の傷を広げて、そこから脳を引きづり出してる。頭の中がグルグルする。何を見てるのかも分からなくなる。

 こうして僕は、お尻の穴やへそから腸を引きづり出されたり、脳を出されたり、骨を出されたり、眼球を出されたりと身体から、いろんなものを"出す"という行為を永遠とやられるのだ。終わることのない、この永遠の世界で、死ぬ事も出来ずに。


◆◇◆◇◆◇◆◇

「坂井さん、坂井さん」

「ダメね、全然意識が戻らない。先生を呼んできて」

 翌朝、トイレで倒れている坂井を看護師が見つけた。外傷もなく、昨日縫った後頭部の傷もキレイなままだった。ただ、呼吸だけを繰り返しているだけの存在として発見された

「本当にの言う通りになったわ。人がたくさん死んだのは残念だったけれど、ご苦労様、坂井さん。さようなら」

 ナースステーションから、坂井が運ばれているのを見ながら、木原佳苗がそう呟いていた。

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