貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット

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11話 リュウト騎士爵になる

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 次の日に学園に行くと生徒の間では、野外実習の事件が知れ渡っていてナナファ―ナ王女を助けたリュウトは、有名になっていた。

 Aクラスの教室に入ると、ナナファ―ナは大事を取って休みで、ダンライとサヨナァが側に来てサヨナァが。

「ナナファ―ナは、大事を取って今日は休みだよ、リュウトは大丈夫なの?」

「うん、僕は大丈夫だよ」

 直ぐに、担任のレラシオ教師が来て。

「はーい、静かに! 昨日は皆さん大変な事が起こり、お疲れ様でした。Dクラスの生徒が4人亡くなりましたが、このクラスもB級魔獣の襲われてナナファ―ナ王女様が襲われて危なかったのです。リュウト君がナナファ―ナ王女様を助けて、魔獣を倒したので、全員が無事でした。私からもリュウト君に礼を言います。皆を助けてくれてありがとう」

 クラスの全員が拍手をしたのですが、あのガクトイとその取り巻きたちだけは、拍手をせずにリュウトを睨みつけて。

「フン、平民が」と呟いていたのです。

 レラシオ教師が思い出したように。

「今日の授業は、昨日の事もあるので中止です。皆さんも寮に帰って休んでください。リュウト君は学園長室に行って下さい」

 学園長室に行くと、ハンライ学園長が。

「来たか、昨日はナナファ―ナ王女様を助けてくれてありがとう。礼を言う」

「僕は、当然の事をしただけです」

「そうか、だが、リュウトが魔獣を倒さなかったら、ナナファ―ナ王女様は大怪我か死んでいただろう。他の生徒にも被害が出てわしは、責任を取らされて学園長を首に成っていたじゃろう」

「学園長、この部屋で人に聞かれたくない大事な話をしても大丈夫ですか?」

「ん? 大丈夫と言いたいが絶対とは言えん」

 リュウトは防音の魔法を掛けて。

「この部屋に防音の魔法で音が漏れないようしました」

「リュウトはそんな魔法も使えるのか」

「はい、ザガント司祭長から聞いていないのですか」

「聞いておるが、細かい事はまだ聞いておらんのじゃ。本来ならわしたちの主様だから、リュウト様と呼びたいが、許してください」

「ザガント司祭長からも、僕が何故、主様と呼ばれるのか、教えて貰っていないのです。教えてくださいませんか」

「ザガント司祭長は我々の長なので、彼を差し置いて話す事は出来ません。お許しを」

「やっぱり、そうか。時期が来たら話すと言っているから、それ迄は我慢するよ。今は、それよりも昨日の件で話す事があります」

 亡くなったDクラスの生徒の最後の言葉と、握りしめていた紙切れの事を話し、最後に。

「B級魔獣の鋼の猪を召喚して、Dクラス生徒を殺したのは公爵家の長男ガクトイ・ゾンダイでナナファ―ナ王女様を襲わせたのもガクトイで間違いないと思います。証拠がないので・・・・・・学園内でも何かするかも知れないので、注意して下さい」

「ゾンダイ公爵家には悪い噂もあるのです。用意周到で、ずる賢く、証拠を掴めないので王家でも困っておるのです」

「そうなんだ、僕も気を付けておくよ」

「アッ、肝心の事を忘れていました。今から王家からの迎いの馬車が来ますので王城に行って下さい、陛下が会いたいそうです」

「国王陛下に会うの?・・・・嫌だなー・・・・」

「リュウト様、我儘言わずに陛下に会って下さい」

「学園長まで僕に様は付けないでよ」

「人前では、リュウトと呼び捨てで呼びます」

 廊下に人の気配がしたので防音魔法を解くと、ドアーを叩く音がして、騎士姿の女性が。

「失礼します。王城からリュウト様を迎えに来た、白百合騎士団長のアマリン・スワライと申します」

 様を付けて呼んだ女性騎士を見て。

「僕がリュウトです」

「貴方がB級魔物を倒したリュウト様ですか。お迎いに参りました。ご同行願います」

 そう言うなり、腕を取り、まるで連行するように、馬車に連れて行かれたのだ。

 女性騎士の甘い匂いと、胸の弾力の膨らみが腕に当たり、混乱している内に馬車に乗せられたのです。

 馬車の中で僕の正面に白百合騎士団長のアマリン・スワライが座り。

「白百合騎士団は、ナナファ―ナ王女様を護衛する為に結成された騎士団で私が団長を務めています。此れからはリュウト様にもお目に掛かる機会が多くなると思いますが、宜しくお願い致します」

アマリン騎士団長に振り回されてパニックに陥ったが、何とか正常に戻り。

「あのぅ、僕は平民ですから様を付けて呼ばないで下さい」

「大丈夫です! ナナファ―ナ王女様の命を救ったのですから、多分、騎士爵か男爵に任命されて貴族に成ると思います」

 お思いがけない事をいわれて、前世と合わせて40歳のリュウトも流石に驚いたのであった。

 前に座ったアマリン騎士団長は、心の中で。

(鋼の猪を倒した強者と聞いていたから、豪傑みたいな怖い顔を想像していたのに、すごい綺麗な顔立ちで、私の好みだわ。でも大分年下ね、年下でも良いか)

  正面に座る女性騎士団長が、そんな事を考えているとは知らないリュウトは、王城での事を考えて心配していたのです。



 王城に着くと、アマリン騎士団長の案内で控えの間に案内され、直ぐに係りの人が来て。

「用意が出来ましたので、謁見の間にどうぞ」

 アマリン騎士団長が先導して。

「私に付いて来て下さい。謁見の間に入ったなら、私の真似をして下さい。その後に失礼のない挨拶をしてください」


 豪華な扉の前に騎士がいて、扉を開けてくれ、アマリン騎士団長に続いて謁見の間に入ると。

 上段の椅子に、王冠を付けた筋肉質で40代後半の武人のような体つきの国王が座っていた。

 その上段の両側に、王妃様と思われる綺麗な女性と、ナナファ―ナ王女様が座っている。

 上段の下には、高位の貴族と思われる人たちが並んでいた。

 リュウトは、アマリン騎士団長の斜め後ろから付いて行き、彼女の所作を真似て同じ所で片膝を付き。

 反対の腕を胸に当てて顔を上げずに臣下の礼をした。

 上段の国王が威厳のある声で。

「面を上げよ」

 言われて顔を上げると、アマリン騎士団長が

「リュウト様をお連れいたしました」

 その後。彼女は黙ってしまい。その後どうしたらいいのか迷った。

 どうにでもなれと開き直り、前世の知識をフル活用して。

「今日は、お招きいただき、ありがとうございます。
お初にお目に掛かります。私は希望孤児院の園長の息子でナナファ―ナ王女様の同級生で平民のリュウトと申します。本日は、国王陛下様のご尊顔を拝謁する機会を設けて頂き、ありがたく存じます。此れからも何卒宜しくお願い申し上げます」

 挨拶を終わると、謁見の間が水を打った様に、シーンとしてしまい。

 その後に騒めき、居並ぶ貴族たちが。

「本当に平民なのか? ・・・・・・・・ 高位の貴族よりも見事な言葉使いと挨拶だ。・・・・・・・・もしかして、どこかの国の王族なのか?」

 リュウトは緊張して貴族たちの話した事は、耳に入らなかったのでした。

 壇上にいる、王妃とナナファ―ナ王女様の2人も驚き、顔を見合わせてナナファ―ナ王女は、

「やっぱり! リュウトは只の平民では無くて、本当の正体を隠しているのね」

 誰にも聞こえない小さな声で呟いていた。

 挨拶を聞いて国王は、異例な事に、同格の人物に対しての様な返答して。

「素晴らしい挨拶、痛み入る。余は、オスガン王国の、バイセラ・オスガン国王である、余の子供のナナファ―ナ王女を魔獣から守り、命を助けてくれた事に感謝して礼を言う。誠にありがとう」

 そう言い、バイセラ国王は高位の貴族にもしたことのない、頭を軽くだが下げたのでした。

 居並ぶ貴族たちは、驚いていた。宰相のランキン公爵だけは、驚く事も無く嬉しそうに表情を崩している。

 宰相のスマライ公爵が、掛けている眼鏡を押し上げて。


『リュウト殿、この度の、B級魔獣の鋼の猪を成敗し、ナナファ―ナ王女を救った事と学園の生徒たちを守った功績に対して、貴殿に一代限りの騎士爵を与える事とした』

 リュウトは断る事など出来ずに。

「身に余る光栄でございます。ありがたく受託させて頂きます。誠にありがたく存じます」

 その時に、大きな声で。

「わしは、反対ですぞ! 平民に爵位を授けるなど、反対致します」

 陛下が一瞬、目を鋭く光らせて。

「ほぅー! 聞くところによると、ゾンダイ公爵、お主の息子も魔獣に追いかけられていたのをリュウト殿に助けられていたのではないか?自分の息子を助けてくれた恩人に対する態度とは思われんが」

「わしの息子は、魔獣を倒そうとした所を平民が横取りして倒したと聞いております」

 陛下が先程と違い、ひょうひょうとした意地悪そうな顔で。

「教官や騎士、生徒のその場にいた全員が、お主の息子はD組の殺された、森の奥から追いかけられ、魔獣に襲われるはずなのに、何故か襲われずに合宿地の近くに来てから助けを呼んだと言い、不思議がっていたが。あの森にはB級魔物は生息おらず、誰かがB級魔獣を召喚した疑いがあるのだ。そう言えば、お主のゾンダイ公爵家は代々魔獣の召喚を得意にしていたが、まさかお主の息子が召喚したのでは、ないだろうな?」

 ゾンダイ公爵は、国王陛下の言葉に少し動揺したが、動じる事も無く開き直ったのか。

「確かにわしの家系は、代々魔獣の召喚の出来る家系ですが、そんな事をすれば直ぐにバレます。息子もそんな馬鹿では無いので、そんな事はするはずがあり得ないです。此の大陸には、召喚魔法を使える平民もいる位ですから」

「証拠は無いので、誰が何の目的では分からないが時期が来れば分かるであろう。話を戻すが、お主はリュウトを騎士爵にするのは絶対に反対なのだな」

「い、いや、そうではありません、わしも賛成致します」

「そうか、では姓をプテラノを与えて、リュウト・プテラノを騎士爵に任ずる」

 こうして、リュウトは、リュウト・プテラノとして騎士爵になり貴族の仲間入りをしたのである。

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