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第四章 本当の愛
7. エピローグ
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結婚の決意を父と弟のオスカルに伝えると、二人は私の選択を尊重してくれた。アイナ嬢も涙を流して喜んでくれた。そしてロレンシオの両親――アルバ公爵と公爵夫人は、とても喜んでくれて、私を温かく迎え入れてくれた。まあ、ある意味、彼らの“策略”にまんまと嵌った訳だけど。
結婚式に関する打ち合わせの多くは、アルバ公爵家の王都のタウンハウスに新しく造られたサンルームで行われた。そこからは見事に手入れされた広大な庭が一望でき、我が家のこじんまりとした庭と比べると、少し気後れしてしまう。でもすっかりここも私のお気に入りの場所になった。
これまでの婚約破棄の連続に心配していた友人たちも、結婚式の招待状を送ると、今度こそ大丈夫だろうと、とても喜んでくれた。モレノ侯爵夫人が、お祝いにと特産品のシャンパンを贈ってくれたのも、うれしかった。
あと、一番目の元婚約者・ベルトランには手紙で結婚の報告をした。彼もまた“番”を配偶者に持つ者として、心から祝福してくれた。結婚生活へのワンポイントアドバイスとして、「愛情は毎日、言葉や行動で伝えることが大切だよ」と助言もくれた。獣人が“番”に向ける愛情と、人間同士の夫婦のそれとは、どうしても熱量に差が出てしまうから、意識してかたちにすることが必要なのだという。
一方、セレスティノはグロリア夫人と“仮面夫婦”としてやっていく覚悟を決めたらしい。社交界では浮名が絶えないものの、公の場では仲睦まじい夫婦を演じている。――少し空虚な気もするが、それも彼が選んだ道なのだろう。
三番目の元婚約者は、祈祷師のお墨付きの女性と結婚し、その実家の口添えで特産品の小麦の交易先を拡大している。四番目の元婚約者・フリオも、傍目には跡継ぎに恵まれ、事業も順調で、一見幸せそうだ。薔薇会で見かけた時の悲しそうな瞳は気になるが、幸せであって欲しいと願った。そして、五番目の元婚約者であるクラウディオは新たな魔石の取引先を見つけ、少しずつではあるが猶予されていた税金を返済しているという。
私たちは次の社交シーズン早々に、王都の中央聖教会で式を挙げた。贅の限りを尽くしたドレスに、まばゆいジュエリーを身に着け、こんな幸せな花嫁はいないんじゃないかと自分で思うほどだった。特に左手の薬指に纏ったパープルダイヤモンドが特別な輝きを魅せていた。
ついに、ヴァージンロード。私の手を引く、父の手が少し震えていた。
「――君なら、どこに嫁いでも大丈夫だと思うけど、幸せになるんだよ。」
父が耳元でつぶやいた。小さく「はい」と答えて、満面の笑みと共に頷いた。
そして壇上で誓いの言葉を交わして、ロレンシオと唇を重ねた。唇同士でキスをしたのはこれが初めてだった。高鳴る胸の鼓動と共に、差し出されたロレンシオの手を握り、新たな人生の一歩を踏み出した。
結婚式に関する打ち合わせの多くは、アルバ公爵家の王都のタウンハウスに新しく造られたサンルームで行われた。そこからは見事に手入れされた広大な庭が一望でき、我が家のこじんまりとした庭と比べると、少し気後れしてしまう。でもすっかりここも私のお気に入りの場所になった。
これまでの婚約破棄の連続に心配していた友人たちも、結婚式の招待状を送ると、今度こそ大丈夫だろうと、とても喜んでくれた。モレノ侯爵夫人が、お祝いにと特産品のシャンパンを贈ってくれたのも、うれしかった。
あと、一番目の元婚約者・ベルトランには手紙で結婚の報告をした。彼もまた“番”を配偶者に持つ者として、心から祝福してくれた。結婚生活へのワンポイントアドバイスとして、「愛情は毎日、言葉や行動で伝えることが大切だよ」と助言もくれた。獣人が“番”に向ける愛情と、人間同士の夫婦のそれとは、どうしても熱量に差が出てしまうから、意識してかたちにすることが必要なのだという。
一方、セレスティノはグロリア夫人と“仮面夫婦”としてやっていく覚悟を決めたらしい。社交界では浮名が絶えないものの、公の場では仲睦まじい夫婦を演じている。――少し空虚な気もするが、それも彼が選んだ道なのだろう。
三番目の元婚約者は、祈祷師のお墨付きの女性と結婚し、その実家の口添えで特産品の小麦の交易先を拡大している。四番目の元婚約者・フリオも、傍目には跡継ぎに恵まれ、事業も順調で、一見幸せそうだ。薔薇会で見かけた時の悲しそうな瞳は気になるが、幸せであって欲しいと願った。そして、五番目の元婚約者であるクラウディオは新たな魔石の取引先を見つけ、少しずつではあるが猶予されていた税金を返済しているという。
私たちは次の社交シーズン早々に、王都の中央聖教会で式を挙げた。贅の限りを尽くしたドレスに、まばゆいジュエリーを身に着け、こんな幸せな花嫁はいないんじゃないかと自分で思うほどだった。特に左手の薬指に纏ったパープルダイヤモンドが特別な輝きを魅せていた。
ついに、ヴァージンロード。私の手を引く、父の手が少し震えていた。
「――君なら、どこに嫁いでも大丈夫だと思うけど、幸せになるんだよ。」
父が耳元でつぶやいた。小さく「はい」と答えて、満面の笑みと共に頷いた。
そして壇上で誓いの言葉を交わして、ロレンシオと唇を重ねた。唇同士でキスをしたのはこれが初めてだった。高鳴る胸の鼓動と共に、差し出されたロレンシオの手を握り、新たな人生の一歩を踏み出した。
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