年下のユニコーン獣人が私の婚活の邪魔をしていたって本当ですか?!

志熊みゅう

文字の大きさ
34 / 35
第四章 本当の愛

6. プロポーズ

しおりを挟む
 後日、日を改めてロレンシオを我が邸に招待した。ロレンシオが以前送ってくれたアメジストのジュエリーセットに、紫色のドレスに合わせた。

「ロレンシオ、ごきげんよう。」

「フロレンシア、今日は一段とお美しいです。」

 恍惚と私を見つめるロレンシオ。よく見ると、彼も私の瞳の色のポケットチーフを胸を入れている。真っ赤な薔薇の花束をまず手渡された。

「きれいね。ありがとう。早速部屋に飾らせてもらうわ。」

 そのまま、お気に入りのサンルームに案内した。

「実は、うちのタウンハウスにもサンルームを作らせているんです。フロレンシアに気に入ってもらえればいいのですが。」

「ふふ。仕事が早いのね。あなたらしいわ。」

 サンルームに置かれたテーブルセットに腰を掛けると、ブランカが紅茶を注いでくれた。

「――あのね、私はやっぱり人間だから、獣人の常識や本能を押し付けられても困るの。だから、何の説明もなく、誓印をつけられた時は正直困惑したわ。」

「あれは、すみませんでした。セレスティノがフロレンシアに話しかけて口説いているのを見て、つい。」

「あなたにはユニコーン獣人の血が混じっているから、余計私が異性と接することに対して拒否感があるのは知っている。頭では理解しているつもりよ。だけど、何かをする前に、まず私にきちんと説明してください。」

「はい。」

「あと、媚薬の件はフリオとアヴリル嬢の関係について、あなたは知らなかったってことでいいのかしら。確かに彼女は、引き継ぐ予定の爵位と領地があったから、別の姓を名乗っていたそうね。フリオの家が後ろ盾だってことを知らない同級生がたくさんいたって、アイナ嬢から聞いたわ。」

「ええ、そうです。」

 そして、早速本題だ。意を決して口を開いた。

「それと前にも言ったと思うけど、私あなたと結婚したとしても、仕事を続けるわよ。本屋と出版業は私のライフワークだから。それと仕事をしていると、マヌエルみたいにどうしても私に密かに恋心を抱くような異性とも、ビジネスパートナーとして接していくことになるけど、それは大丈夫?」

「もちろんです。僕にだって、そのくらいの我慢はできます。求婚してから、仕事をするフロレンシアを間近でみて、さらにあなたが好きになりました。だから続けてください。なんなら、うちの事業も一部も手伝って頂きたいくらいです。」

 ロレンシオは、かつての約束通り、私が今まで通り事業を続けることを認めてくれた。さらに公爵家の事業まで。背中を押されたことがうれしかった。

「――フロレンシア、好きです。大好きです。あなたはとても美しい。そして、いつも前向きで、知的で、どこまでも清らかで――森で見つけてもらったあの日から、ずっと僕の憧れでした。あなたを絶対に幸せにします。だから僕と結婚してください。」

 そういって、ポケットから小箱を取り出した。中身はパープルダイヤモンドの指輪だ。大ぶりで珍しい色なのに透明度が高い。さらに真ん中のダイヤモンドの周りを、小ぶりのカラーレスダイヤモンドがぐるりと一周囲って、さらに輝きを増している。思わずその美しさに息をのんだ。

「――ありがとう、ロレンシオ。私、あなたより5歳年上だし、今まで5回も婚約破棄されているけど、本当に本当に私でいいの?」

「何度だって言いますが、僕はフロレンシアがいいんです。あなたと幸せな家庭を築いていきたい。あなたと人生を共に歩みたい。」

「わかりました。ではロレンシオ、よろしくお願いします。」

 ぱあっと目を輝かせたロレンシオが、そっと左手の薬指に先ほどの指輪をはめた。紫の輝きが白肌に映える。そこから、ロレンシオが私の好きのところ、どれだけ私のことが好きかと、とうとうと語り始めた。さすがにほめられ続けると照れてしまう。

「ロレンシオ、ありがとう。あなたに愛されているって十分すぎるくらい分かったわ。だから、これからのことを相談しましょう。」

「そうですね。つい話過ぎてしまいました。一緒に暮らし始めたら、毎日この思いを伝えることができるのに。」

「ふふ、ありがとうね。結婚式はどうしようかしらね。両家の意向もあるけど。」

「うちはフロレンシアの希望の場所でいいですよ。この前、オスカル殿が結婚式を挙げた大聖堂でも、王家の婚姻で使う中央聖教会でも。」

 あ、そっか。アルバ公爵家は王族の傍系だから、中央聖教会で結婚式をあげることができるのか。中央聖教会は大聖堂よりも、絵画や宝飾品が多く、どちらかというと派手な印象の教会だ。自分があの教会で結婚式を挙げるなんて今まで考えたこともなかった。ロレンシオの提案に胸がときめいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

【完結】ハメられて追放された悪役令嬢ですが、爬虫類好きな私はドラゴンだってサイコーです。

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
 やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。  王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。  教会に生涯幽閉となる手前で、幼馴染である宰相の手腕により獣人の王であるドラゴンの元へ嫁がされることに。  惨めだとあざ笑うサーシャたちを無視し、悲嘆にくれるように見えたルナティアだが、実は大の爬虫類好きだった。  簡単に裏切る人になんてもう未練はない。  むしろ自分の好きなモノたちに囲まれている方が幸せデス。

【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」

まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05 仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。 私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。 王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。 冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。 本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。 前世では犬の獣人だった私。 私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。 そんな時、とある出来事で命を落とした私。 彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。

番認定された王女は愛さない

青葉めいこ
恋愛
世界最強の帝国の統治者、竜帝は、よりによって爬虫類が生理的に駄目な弱小国の王女リーヴァを番認定し求婚してきた。 人間であるリーヴァには番という概念がなく相愛の婚約者シグルズもいる。何より、本性が爬虫類もどきの竜帝を絶対に愛せない。 けれど、リーヴァの本心を無視して竜帝との結婚を決められてしまう。 竜帝と結婚するくらいなら死を選ぼうとするリーヴァにシグルスはある提案をしてきた。 番を否定する意図はありません。 小説家になろうにも投稿しています。

政略結婚の作法

夜宮
恋愛
悪女になる。 そして、全てをこの手に。 政略結婚のために身分違いの恋人のいる王太子の婚約者となった公爵令嬢は、妹の囁きを胸に悪女となることを決意した。 悪女と身分違いの恋人、悪女になるはずだった妹の物語。

断罪されてムカついたので、その場の勢いで騎士様にプロポーズかましたら、逃げれんようなった…

甘寧
恋愛
主人公リーゼは、婚約者であるロドルフ殿下に婚約破棄を告げられた。その傍らには、アリアナと言う子爵令嬢が勝ち誇った様にほくそ笑んでいた。 身に覚えのない罪を着せられ断罪され、頭に来たリーゼはロドルフの叔父にあたる騎士団長のウィルフレッドとその場の勢いだけで婚約してしまう。 だが、それはウィルフレッドもその場の勢いだと分かってのこと。すぐにでも婚約は撤回するつもりでいたのに、ウィルフレッドはそれを許してくれなくて…!? 利用した人物は、ドSで自分勝手で最低な団長様だったと後悔するリーゼだったが、傍から見れば過保護で執着心の強い団長様と言う印象。 周りは生暖かい目で二人を応援しているが、どうにも面白くないと思う者もいて…

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

処理中です...