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31話 エドモンド・デューイ公爵 その2
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私とフューリは貴族街にあるデューイ邸に向かった。エドモンド・デューイ様の力の象徴である貴族街の別荘……私の屋敷よりもさらに豪華絢爛だった。流石に宮殿程の豪華さはないけれど、それでも十分過ぎるほどだ。
私は執事のアラベスクにも同行してもらっていた。ダンテ兄さまは少し用事があるとのことで、今回は出席しない。メリア王女様も居ないけれど、なんとなく作為的な予感がするのは気のせいだろうか?
馬車はデューイ邸の目の前で停車した。私とフューリ王太子殿下を守る護衛が先に周囲を固め、一つの通路が完成していた。その先には、エドモンド・デューイ様が立っていらっしゃる。彼の周囲にも執事やメイドの姿があった。
「さて、向かうとしようか」
「はい、畏まりました」
フューリとの会話は今回は敬語でやり取りをする。エドモンド様に余計な突っ込みを入れられない為にも。
「ようこそお出でくださいました、王太子殿下。それから……レオーネ・ルヴィンス伯爵令嬢」
「ご無沙汰しております、デューイ公爵」
「ほう、これはご丁寧に……」
まずは、私とエドモンド様が軽く挨拶を交わした。次はフューリとの挨拶だ。
「エドモンド殿も壮健そうで何よりだ。急な会談……という程のものでもないが、予定を作っていただいたことには感謝する」
「王太子殿下からそのようなお言葉を賜りまして、まことに光栄でございます。私は元々は侯爵の立場でしかありませんでした。婿養子としてデューイ家に入っているに過ぎませぬ。我が妻の力がなければ、私は大した権力を持てないのですよ。はははははっ」
「ふふ、冗談として受け取っておこうか」
「どうぞ、ご自由に」
ここまで見る限りでは、エドモンド様はそこまで嫌な印象は受けない。その辺りは、アーロン様の実弟だからだろうか? でも、言葉の端々には何かを感じさせる。
「本日のご用件は、ビクティム・クラウスの件ということを承知しておりますが……間違いはございませんでしょうか?」
最終確認のつもりなのか、エドモンド様はおっしゃった。
「ああ、間違いはない。ビクティム侯爵についてのことだ」
「左様でございますか。それでは、応接室にご案内いたします。そちらでゆっくりとお話しということでよろしいですかな?」
「それで構わない。案内してもらえるか?」
「畏まりました」
エドモンド様は深く頭を下げて、私とフューリ、執事のアラベスクをデューイ邸の中へと誘った。会談が始まろうとしている……。
私は執事のアラベスクにも同行してもらっていた。ダンテ兄さまは少し用事があるとのことで、今回は出席しない。メリア王女様も居ないけれど、なんとなく作為的な予感がするのは気のせいだろうか?
馬車はデューイ邸の目の前で停車した。私とフューリ王太子殿下を守る護衛が先に周囲を固め、一つの通路が完成していた。その先には、エドモンド・デューイ様が立っていらっしゃる。彼の周囲にも執事やメイドの姿があった。
「さて、向かうとしようか」
「はい、畏まりました」
フューリとの会話は今回は敬語でやり取りをする。エドモンド様に余計な突っ込みを入れられない為にも。
「ようこそお出でくださいました、王太子殿下。それから……レオーネ・ルヴィンス伯爵令嬢」
「ご無沙汰しております、デューイ公爵」
「ほう、これはご丁寧に……」
まずは、私とエドモンド様が軽く挨拶を交わした。次はフューリとの挨拶だ。
「エドモンド殿も壮健そうで何よりだ。急な会談……という程のものでもないが、予定を作っていただいたことには感謝する」
「王太子殿下からそのようなお言葉を賜りまして、まことに光栄でございます。私は元々は侯爵の立場でしかありませんでした。婿養子としてデューイ家に入っているに過ぎませぬ。我が妻の力がなければ、私は大した権力を持てないのですよ。はははははっ」
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