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5話 公爵令息との出会い その1
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「き、緊張します……!」
「まあ、そんなに緊張してもしょうがないと思うぞ? まだ、1カ月程度しか期間は空いていないのだし、問題はないさ」
「だといいのですが……」
私とお兄様は現在、舞踏会会場の入り口付近まで来ていた。有名な貴族の方々が次々と入っていくのが見える。私は1カ月程度、引きこもっていたも同然で舞踏会に出席するのはどうしても緊張してしまう。おそらく周りはそこまで意識していないだろうけど。
「お兄様のおっしゃっていた、殿方が私のことを気にしてくれていると言う話を聞くと余計に緊張してしまって……」
「そこは実は私も反省している。舞踏会会場に入ってから言うべきだったとな」
お兄様の発言は確かに私に期待感とは違うプレッシャーを与えていた。1カ月間、公式の舞踏会などに参加しなかった私が周囲からどう見られているのか……その部分はやはり気になってしまう。まあ、1カ月間くらいであれば出なくなる貴族は多いだろうけど。遠征が重なったり、他にも精神的な問題だったりで。
--------------------------
「お兄様……ここは……」
「どうだ、レレイ? 緊張して損をしたと思わないか?」
「確かに……そうですね……」
ジオング宮殿内で開かれた舞踏会……その規模は大きく、私程度が入場したところでそこまで目立つものではなかった。私はなんて自意識過剰だったのだろうと思ってしまうほどだ。私が王女様であれば別だったのかもしれないけど、伯爵令嬢程度であればこんなものよね。
「私はなんだか、自分のことを無意識に高く見積もり過ぎていたみたいです。反省しないといけませんね」
「ああ……その感情はとても大事なことだ。流石は私の妹だな、兄として誇らしいよ」
「ありがとうございます、ウッドロウ兄さま」
お兄様に褒められると嬉しくなってしまう。私は昔からお兄様には甘えていたから……今にして思うと、恥ずかしい経験もしたように思う。幼い頃はお兄様と結婚したいと本気で思っていたしね。
「だが、レレイが自分を高く見積もり過ぎているというのは、少し間違っている。見てみろ」
「えっ……?」
お兄様の言う通り、周囲を見渡してみる。すると、確かに幾つかの視線を感じていた。もしかすると、お兄様の言っていた殿方が私の入場に気付いたのかもしれない。そんな視線の中、一人の男性が私達に近づいて来た。その人物は……。
「ウッドロウ殿、ご無沙汰しております」
「これは……! ラインハルト様!」
「あ……! あ……!」
いきなり話しかけて来たお方は、かのラインハルト・グローリー公爵令息様だった。正確にはお兄様に話しかけて来たわけだけれど……お兄様からは、私のことを気にしているということのようなので、私の心臓は今までにない程に高鳴っていた。
間近で見たラインハルト様のお顔が……想像以上に二枚目だったことは多分、無関係ではないと思う。
「まあ、そんなに緊張してもしょうがないと思うぞ? まだ、1カ月程度しか期間は空いていないのだし、問題はないさ」
「だといいのですが……」
私とお兄様は現在、舞踏会会場の入り口付近まで来ていた。有名な貴族の方々が次々と入っていくのが見える。私は1カ月程度、引きこもっていたも同然で舞踏会に出席するのはどうしても緊張してしまう。おそらく周りはそこまで意識していないだろうけど。
「お兄様のおっしゃっていた、殿方が私のことを気にしてくれていると言う話を聞くと余計に緊張してしまって……」
「そこは実は私も反省している。舞踏会会場に入ってから言うべきだったとな」
お兄様の発言は確かに私に期待感とは違うプレッシャーを与えていた。1カ月間、公式の舞踏会などに参加しなかった私が周囲からどう見られているのか……その部分はやはり気になってしまう。まあ、1カ月間くらいであれば出なくなる貴族は多いだろうけど。遠征が重なったり、他にも精神的な問題だったりで。
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「お兄様……ここは……」
「どうだ、レレイ? 緊張して損をしたと思わないか?」
「確かに……そうですね……」
ジオング宮殿内で開かれた舞踏会……その規模は大きく、私程度が入場したところでそこまで目立つものではなかった。私はなんて自意識過剰だったのだろうと思ってしまうほどだ。私が王女様であれば別だったのかもしれないけど、伯爵令嬢程度であればこんなものよね。
「私はなんだか、自分のことを無意識に高く見積もり過ぎていたみたいです。反省しないといけませんね」
「ああ……その感情はとても大事なことだ。流石は私の妹だな、兄として誇らしいよ」
「ありがとうございます、ウッドロウ兄さま」
お兄様に褒められると嬉しくなってしまう。私は昔からお兄様には甘えていたから……今にして思うと、恥ずかしい経験もしたように思う。幼い頃はお兄様と結婚したいと本気で思っていたしね。
「だが、レレイが自分を高く見積もり過ぎているというのは、少し間違っている。見てみろ」
「えっ……?」
お兄様の言う通り、周囲を見渡してみる。すると、確かに幾つかの視線を感じていた。もしかすると、お兄様の言っていた殿方が私の入場に気付いたのかもしれない。そんな視線の中、一人の男性が私達に近づいて来た。その人物は……。
「ウッドロウ殿、ご無沙汰しております」
「これは……! ラインハルト様!」
「あ……! あ……!」
いきなり話しかけて来たお方は、かのラインハルト・グローリー公爵令息様だった。正確にはお兄様に話しかけて来たわけだけれど……お兄様からは、私のことを気にしているということのようなので、私の心臓は今までにない程に高鳴っていた。
間近で見たラインハルト様のお顔が……想像以上に二枚目だったことは多分、無関係ではないと思う。
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