23 / 58
23話 シャロム辺境伯領地で
しおりを挟むシャロム辺境伯領都は、高い防御壁に囲まれていて、王都とは比べようがないがそれなりに賑やかだった。
しかし活気が無く、道行く人も元気がなさそうだ。
シャロム辺境伯の屋敷は、まるで城塞みたいでいざという時には住民たちを避難させる為の場所と準備もあり。
シャロム辺境伯が住民を大切にしているのが伝わった。
屋敷の中に入ると、中は貴族には珍しく質素で実用的な作りでシャロム辺境伯の人柄を表している。
その晩は、歓迎会が開かれてガンゾイ辺境伯が。
「大したお持て成しも出来なくて申し訳ない。我慢してください。此の領地は貧しくてナチラス聖国に対する備える事が精一杯で、領民は天使教会のある所に流失して残っているのは、龍神教の熱心な信徒ばかりになってしまい。住民が少なく困っているのです」
リュウトは、領内を通過中に感じた事を伝えた。
「此の領地の気候は良いのに作物が育たないのは、川が少なく土地が乾燥して荒れ地が多いのが原因と思います。近くに大きな河は無いのですか」
「領内の外れの北の方に大きな河はあるのだが、何分にも少し遠すぎて魔獣の多い森の中なのです」
「そうですか、明日は領内を見て回っても良いですか」
「自由に見て回って良い案を考えてくれたらありがたい。よろしく頼む」
次の日の朝早くから、ガンゾイ辺境伯が案内役になり、車で魔獣が住む森の中の河を見に行ったのだ。
森の入り口に近づき、車をマジックバックに入れて森の中を進むと、B級魔獣までの魔獣が50匹くらい出た。
リュウト以外の3人が難なく倒して進むと、ゴウゴウと音がして幅が300m以上はある大きな河があり大量の水が流れているではないか。
リュウトは、それを見て喜び。
「ガンゾイ、此れなら領内を作物の出来る土地に出来るよ」
「本当ですか? 此処から領内迄は遠すぎて疎水工事を進めるのは無理だと思います。それに工事は完成まで何年も掛かります」
「大丈夫だよ! 任せて」
河から100m位離れた所から土魔法で川を掘り始めて、あっという間に森の外まで幅40m深さ10m位の川を作り。
車に乗り込み車の進む速さで川を掘り進み、領内の荒れ地を流れて本流の南の下流に合流するようにその日の内にしたのだ。
ガンゾイが驚いていたが、次の日から荒れ地を土魔法で開墾し、森から落ち葉の貯まった栄養のある腐葉土を運び作物の出来る土地に変えて。
掘った川から更に支流を作り、開墾した土地に流れるようにした。
最後に森の中の残して置いた100mを本流に繋ぐと。
本流から水がゴウゴウと音を立てて新しく作った川に流れ出して荒れ地だった土地に流れ込み、わずか1週間で不毛の荒れ地が豊かな農地に変わっている。
わずか1週間で領内の荒れ地が豊かな農地に変わったのには、領主のガンゾイは勿論、見ていて領民や農民が驚き信じられなく。
更に此の土地に会う農作物を農民に配り、農作物に促進魔法を掛けて短期間で収穫すると奇跡だと騒ぎ。
「リュウト様は、神様だ」
と言い、尊敬して感謝していたのだ。
辺境伯領に来てから、1か月の間に農地改革や領兵、主な領民の鑑定をして適正な職業を教えた時は、鑑定の魔道具を早く完成させなくてはと思ったのだ。
そんな事をしている間に、ダンライとサヨナァは、領兵には過酷な訓練をさせ、森に連れて行き魔獣と戦わせて領兵は悲鳴を上げている。
だが、此の過酷な訓練で領兵たちは、最初は倒せなかったB級魔獣を簡単に倒せる実力を付けたのだ。
ナナファ―ナは、何処に行くのもリュウトと一緒に行動してノートに必要な事を記入して秘書の役目をしている。
そんなある日に、沼地に稲を見つけて辺境拍地は前世の東北に似ていたので、米を特産地にする為に、農民に栽培方法を教えて促進魔法で育てて稲を刈り取り。
領民に食べさせると好評で、更に取れた米で日本酒を作り試飲させると絶賛されて特産品とし。
その他にもブドウ等の果物も作りワイン作りも成功したのだ。
最初は促進魔法を使い短期間で試験的に色んな作物を作ったが、後は栽培方法を書いたノートを渡して農民が自分たちで栽培出来るようにして置いた。
2か月近く伯爵領内で活動して領民からは神のように崇められている。
龍人王とは公表出来ないのでガンゾイが龍神教の信徒だと言うと。
「リュウト様は、龍人王様が遣わされた使徒様だ」
と言い始めて、この地に一つある龍神教会にお参りする信徒が増えた。
後に、シャロム辺境伯領は農作物の生産地と酒とワインの生産地として有名になり、王都に次ぐ都市に発展した。
そんなある日に、リュウトとナナファ―ナは領都を見渡せる丘の上に夜景を見に来ていて。
「リュウトは、凄いわね。たった2か月でこの地を此処まで変えるなんて領民が神様だと言うのも分かるわ」
「僕は自分の出来る事をしただけだよ。僕にこんな能力を与えてくれたラブシャーヌ創造の女神様に感謝しているよ。おかげで大好きなナナファ―ナに出会いたしね」
「ん~、リュウトは最近、口が上手くなったわね。私が喜ぶような言葉を何気なく言えるし、他の女性を口説かないでよ。この国は男性が女性の半分で、奥さんを5人まで持つことが認められているからリュウトなら女性が群がりそうで心配なのよ」
「僕は、ナナファ―ナ以外には興味が無いから、心配しなくて大丈夫だよ」
2人は、寄り添い満天の星空の下で抱き合い初めてのキスを交わしたのであった
その晩にベッド入ったリュウトは、気が付くと見た事の無い白亜の小さいが綺麗な宮殿の前の綺麗な噴水が噴き出ている庭にいるではないか。
此れは夢だと思っていると、宮殿の中から真っ白な布をドレスの様に纏った、綺麗な女性が現れて。
「驚いているかしら。私は創造の女神ラブシャーヌよ。私の世界に合う優秀な魂を探していた時に貴方が死んで、貴方の魂が探していた魂だったので新しく生命を与えて龍神王として蘇らせたのよ」
リュウトは、此れが夢では無いと思い。
「どうして、凡人の僕を選んだのですか?」
「ウッフフ、選んだ理由はないわ。ただあなたの魂は驚くほど純粋で綺麗だったから選んだのよ、迷惑だったかしら」
「いえ、第二の人生をありがとうございます。今は感謝しています」
「オッホホ、貴方は正直ね。リュウトを呼んだのは、封印しておいた力を全開にする為よ。鑑定の魔道具が使えないのも時期が来るまで封印していたからなの。
この世界を守るためには、貴方の力が必要でそろそろリュウトの力を全開にしなければいけない時期に来たのよ。ちょっと、我慢してね」
創造の女神ラブシャーヌがそう言うと身体が光始めて燃えるように熱くなり意識を無くなしたのである。
126
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる