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第四章 本当の愛
6. プロポーズ
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後日、日を改めてロレンシオを我が邸に招待した。ロレンシオが以前送ってくれたアメジストのジュエリーセットに、紫色のドレスに合わせた。
「ロレンシオ、ごきげんよう。」
「フロレンシア、今日は一段とお美しいです。」
恍惚と私を見つめるロレンシオ。よく見ると、彼も私の瞳の色のポケットチーフを胸を入れている。真っ赤な薔薇の花束をまず手渡された。
「きれいね。ありがとう。早速部屋に飾らせてもらうわ。」
そのまま、お気に入りのサンルームに案内した。
「実は、うちのタウンハウスにもサンルームを作らせているんです。フロレンシアに気に入ってもらえればいいのですが。」
「ふふ。仕事が早いのね。あなたらしいわ。」
サンルームに置かれたテーブルセットに腰を掛けると、ブランカが紅茶を注いでくれた。
「――あのね、私はやっぱり人間だから、獣人の常識や本能を押し付けられても困るの。だから、何の説明もなく、誓印をつけられた時は正直困惑したわ。」
「あれは、すみませんでした。セレスティノがフロレンシアに話しかけて口説いているのを見て、つい。」
「あなたにはユニコーン獣人の血が混じっているから、余計私が異性と接することに対して拒否感があるのは知っている。頭では理解しているつもりよ。だけど、何かをする前に、まず私にきちんと説明してください。」
「はい。」
「あと、媚薬の件はフリオとアヴリル嬢の関係について、あなたは知らなかったってことでいいのかしら。確かに彼女は、引き継ぐ予定の爵位と領地があったから、別の姓を名乗っていたそうね。フリオの家が後ろ盾だってことを知らない同級生がたくさんいたって、アイナ嬢から聞いたわ。」
「ええ、そうです。」
そして、早速本題だ。意を決して口を開いた。
「それと前にも言ったと思うけど、私あなたと結婚したとしても、仕事を続けるわよ。本屋と出版業は私のライフワークだから。それと仕事をしていると、マヌエルみたいにどうしても私に密かに恋心を抱くような異性とも、ビジネスパートナーとして接していくことになるけど、それは大丈夫?」
「もちろんです。僕にだって、そのくらいの我慢はできます。求婚してから、仕事をするフロレンシアを間近でみて、さらにあなたが好きになりました。だから続けてください。なんなら、うちの事業も一部も手伝って頂きたいくらいです。」
ロレンシオは、かつての約束通り、私が今まで通り事業を続けることを認めてくれた。さらに公爵家の事業まで。背中を押されたことがうれしかった。
「――フロレンシア、好きです。大好きです。あなたはとても美しい。そして、いつも前向きで、知的で、どこまでも清らかで――森で見つけてもらったあの日から、ずっと僕の憧れでした。あなたを絶対に幸せにします。だから僕と結婚してください。」
そういって、ポケットから小箱を取り出した。中身はパープルダイヤモンドの指輪だ。大ぶりで珍しい色なのに透明度が高い。さらに真ん中のダイヤモンドの周りを、小ぶりのカラーレスダイヤモンドがぐるりと一周囲って、さらに輝きを増している。思わずその美しさに息をのんだ。
「――ありがとう、ロレンシオ。私、あなたより5歳年上だし、今まで5回も婚約破棄されているけど、本当に本当に私でいいの?」
「何度だって言いますが、僕はフロレンシアがいいんです。あなたと幸せな家庭を築いていきたい。あなたと人生を共に歩みたい。」
「わかりました。ではロレンシオ、よろしくお願いします。」
ぱあっと目を輝かせたロレンシオが、そっと左手の薬指に先ほどの指輪をはめた。紫の輝きが白肌に映える。そこから、ロレンシオが私の好きのところ、どれだけ私のことが好きかと、とうとうと語り始めた。さすがにほめられ続けると照れてしまう。
「ロレンシオ、ありがとう。あなたに愛されているって十分すぎるくらい分かったわ。だから、これからのことを相談しましょう。」
「そうですね。つい話過ぎてしまいました。一緒に暮らし始めたら、毎日この思いを伝えることができるのに。」
「ふふ、ありがとうね。結婚式はどうしようかしらね。両家の意向もあるけど。」
「うちはフロレンシアの希望の場所でいいですよ。この前、オスカル殿が結婚式を挙げた大聖堂でも、王家の婚姻で使う中央聖教会でも。」
あ、そっか。アルバ公爵家は王族の傍系だから、中央聖教会で結婚式をあげることができるのか。中央聖教会は大聖堂よりも、絵画や宝飾品が多く、どちらかというと派手な印象の教会だ。自分があの教会で結婚式を挙げるなんて今まで考えたこともなかった。ロレンシオの提案に胸がときめいた。
「ロレンシオ、ごきげんよう。」
「フロレンシア、今日は一段とお美しいです。」
恍惚と私を見つめるロレンシオ。よく見ると、彼も私の瞳の色のポケットチーフを胸を入れている。真っ赤な薔薇の花束をまず手渡された。
「きれいね。ありがとう。早速部屋に飾らせてもらうわ。」
そのまま、お気に入りのサンルームに案内した。
「実は、うちのタウンハウスにもサンルームを作らせているんです。フロレンシアに気に入ってもらえればいいのですが。」
「ふふ。仕事が早いのね。あなたらしいわ。」
サンルームに置かれたテーブルセットに腰を掛けると、ブランカが紅茶を注いでくれた。
「――あのね、私はやっぱり人間だから、獣人の常識や本能を押し付けられても困るの。だから、何の説明もなく、誓印をつけられた時は正直困惑したわ。」
「あれは、すみませんでした。セレスティノがフロレンシアに話しかけて口説いているのを見て、つい。」
「あなたにはユニコーン獣人の血が混じっているから、余計私が異性と接することに対して拒否感があるのは知っている。頭では理解しているつもりよ。だけど、何かをする前に、まず私にきちんと説明してください。」
「はい。」
「あと、媚薬の件はフリオとアヴリル嬢の関係について、あなたは知らなかったってことでいいのかしら。確かに彼女は、引き継ぐ予定の爵位と領地があったから、別の姓を名乗っていたそうね。フリオの家が後ろ盾だってことを知らない同級生がたくさんいたって、アイナ嬢から聞いたわ。」
「ええ、そうです。」
そして、早速本題だ。意を決して口を開いた。
「それと前にも言ったと思うけど、私あなたと結婚したとしても、仕事を続けるわよ。本屋と出版業は私のライフワークだから。それと仕事をしていると、マヌエルみたいにどうしても私に密かに恋心を抱くような異性とも、ビジネスパートナーとして接していくことになるけど、それは大丈夫?」
「もちろんです。僕にだって、そのくらいの我慢はできます。求婚してから、仕事をするフロレンシアを間近でみて、さらにあなたが好きになりました。だから続けてください。なんなら、うちの事業も一部も手伝って頂きたいくらいです。」
ロレンシオは、かつての約束通り、私が今まで通り事業を続けることを認めてくれた。さらに公爵家の事業まで。背中を押されたことがうれしかった。
「――フロレンシア、好きです。大好きです。あなたはとても美しい。そして、いつも前向きで、知的で、どこまでも清らかで――森で見つけてもらったあの日から、ずっと僕の憧れでした。あなたを絶対に幸せにします。だから僕と結婚してください。」
そういって、ポケットから小箱を取り出した。中身はパープルダイヤモンドの指輪だ。大ぶりで珍しい色なのに透明度が高い。さらに真ん中のダイヤモンドの周りを、小ぶりのカラーレスダイヤモンドがぐるりと一周囲って、さらに輝きを増している。思わずその美しさに息をのんだ。
「――ありがとう、ロレンシオ。私、あなたより5歳年上だし、今まで5回も婚約破棄されているけど、本当に本当に私でいいの?」
「何度だって言いますが、僕はフロレンシアがいいんです。あなたと幸せな家庭を築いていきたい。あなたと人生を共に歩みたい。」
「わかりました。ではロレンシオ、よろしくお願いします。」
ぱあっと目を輝かせたロレンシオが、そっと左手の薬指に先ほどの指輪をはめた。紫の輝きが白肌に映える。そこから、ロレンシオが私の好きのところ、どれだけ私のことが好きかと、とうとうと語り始めた。さすがにほめられ続けると照れてしまう。
「ロレンシオ、ありがとう。あなたに愛されているって十分すぎるくらい分かったわ。だから、これからのことを相談しましょう。」
「そうですね。つい話過ぎてしまいました。一緒に暮らし始めたら、毎日この思いを伝えることができるのに。」
「ふふ、ありがとうね。結婚式はどうしようかしらね。両家の意向もあるけど。」
「うちはフロレンシアの希望の場所でいいですよ。この前、オスカル殿が結婚式を挙げた大聖堂でも、王家の婚姻で使う中央聖教会でも。」
あ、そっか。アルバ公爵家は王族の傍系だから、中央聖教会で結婚式をあげることができるのか。中央聖教会は大聖堂よりも、絵画や宝飾品が多く、どちらかというと派手な印象の教会だ。自分があの教会で結婚式を挙げるなんて今まで考えたこともなかった。ロレンシオの提案に胸がときめいた。
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