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第三章 真相
6. 密告
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今日は、ロレンシオを自分のタウンハウスに呼び出した。王都の社交シーズンももう少しで終わる。私は仕事の都合上、当面王都にいるつもりだが、多分彼は一旦、自領に戻るだろう。その前に色々と確認しておきたかった。
「フロレンシアに呼び出されるなんて、うれしいです。」
ロレンシオが無邪気に笑った。そのまま、私のお気に入りのサンルームに彼を案内した。紅茶をすすりながら、なんとなく本題を切り出しづらくて、雑談をつなげる。庭の花の話、最近本屋で開催した小説コンテストの話、それに王都で流行のケーキ屋さんの話――。
「そういえば、フロレンシアの元婚約者のメルカド伯爵ですが、今度脱税で調査が入るらしいですよ。」
ああ、父が言っていた話か。まだ明るみになっていない情報だから、知らないふりをしよう。でも同時に、ある疑念がよぎった。
「え、嘘でしょ。あのクラウディオ様が!?とても誠実な方だと思っていたのに……。人は見かけによらないものね。」
「フロレンシアも無事婚約が解消できてよかったです。あんな善良そうな顔して、不正を働くなんて。知らずに結婚していたら、新婚早々、脱税が見つかって大変でしたよ。」
「――ねえ、ロレンシオ。あなた、その話どこから聞いたの?」
「ああ、会計院に僕の学園時代の友達がいて、こっそり教えてくれたんです。これ、内緒ですよ。」
「――ごめんね、試すようなこと言って。今回の件、クラウディオ様はどちらかというと被害者だって知っていた?」
「はぁ?なんのことでしょう?」
「実は先代から雇っていた執事が横領していたの。テリソート語が分からないクラウディオは、改竄された帳簿上の売り上げを見て、今まで税金を支払っていたはずよ。なぜ、あなたは横領の話は知らないで、脱税と今度調査が入る話だけを知っているの?」
ロレンシオが黙った。沈黙が、穏やかでぽかぽかとしたサンルームを重苦しい雰囲気に変えた。
「――何がいいたいんです?フロレンシア。」
「あなたが、クラウディオを、メルカド伯爵家を脱税の容疑で密告したんじゃないの?テリソートでの魔石の売り上げと税の納付額が合っていないって。メルカド家のものから伝え聞いた話では、外部からタレコミがあったって話よ。」
「――横領があったとしても、脱税は脱税でしょう?おかしなことをしているのに気づいたら、報告するのは国民としての、そして我々貴族としての義務のはずです。」
こんなロレンシオ見たことがない。剣のように鋭い言葉が、私の心に突き立てられている。――でもここで怯んではいけないと思った。私は確かめなければならない。
「あなた、今までも私の婚約者をはめて来たわね?私と別れるように。」
「フロレンシアに呼び出されるなんて、うれしいです。」
ロレンシオが無邪気に笑った。そのまま、私のお気に入りのサンルームに彼を案内した。紅茶をすすりながら、なんとなく本題を切り出しづらくて、雑談をつなげる。庭の花の話、最近本屋で開催した小説コンテストの話、それに王都で流行のケーキ屋さんの話――。
「そういえば、フロレンシアの元婚約者のメルカド伯爵ですが、今度脱税で調査が入るらしいですよ。」
ああ、父が言っていた話か。まだ明るみになっていない情報だから、知らないふりをしよう。でも同時に、ある疑念がよぎった。
「え、嘘でしょ。あのクラウディオ様が!?とても誠実な方だと思っていたのに……。人は見かけによらないものね。」
「フロレンシアも無事婚約が解消できてよかったです。あんな善良そうな顔して、不正を働くなんて。知らずに結婚していたら、新婚早々、脱税が見つかって大変でしたよ。」
「――ねえ、ロレンシオ。あなた、その話どこから聞いたの?」
「ああ、会計院に僕の学園時代の友達がいて、こっそり教えてくれたんです。これ、内緒ですよ。」
「――ごめんね、試すようなこと言って。今回の件、クラウディオ様はどちらかというと被害者だって知っていた?」
「はぁ?なんのことでしょう?」
「実は先代から雇っていた執事が横領していたの。テリソート語が分からないクラウディオは、改竄された帳簿上の売り上げを見て、今まで税金を支払っていたはずよ。なぜ、あなたは横領の話は知らないで、脱税と今度調査が入る話だけを知っているの?」
ロレンシオが黙った。沈黙が、穏やかでぽかぽかとしたサンルームを重苦しい雰囲気に変えた。
「――何がいいたいんです?フロレンシア。」
「あなたが、クラウディオを、メルカド伯爵家を脱税の容疑で密告したんじゃないの?テリソートでの魔石の売り上げと税の納付額が合っていないって。メルカド家のものから伝え聞いた話では、外部からタレコミがあったって話よ。」
「――横領があったとしても、脱税は脱税でしょう?おかしなことをしているのに気づいたら、報告するのは国民としての、そして我々貴族としての義務のはずです。」
こんなロレンシオ見たことがない。剣のように鋭い言葉が、私の心に突き立てられている。――でもここで怯んではいけないと思った。私は確かめなければならない。
「あなた、今までも私の婚約者をはめて来たわね?私と別れるように。」
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